「出来の悪いゲーム」と「つまらないゲーム」と言う2つの物は全く違う意味である。(製品として)ジャンクの中に光る物を見つける事も出来る。
※プレイ状況:(パッチ1.04aを導入済み・Aルート・千歳攻略済み・おまけダンジョン攻略済み)
中古屋にようやく安く出てきたので入手。
一応気になっていたのですが、評判を見る限り出来が良くない、とのことで回避してました。
パッチを入れることでかなりの動作の改善が見られます。
むしろ入れないとフリーズの嵐になるそうでパッチは必須でしょう。
体験版の方の感想でも書きましたが全体を通して非常に不便な箇所が多いです。
そしてチープです。(特にダンジョン探索のフィールドが。)
しかし、何かこう夢中になれる何かを隠し持っていて、
そして所々から制作者はどういう遊びをして欲しいのか、
その工夫と誠意をみれる箇所もいくつかあり、光る箇所もありました。
■あらすじ
「塔」を中心として変質した生物と日々戦うスラムに住む夏紀は
ある日スラム街に父を捜しに迷ってきた静香と出会う。
静香の父は「塔」・・・ナルカミと呼ばれる研究施設で失踪した。
夏紀はその父を捜すために塔へ潜るのだがそこで見た物はまさに想像を絶する研究。
果たしてその塔にはどんな秘密が隠されているのか・・・・
※おおざっぱに説明すると世界は北斗の拳の世界で、
それの原因となった施設を叩こう、そんな感じになっていきます。
以下採点
▼ED/OP(10点満点):4
OP/EDムービーはありません。
また、EDは各個別ルート6種+BADEND2種(おおざっぱに)
イントロダクション的なチュートリアルはあります。
▼System(ADV:15点・SLG/ACT:30点満点):10
体験版の時と比べると動作のもっさり感は大分解消されています。
しかし・・・解消されたところで良いシステムとは言い難いです。
具体的に列挙していくと
・フィールド散策時はSAVE/LOAD出来ない
・セーブやロードのメニューから右クリックで脱出できない。右クリでメニュー消すくらい出来ても良いのでは?
・動作が軽くなったとはいえ移動が非常にストレスが貯まる。
(テンキー使用できるようになってるだけ大分マシではあるが・・)
・戦闘パートのテンポが非常に悪い。敵が必殺つかってるというアピールがしっかりわかるが
その代償としてテンポが悪くなっている。
・操作性が非常に悪い。フィールド移動、戦闘含め両方の操作性が悪い。
・マップが非常に使い勝手が悪い。一応ショップから簡易的な地図が入手できるので迷子になるおそれは回避できるが
マップからマップへの移動のラグタイムが多くストレスを感じる。
・その他生かし切れていない仕様が多数(例:日数設定や個別キャラのフラグ管理、
見えない位置でのエンカウントが一部フロアでしか使われていないなど)
・10年前のPCゲーじゃあるまいしもうちょっとせめてSLG部分のグラフィックやキャラ表現に手を加えれなかったのだろうか。
チープな印象が非常に伝わってくる。トイレの男子マークがちょろちょろ動いてるだけ、敵のエンカウント部が「E」だけなのは寂しすぎる。
・SLG部で移動が億劫なのに対してマップがやたらでかい。
・ゲーム時は連続してつながっていたエロシーンを小分けにしておまけのシーン数水増ししないで欲しい。
個別BAD+BADの組み合わせでゲームオーバー食らうのだがそれぞれのBADは分けるのは仕方ないが
個別のBADをなぜ2回分に分けて収録する必要があったのだろうか。
・戦闘終了とかターンの表示とかあれがそもそもチープさを醸し出してる。
・アクセルユニットシステムは・・・普通に大人の事情でああなったのかな。うん、きっとそうだ。
そんな事情がなかったらきっと可愛い子が一緒にいたたかってくれていたはずだから!
まだまだ書き足りないのですが一言で言うと
これ、デバックしてるんですか?と言わざるを得ません。
特にパッチ無しの状態ではとてもじゃないけどゲームにならないレベル。
どうしてこの状態で発売したのかが理解できない。
※これはよい。
・引き継ぎ有り。
・固定エンカウント。ランダムエンカウントだったら間違いなくキレてた。
敵を回避しようと思えばかなりの数を回避できる。「経験値」システムのゲームではないので
周回プレイをするにあたって生きてくるシステムでもある。
また、周りの見えない位置の敵を巻き込んで集団でエンカウントするシステムはよい。
一匹だと思ったら近くに集団があってそいつ巻き込んでごらんの有様だよ!的状況になったり。
・戦闘システムは下準備次第でかなり有利に事を運べれる。アイテムに関しても比較的差別化がなされており
状況に応じて武器を用意する戦術性は兼ね備えている。
基本的に急いでやろうとするプレイをしっかり足止めしてくれる、
また回避しようと思えば大多数は回避できる、そういう絶妙さは感じました。
色々考えたけど、チープさとシンプルさが相まって逆に昔のゲームを遊んだ世代だと
それをあまり苦痛に感じて来なくなるという何というか麻薬みたいな危うい不思議な楽しさは持っていると思う。
▼Story(ADV:30点 SLG・ACT:15点満点):7
途中までの展開を見ている限り昔あった「DOOP」というゲームと同じ展開なのかな?
