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Neonlight58さんのさくら、咲きました。の長文感想

ユーザー
Neonlight58
ゲーム
さくら、咲きました。
ブランド
SORAHANE
得点
83
参照数
375

一言コメント

際限無い命達に訪れる終末。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「臨時ニュースをお伝えします。

オート最低速度でプレイ。

「トコシエ技術」によって永遠の命を持つ人々が、突如迫り来る小惑星を相手に残された余生を過ごすストーリー。
……というのは建前で、建前の内容と本質となる内容が異なる物になるよう見せている為、滅亡物として読みたいのであれば、つばめ√の途中で止めるのを推奨します。

各ルート雑感
都:マスターの人柄が分かるルート。作中のある出来事に書かれた内容で「まさか」とは思ったが、そのまさかをやってのけるとは思わなかった。
美羽:見た目はロリ枠。全ルートの中で一番起伏の激しいルート。共通ルートの美羽からは想像も付かない内容かつ綺麗にまとまっていたのが良かった。
つばめ:3つ目のHシーンが好き。シナリオはこう、もやっとする感じでいまいちパッとしなかった。
グランド:物語の核となるルート。詩乃の下りは好きだけど部長ルートでやるべきじゃなかったのかと思った。
瀬利華:会長かわいい。内容が内容なので人によって意見が分かれるルートだと思う。個人的には美羽への好感度がさらに上がった。
奏:真性のロリ枠。鈍感系主人公にありがちなシナリオで雑感を書き辛い。別ルートなどに主人公と何歳差かのヒントがあるので、鑑みつつ読むのもマスターの視点になれて面白い。
部長:内容は悪くないけど、これまでのルートの繋ぎ方や研究に関する一部設定を捨ててるせいで少し残念な形に。でも最後のルートとしては十分な出来だった。

総評
生活部のノリがかなりぶっ飛んでいて人を選びそうでしたが私は面白かったです。
死生観については、命がほぼ無限に続くというトコシエやエリクスの視点で描かれているので、限られた寿命しかない人類からしたら感情移入がし辛いように感じましたが、それでも「生きる活力」についてをしっかり表現できていたのが印象的でした。

今日も桜が満開でしょう――」