どこかひっそりとしていて穏やかな、けれど心地良い物語。（雛ルートのみプレイ）
気付いたら朝でした、というのは久々です。
感想を書くのはほぼ1年振りですが、それくらい新鮮だったという事で…
ああ、私も遅刻かな今日は…なにやってるんだろう（汗）
【シナリオ】
ハイテンションなノリで進行するのかな、と思ったんですが意外とシックなんですね。
共通パートの序盤は特にテンションの起伏を感じましたが、違和感なく落ち着く感じでした。
全体的には一歩引いて相手を思いやるというのでしょうか。そういった雰囲気が特に多いと思います。
それが心地良いと感じられる、そんな物語でした。
特にSSシステムのお陰か、客観視する場が多い事でそれぞれの感情をつぶさに理解出来たのは良かったです。
但し冒頭の通り、共通パートと雛ルートについてのみの感想となりますのでご容赦下さい。
また、雛のそれについては後述をば。
【音楽/Voice】
音楽は場に合った適切なもので、差し障りなく良かったと思います。
OP曲は相変わらず突き抜けてるなあ、という感想でしょうか。
ED曲は逆に静かな良い曲…と思ったらカヒーナさんだったんですね。納得です。
声についてはほぼ全員印象通りでしたが、黒岩さんが一番光っていた様な。
あの安心出来るトーンとテンポは好印象ですね…
【絵】
なんでしょう、美麗…というわけでもなく淡い感じが多いのですが。
物語の雰囲気にあっているんでしょうか、凄くマッチしていたと思います。
細かなデッサンは詳しくありませんが、良かったですね。
【総評】
どうも感想を寄せようと思う作品は1人しか攻略していない事がままあるのですが…
これで総評とは烏滸がましい限りですがご容赦頂きたく。
雛が気になるという方で、静かな雰囲気が好きな方にはお勧め出来るのではないでしょうか。
特にFDの方もあるようですので、それも含めて体験版等で触れてみて頂ければと思います。
…ちゃんと出ますよねFD？ 期待してますよ…？
以下、結構雛についてネタバレな感想となります
【雛について】
まず感じた事は、しっかりした子なんだなという印象です。
動機と目的と、そして手段。それぞれをちゃんと反芻した上で行動していました。
所謂ヤンデレといった共倒れ的な思考ではなく、あくまで理論的な兄妹愛というのでしょうか。
「兄の負担にならない様に、その上で出来るだけ長く一緒にいたい」
という感情が伝わってきた瞬間、聡い子なんだと直感しました。
そしてそれを個人的にはほぼ完璧に汲み取った真は、素晴らしいと思います。
ちゃんと悩み、守る形で愛してあげたいという結論には大満足です。
雛の心情は、描写がきめ細かかったお陰かよく分かった気がします。
お兄ちゃんが好きという気持ちの他に、どこか壊れた感情というのでしょうか。
「自分なんて何の価値も無い、居ないほうが良い嫌な人間」
というニュアンスを含むネガティブなそれを強く感じました。
（何となくですが、コンシューマゲーム「アルトネリコ１」のオリカという女の子を思い出します…）
それもあってか、どうしてここまで雛が自分を卑下するのかが結局分からず終いだったのは残念です。
実家から真が居なくなった1年位の間に、一体何があったのでしょうか。
両親の態度からして、雛を守ってあげる人間が居ない時に何かが起こったとは思うのですが…
これはFDの内容となるんでしょうかね、両親と一悶着する要因となるのかな…？
ただ、エピローグでは密かに雛が制服について楽しみにしている下りもあり、
雛の中でも気持ちの変動があったようで、割と前途は明るいような気がします。
願わくば、FDでもっと幸せになれます様に…