これほど迫力ある陵辱ゲームには、そうめったにお目にかかれない。長さに耐えられるならスリルと衝撃が約束される。
サスペンスである。
それも、完成されたサスペンスである。
殺人事件の犯人として逮捕された男の娘、七瀬。
人殺しの娘として”贖罪”を求められ、脅迫され、輪姦される。
七瀬の父親は何の罪を犯したのか。
そして、なぜ七瀬の行為が”贖罪”となるのか。
明らかにされた謎は、七瀬に、また読者に何をもたらすのか。
ある事象は、誰か1人の視点からだけでは説明できない。
多角的に把握されて初めて意味となる。
不確かであやふやな視点で事件を追っていく体裁。
何気ない異和感が、最後の最後に真実と結びつく。
無理のない説明に唸らされること請け合いだ。
膨大な伏線が美しくまとまるラストシーンには感動すら覚えた。
とはいえ、複雑なシステムは厄介。
公式にすぐ攻略が掲載された程である。
見ながらやればストーリーは追える。
しかし、それでは臨場感が失われる。
バランスを取り損ねたことは間違いない。
分岐が複雑でないのが救いだろう。
文字の量も半端ではない。
濡れ場までが遠く、ヤリゲーという体ではない。
半ばを超えるとテンポもよくなり、それ以上に内容への興味で読み進められた。
だが事件があやふやな序盤はかなりの忍耐を要求される。
ストーリーもいいが、濡れ場の質の高さがもっとよい。
女性1人称視点もこうなると深味。
大半が輪姦であり、救いらしきものは一切存在しない。
七瀬は、自分を助けようとした友人も巻き込み泥沼の陵辱地獄へ堕ちてゆく。
家でも学校でも、通学途上でさえ見境無く続く悪魔の行為。
ゲーム内時間のに反比例して、描写はねちっこく執拗。
登場人物の心理については更に密度が高い。
よって、きわめて扇情的である。
エロゲーでこれほど昂奮できる心理描写を私は他に知らない。
出てくる女は全て犯される。
鬼畜である。
しかもただ行為が鬼畜というだけではない。
精神までも真っ黒な、どす黒いゲームである。
そして七瀬の精神が病んでゆく過程が克明にうつしとられている。
無慈悲に蹂躙されるヒロインたちと、救いのない終わり。
これらに抵抗が無い人には私も自信を持って推薦できる。
(オススメ度…★★★★☆)