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Nakasanさんの恋祭☆綺想カメリアノート ~夢に忍ばず、斬り咲け乙女!~の長文感想

ユーザー
Nakasan
ゲーム
恋祭☆綺想カメリアノート ~夢に忍ばず、斬り咲け乙女!~
ブランド
tritail
得点
71
参照数
1407

一言コメント

カードゲー?じゃんけんゲー?・・・・・意外と本格ゲームなのかも知れない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

クリア状況:全ルートクリア。
パッチ状況:1.03適用

▼あらすじ
突然始まった命刻祭という戦椿符と呼ばれる札を使った戦いに主人公は巻き込まれる。
優勝者には何でも好きな事をかなえるという報酬が待っているという。
急な戦いで無防備な主人公が狙われたその時突然現れた謎の忍者「涼花」に助けられる。
そしてこの祭りが何のためにあるのか果たしてその報酬は誰のためにあるのか。
その謎に主人公は戦いを通じて謎にいぞんでいく。


以下採点

▼ED/OP(10点満点):6
ED/OPムービーはあります。
OPムービーは割と良い雰囲気を出していますが画像の荒さが気になりました。
エンディングムービーはスタッフロールとなっております。
エンディングは合計8種(BAD2種を含む)
エンディングの数としては十分な数を満たしていると思います。
それぞれのエンディングは話を〆るストーリーとしては十分ですが
若干本編とのずれを感じました。


▼System(抜きゲ:15点・ADV:15点・SLG/ACT:30点満点):23
じゃんけんを基調としたカード型対戦RPGとなっていて
ルールの把握は比較的わかりやすく爽快感がありますが、
若干カードのエフェクトの説明が短くここの表示速度を速度調整出来ることが出来たら
非常にユーザーにとってもやりやすい感じになったのではないかな、と感じました。
難易度に関してはこのメーカーでは定番ですが狂おしいほどアホみたい難易度まで実装されており
その点は毎度毎度限界に挑めるような難易度調整となっています。

また、パッチを当てる事で思考が変化していて通常難易度でも骨のある難易度になっています。
ADVパートにおいても最低限のシステムは実装されており、
特に不満を感じる箇所はありませんでした。

ただ、やってること自体は単純行動が多めで
状況のバリエーションとしては乏し目なので飽きが来るのが早いと思います。
カードバトルとしてはそれぞれのキャラにある程度の特徴を持たせていますが
生かし切れていないキャラが多い感じを受けたりしたので、まぁまぁという評価にいたしました。

スキップなど基本的な動作環境としては基本的なところはすべて実装されており、
シーンスキップなど細かい設定が出来、一気にシーンを飛ばしたり出来るのは好感を受けます。


▼Story(抜きゲ:15点・ADV:30点 SLG・ACT:15点満点):12
思った以上に割としっかりしているストーリーでした。
とはいえ、それぞれのルートを比較してみると互いが矛盾している箇所などが若干合ったので
その辺を割り引かせて貰いました。
全体的なストーリーのボリュームとしてはやや少なめでしたが
この手のゲームでは話が長いとだれやすいのでゲームパートとのかねあいやバランスを考えると
ちょうど良い具合だったのも好印象を受けます。


▼Music(10点満点):6
全曲数19曲。(ボーカル曲3バージョンを含む)曲数にはやや不満を覚えます。
ADVパートがそれほど長いというわけでもないので、バリエーションは少なめでも
さほど違和感は感じないとしても流石に少ないのでは?と感じました。
曲は全体を通して和楽器の音色を基調とした音楽が多く統一感があります。
とはいえ、これ!と言う曲がほとんど無く全体がぼやっとしたイメージを受けました。
ヴォーカル曲の使いどころはよく、良い感じに仕上がっていると感じました。


▼Graphic(10点満点):7
割と丁寧に塗られていますがこのメーカーの特徴なのか、昨今の淡い色遣いと一線を引いた色遣いが多く
それを受け入れれるかどうかで評価が変わってくると思います。
それとは別に戦闘パートなどで出てくるSD絵の絵は非常によい出来で、
カードの絵柄のキャラなどの絵柄が非常に良かったと思います。。


▼Chracter(抜きゲ:25点・他10点満点):7
ヒロインは4(5)名ですがキャラクターは割と多くそれぞれが個性有るキャラで構成されています。
そしてなかなかに引き立ったキャラが多く、見た目とのギャップに驚きます。
このギャップというのは・・・・何かこう、言葉に言い表すのには難しいのですが
前半部や見た目だけからだとまるで魅力を感じないのです。
無論プレイをするとそれは間違いだと分かるのですが、なにかこう、魅せ方が悪く非常に損をしている感じを受けます。


▼other(15点満点※減点方式):10
上記以外に突っ込むところが少ないため
全体的なイメージから上記の点数を付けました。


■総評:71
良作まで後一歩足りなかった作品。
戦闘バランスやテンポの良さ、また思ったよりもストーリーが充実していることなど
このメーカーの良さを引き出してるゲームだとは思いますが明らかにコンテンツが足りない箇所、
「こじつけ」が足りなかった箇所、都合主義に流され過ぎな箇所が有りました。
前作VBEが良かったため割と期待はしていたのですが肩すかしを食らったイメージがあります。

ルールそのものは結構単純なルールではありますが、
思ったよりもやりこめる箇所はあるのでたまに起動してプレイするには十分楽しめるソフトでした。
とはいえ、がっつりいけるか?と言われると首をかしげます。

技術力があることはここ最近の作品で分かっているので
次作を期待しております。