主人公性別選択可能、RTSシステムと、最近のエロゲとしてはかなり斬新なコンセプトで開発されており、非常に興味をそそらせる物であっただけに後一歩が足りなかったのが非常に残念。
クリア状況:メインヒロイン3名クリア。
修正パッチで一部の不具合を回避することが出来ます。
▼あらすじ
浪人生の主人公はとある日非日常とも言える「魔女」と「魔法使い」の戦いを目にすることになる。
本来普通の人間には見えない戦い・・・非日常。
それに紛れ込んだ主人公は、それを目撃したことにより否応なしにその戦いに紛れ込まれていくことになる。
とはいえ。魔女側として仲間になった物の、なぜ紛れ込んだのか、そして「力」とは何なのか、
そして魔女の意図は何なのかが分からないまま日々は続き・・・
▼ED/OP(10点満点):9
エンディングは3種以上(まだ情報が少ないため総数不明)
非常にセンスがよいオープニングムービー。これだけで作風が伝わります。
エンディングはテロップ流すだけであり、それぞれの個別のエンドもややさっぱりした物になっていますが
オープニングムービーの良さを大きく加点しました。
▼System(ADV:15点・SLG/ACT:30点満点):19
売りとしているバトルパートの方ですが割と良くできていると思います。
このジャンルは数々のメーカーが地雷ソフトを生み出しているという中で
「闇夜に踊れ」は「メーカーがSLG初作品のゲームである」と言う割には出来が良く、
及第点、合格点と思います。
・移動経路がこまかい部分まで指定できる。
・行動に関しても攻撃重視や警戒行動などできちんとメリハリをつけれる。
・必殺技連発でき、俺TUEEEEEEEが容易に出来る。(デメリットでもあるけど。)
・難易度指定が可能。
なによりも、ゲームとして十分遊べるレベルで作り込んであるのは好印象。
とはいえ、相当作りが甘いのも事実です。列挙していくと
・スキルが非常に多く、バトル中どのスキルが何のスキルか分からない。
・画面遷移する際、移動指定の時とスキル使用や通常時の画面遷移方法が違う。
(前者は画面端にカーソルを持って行くだけに対し、後者はドラッグで動かす。)
・所々のマップに「穴」がある。特に指定箇所に到達するクエストでその穴が有効すぎたりする。
・やる気のない敵多すぎ。α体験版時のようにもっともっと積極的でも良いと思った。
・時間経過がクリア条件のマップ等で、第一波さえ対処できればあとは黙っててもクリアできる状態となってしまう。(一応敵は沸くけど)
・障害物(守る必要が有る場合も含む)を召喚でゴリオシできないように殴る仕様は良い。しかしそれでも全体的に召喚ゲーでありバランス調整がまだ不十分と思います。
■
バトルパートはこんな感じで点数的には23/30くらいつけたいところですが
ADVパートのシステムが非常に悪い。
最低限のシステムは積んである物の、最新セーブの位置が分かりづらい。
クイックセーブ時にエフェクトがない、バックログを開く操作がマウスホイールでできない、
2P以降にセーブしてもロードしたときは1Pを開いてしまう、会話パターンの少なさ、
マップで使い道が全くない箇所が多々ある、マップ切り替えがめんどくさい上何処にいるのか毎回確認しないとダメ
音楽鑑賞モード無し(おまけディスクとして別途同封されていましたがゲーム内で聞けても良かったのでは?)等々
このゲームがもしADVだったとしたらさんざん操作性に文句が出る出来だと思います。
この辺を大きく減点致しまして19としました。
▼Story(ADV:30点 SLG・ACT:15点満点):7
非常に読みづらい、耳障りな箇所が多く見られるテキストと思いました。
理由はいくつかありますが、多くの文章に「ま、○○○○~」「そ、○○○○~」と言った文章ばかり多く
(まぁ、声優さんの演技のせいもありますが)そこばかり強調されて聞こえました。
誤字もいくつかの部分で見られましたし、名称の呼び方の統一感がない、
安易な名称の使い方、なのに小難しく理解しづらく書いている(凝る場所違うでしょ。)等
せっかく絵やバトルシステムが頑張っているのに大きく足を引っ張っている感じがします。
ストーリー全体の構成としては一本のシナリオになっており一貫性はありますが、物足りなさは感じました。
すべてのシナリオをクリアしたわけでないので、メインヒロイン3名のシナリオの中で
投げっぱなしになっている伏線や場面を補完できるシナリオがあるかはまだ分かりませんが
今のところはまぁ、それなりに・・・。と言う程度の印象しか有りません。
こんなゲームだからこそ無理矢理厨二こじらせたような名称を使っても良かったのでは?