と予想してたが案外とよくあるメリケンB級映画のクライマックスみたいな、そんな展開に落ち着いていました。
(たとえばヒロインが確定すると他のヒロインのBADフラグ立ったり)
残念ながら日常生活のシーンに関してはあまり魅力を感じませんでした。
本シナリオに関してはSC団のボス~ラスボスまでの流れは割と良い。
しかし、フラグ管理が曖昧になっている関係もあり話が前後したり矛盾したりしてる箇所がある。
日常パートはとばしていると書いてあるが、千歳と花屋はペロペロしたくなるかわゆさがあるので
テキストを読んでいたのだが、「ま、~~」をあまりに使いすぎです。特に千歳。ほとんどの会話が「ま、~~」で始まる。
それとエロシーン(主にBAD)ですが「ちくしょう」が多すぎて気になる。
おまえは小梅太夫かと。(※決め文句がチクショーの芸人)
・・・とはいえ、エロシーンはなかなか陵辱分が多めでシチュエーションは割と良い。
しかも結構えぐいところが多めでなかなか「使い勝手」としては良いと思う。
しかしだ、なぜそこまでピアスにこだわらなきゃダメだったのか・・・
これに関してはグラフィックの採点の所でさらに触れていく。
▼Music(10点満点):5
割とお気に入りの曲はあります。
曲調はやや古めかしさを感じますが可もなく不可もなくまとめられています。
曲数は18曲と少なめなのもありますが、似たような曲も割と多く思ったほどバリエーションを感じないラインナップです。
・・・もうちょっと曲にきちんとしたタイトルを付けてあげても良かったのでは。
▼Graphic(10点満点):6
絵自体は好みの部類です。まぁ、しかしなんていうんだ。
そこまでピアスにこだわる必要があったのか!?
確かにこのゲームのBADは陵辱ENDであり、そういう状況を踏めるとピアスは十分ありな展開ではありますが
それが全部のキャラにあるというのはどういうこっちゃ・・・・
SC団はピアスにこだわるピアス好きの集団なのか!?
なーんて思っていたら主人公との和姦にもピアス差分があって頭が ど う に か なりそうだった。
それと立ち絵が全体として体のバランスが変な気がする。
とはいえ、千歳ENDの最後の笑顔は最強ではありますが。
絵は好みなのですが・・・どうしたものか、あまりのピアスへのこだわりぶりに
さすがにちょっと引かざるを得なかったです。
▼Chracter(10点満点):7
上にも書いてありますが花屋と千歳と静香は良いキャラだと思います。
その中でも千歳がよいですね。うん。最初は花屋ゲーと思ってましたから。
ですが、他のキャラにはあまり魅力を感じませんでした。
とくに中華娘2人にはほとんど話す気力すら・・・。
とはいえ、一つ言わせてほしい。
声優さんがほんとよくがんばってる。
キャラの見た目とか行動から考えるにミスマッチであろう人選はあるが
それでもあのシーンをほんとよく演技してるな・・・と。
それだけでも価値があるかな、そう思えます。
点数の根拠はこれがほとんどです。
▼other(15点満点※減点方式):10
パッチ入れた後の動作になりますが自分の環境だとフリーズやクラッシュのバグは有りませんでした。
その他減点する内容はすべて上にあるのでこの点と致しました。
■総評:49
失敗作。
フルプライスで発売するには十分といえる質を満たしていないと思います。
特にシステム周りが非常に厳しい。
しかし、そういう中にもいくつかこれはなかなか良いんじゃないの?というシステムも有る。
案外グリッドマップで動いてみるのも今の時代にしては古くて新しいかも知れない。
もっと時間と人手をかければ案外化ける要素は含んでいると思うのに
それだけにもったいない、どうしてこうなった。そういう印象を受けました。
陵辱BADがかなり多めなのでそれが好きな人には良いかも知れない。
点数はこうなりましたがそのわりには・・・・うん、なかなか遊べます。
出来の悪いゲームは楽しめないゲームなのかと言われるとNOと答えます。
普通に投げ出せるレベルでもありますけど。