月詠で始まり、月詠で終わる。
兼ねてから興味のあった本作ですが、去年末から始めてようやく終わりました。
月詠のお話だけで満足しちゃってますが、進行速度が遅い私はいつもこんな感じですね(汗)
しかし、最後の方にまでゆのはがちゃっかり出てるのには驚いた(笑)
【シナリオ】
八百万の神々というのはいつきの言通り「勝手気ままで適当」なんですよね。
本作では一部の神々を除いては割と大人しかったですが、起こるトラブルの根底には
何というか「神ならではの視点」があった気がします。
神道好きとしてはくすぐったい様な、そんな楽しさを感じました。
あとは他の方と同様、冒頭で感じた違和感は「ええ、そーた江戸っ子なの…?」でした。
でも(私にとって)前作のゆのはなも、主人公は似た性格だったなと今にして思えます。
何というか、あんまり悩まない性格なんですよね。
全く考え無しの無鉄砲は些か困りますが、後半に行く程かなり好感が持てました。
色々と悩んだりぶつかったりしても、ヘタレないのは凄く良いです。
もうちょっと月詠といちゃいちゃして欲しかったですが、まあ十分してくれましたね!
そしてクライマックスでも凄くお互いを大切に思いながら、熱く突っ走ってくれました。
命による決め台詞を撤回して「ああいう」言葉をぶつけるのは、気持ちが籠もってるなあって感じます。
凄く良かったです、ファンディスクでないかなっ!
【SE/音楽/声】
幕時の木囃子(?)や章始めの和楽器など、細かく和を感じさせてくれるSEは良かったです。
BGMは「晴れた日はスニーカーを履いて」と「やおよろズ」がお気に入り。
晴れた~は普通な曲なのに、どうにも耳に残るんですよねえ。
やおよろズは教えてシリーズと幕間の漫才で刷り込みされました…恐るべし。
歌については 二藍-あいいろ- が掛かるタイミングと言い凄く印象的でした。
後から聞き直してもイントロからして良いなあと思えます。
(ちょっと和笛が気になりますけど、そこは御愛嬌)
声はとにかく月詠がマッチしていて凄く良かったです。
罵声・怒声を上げる時の声色や迫力は、胆力があってこそですよね。
普段がちんまい(というとアレですが)だけに、「っ!」と気を張りました。
そして意外な伏兵は雷太、君だ! 何という美声…
一瞬「小山さんかな…?」と思いましたが似てるだけですよね、きっと。
建御雷之男神を背負ってこの声でとあれば、凄く納得出来ると思います。
あんまり声優さんは気にしないのですが、是非またお聞きしたい。
【絵】
後から気付いたんですが、お二人で描かれてたんですね。
ちょっとタッチが違うかな…? 程度にしか思わなかったのは凄い。
全体的にポップに描かれていて、それを崩さず可愛く描かれていたと思います。
大変失礼ながら月詠しか見てない(というか見えません)ですが、
一枚絵での光源を巧く扱ってるなあ、と感じました。共通ルートでの他の娘しかり。
可愛く、綺麗に魅せるという点で凄く良い演出です。
余談ですが、月詠は最初と最後は同じサイノキサマ…なんですね。
凄く幸せな気持ちになれました。
SD絵はあれ、筆描きで線を引いたんでしょうか?
意外と難しいんではないかなあ…コミカルに、和風にと描かれていていました。
…でも、彼女達は全然役目果たしてないですよね、いつも(笑)
【総評】
神様が出た時点で物語の論理性というものは何を況やな訳でして。
そうなると、何が目を引くのかに懸かってくるんですよね。
私の場合は「神様と暮らしてみる」という部分が該当したんだと思います。
かつてこれ程大勢の神様が押し寄せて来る事など無かったという事も然り、
神々の畏敬という部分をちらっとでも見せてくれた事は大きいと思います。
事、今のご時世では忘れてはならない感慨だと強く感じて居ます。
まあでも、やっぱりシナリオでの通り主人公が大事な所で迷わず…
というのが好印象だったのは大きいです。終わった時に幸せなのが一番ですから!
他シナリオをやると点数が下がるのかもですが、私はこれにて…
【個人的に】
保食神のお話やイザナギ・イザナミのお話がちらっと出ますが、
この辺のお話は面白いものです。というか神道八百万のお話は非常に楽しいです。
もし少しでも興味を持たれた方は、是非調べて欲しいですね。
西洋の神々に比べて、非常に人間くさい「親しみと恐怖」がある。
それが今の日本を形作る、素晴らしい要素だと信じています…