せめてスキル名につけた名前の1/2程度でも良いから凝ってくれると全然イメージががらりと変わったと思います。
▼Music(10点満点):8
全13曲。(店舗特典ディスクのトラック数より。)
曲数に関しては不満を感じる数ではありますがそれぞれの曲がメリハリよく、
特にバトルパートの曲が主張しすぎず飽きさせないレベルなのが良いです。
OP曲のみボーカル曲なのですがNHKみんなの歌の「月のワルツ」に似た雰囲気で
非常によい雰囲気を出しています。もちろんおすすめもこの曲です。
▼Graphic(10点満点):8
背景はよく書き込まれれており一部タンスの奥行きがないなどおかしい箇所がややありましたが
それでも構図が崩壊している等はすくなく良いと思います。
絵そのものも非常に淡目の塗りで魅力的に書かれています。他メーカーだとベタっとした絵が多いなか、
非常におしゃれで良い印象です。しかし水着が超微妙なのがちょっと残念。
▼Chracter(10点満点):8
オカマキャラが居ると言うだけで個人的にマイナス200点なのですが
とりあえず葵ちゃんがペロペロしたくなるかわゆさなので208点足して8点評価にしました。
どっかで見たことがあるなぁ・・なんて思ったら戦女神シリーズに出てくるナベリウスと印象かぶったか感がします。
ヒロイン3名は一般的なエロゲでよくあるテンプレキャラみたいな物ですが
きちんとそれぞれの良い要素は押さえられていると思います。
ですが一言言わせて頂きたい。
「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
おれは女主人公パートでヒロインの処女奪う展開を期待していたんだが
いつの間にか自分がヒロインに処女奪われる展開になっていた!
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが (以下略)」
私はレズゲーははじめて手を出したことになるのですが
こういう展開は意外とショックな物はありました。
せめて奪い返すCGがあっても良かったじゃないですかー!この淫乱ピンクめ!
▼other(15点満点※減点方式):12
いろいろ考えてみましたが、意欲的な作風であること、体験版を早くからリリースして
何度も改良を重ねた点など、ゲームに対しての好感度が高かったことから個人採点としては12/15にします。
■総評:71
良作まで後一歩届かなかった惜しい作品。
人にお勧めできるかと問われると首をかしげます。と言うのもゲームの出来云々より、
上にありますがシステムがちょっと特殊なので体験版をやってみて合うなら、と言う勧め方しかできません。
点数とは別件で、上にも書いてありますが
まず体験版をしっかり重ね、ユーザーからのフィードバックを広く取り入れた点を高く評価したいです。
RTSと言うと最近リリースされてる中ではエロゲでは神楽シリーズなどがありますが、やはりバグフィックスや制作の手間など
コストにあわないせいか、なかなかこういう作風を見ることが出来ないため新鮮でありました。
ただ、ADV部分のシステム、テキスト両方とも厳しい評価をせざるを得ない出来で、
ゲーム部分としてこのメーカーに高い期待値を付ける反面、会話部分の方は次作で相当頑張らないといけないと思います。
ゲーム自体のコンセプトは非常に面白かったと思います。
ただ、今度はもうちょっと簡単なシステムを用いたゲームでも良いのでは?
そもそもこの手のゲームシステム自体受け入れる人って相当少ないとおもいますし・・・。
次リリースする作品がこのようなシステムのゲームであるのなら
その出来に期待することが出来るのではないか、そういうのを感じさせる意欲作ではありました。
おまけや情報をどんどん出して居るのを見るとメーカーそのものに対するイメージはとても良かったです。