真雪ルートのみの段階ですが、一時評価として。
大作・名作と呼ばれるタイプのお話では無いと思っていますが、
無評価では余りに勿体ないので共通シナリオと諸処をレビューさせて頂きたく。
【シナリオ】
SFという前提を踏まえた上で考慮すれば、大きな違和感・矛盾点は無いと思います。
アンドロイド、並びに人工生命体の存在を禁忌としている世界の様ですが、
ミル以外の存在が周囲に存在しない以上、ミルは一般的なそれを遙かに凌駕する存在、
という良心的な認識で捉えれば納得も行くかなと。
共通シナリオでは「体は大人(R18的な意味で)、心は赤ん坊」という状態を良く描き、
主人公を含め周囲の子が温かく見守り、教え、覚えさせる雰囲気が出ていました。
個人的にこの流れが凄く好きで、いきなり色事に走ったり簡略し過ぎず、
後半に至る伏線も張りつつ、テンポ良く進ませてくれたと思います。良かったです。
選択肢は非常~に解りやすく1箇所のみで、相手を選んだ後は即ルートに進行します。
真雪のお話はSF全開の設定ですが、その上で揺れる気持ちを上手く表現していました。
中盤、ちゃんと主人公と恋人チックな展開も用意されており、初々しさも出てます。
終盤のシリアスな流れでは、良い意味で初恋同士らしいやりとりを交えつつ、
変に暗い展開を間延びさせずに閉じていました。後味も悪くなく、良い感じです。
人によっては「何故そういう選択肢になるかなあ」と感じる内容もありそうですが、
その時の主人公や真雪、○○の立場・心情・性格からすれば、納得出来る範囲かな…?
(むしろ最後の最後で何故、主人公をああいう泣かせ方させたのかが疑問でした(笑)
あの人を立たせたかったのかな、と思えば何となく合点が行くんですが…)
【音楽/SE/声】
お! と思う曲は特に無かったと思いますが、逆に場に合った構成だったと思います。
物語相応の作りという意味で、良かったなと感じました。
キャストさんもミスマッチは無く、素晴らしい仕事をされてると思いました。
特にミルは序盤・中盤・終盤と、恐らく喋り方を変えていたと思います。
「あれ? 雰囲気変わった…?」と思わせる演技は脱帽です。素晴らしい。
【絵】
個人的な好みはあるでしょうが、大満足です。可愛く描けている他、質感も出てます。
特に一枚絵と立ち絵の質感差が無く、最初の一枚絵は立ち絵なのかと思う位のレベル。
文句なしだったと思います。
SD絵もデフォルメの良さを出してました。真雪の嫉妬SDが可愛いの何のって!
【総評】
全員の攻略をしていない状態ですが、その前提の上で予想を交えて以下に。
万人共通に訴えるメッセージではありませんが、何か感じるものがある。
そんなイメージを私は受けました。
世に言う名作という評価はされないと思いますが、纏まり方や雰囲気からすれば、
サイトの雰囲気が気に入ったのならばお勧め出来るのではと思います。
絶対的にお勧め、とは言えませんが決して嫌な感じでも無いので、本得点とします。
【個人的感想】
購入前はミルに興味があったのに、いざ選択肢まで来たら真雪を押していたという私。
ああいう幼馴染みって個人的に裏切っちゃ行けない感バリバリなんですよね(笑)
「かみぱに」や「ぶらばん!」を彷彿させる控えめな子、大好きです。
また、主人公の性格が鼻に付かなかったのは非常に良かったかなと思います。
やたらモテるのは致し方ないとして、最近どうも「その性格でモテるの…?」
って思ってしまう主人公が多いなあと感じていたので、良かったです。
さて、非常に長いレビューになってしまいましたが、読んで頂けて幸いです。
ありがとうございました!