大雑把な部分が多く酷評が目立つのも仕方ないと思う。ただコンシューマーのゲームでこの題材に取り組んでくれたのは当時非常にありがたかったものだ。
タイトル通り一途ルートもあれば二股ルートもあるというのがウリ・・・なのだがキャラ数が多くルート分岐もその分多いためか1人1人のシナリオが薄く気づいたら終わっていたというキャラも多い。
例えば柚那は、なつみとセットのキャラなのでこのグループで3つの展開があるのだが最後の選択肢で柚那を選ぶ、なつみを選ぶ、二人とも選ぶ、のどれかを選ぶと即エンドでルートと呼ぶのはいささか語弊がある。はっきりいえば手抜き工事だ。
それでもまだましな方で花織に至ってはPC版では個別ルートがあったそうだがps2では透子との二股エンドしかなくタイトルに反している。
PC版では一年生、ps2では二年生ということで大幅に設定変更がありそれだけで力尽きてしまったのかこのようにかなり雑な部分が目立つ。
また、主人公を中心としたグループが学校最強でいわゆるカースト上位に所属するため何か問題があっても権威だけで解決(例えば恋奈のいじめ問題など。主人公達に注意されただけで大変なことをしてしまったと青ざめる女子達)できてしまう。
別にリア充グループがダメというわけではなく主人公達が強い理由があれば良いんだけど作中でそこはあまり表現されない。
強いていえば主人公がイケメンで回りのヒロインも可愛いから有名ってだけだ。
いわゆる僕の考えた最強の主人公状態なのである。
ハイスペック主人公が好きな人なら良いと思うがなろう小説のチート主人公みたいなのがダメな人は厳しいかもしれない。
また、ストーリーも微妙でありキャラのスペックで強引に乗り切ってる部分がある。
こんな有り様だから当時ファミ通のクロスレビューでも不評でありはっきりとは覚えていないが4~6点程度で構成されていたレベル。
このように兎に角粗が多い作品だ。
だが自分の中では実は高評価だ。
その最大の理由がコンシューマーゲームで二股の概念が取り入られてることである。
このゲームの2ヶ月後にshuffleがps2で出るのだが様々な女からモテモテでしかも神界は一夫多妻有、シアの父親は嫁3人という設定がありながらハーレムがない(シア桔梗、カレハつぼみはそれっぽい描写は一応あるがメインではない)のに対しこのゲームは先駆けでハーレムの概念を取り入れている。
これより前には双恋という最初から二股前提のゲームも出ているが組み合わせは固定で双子のみの為こちらとは差別化がはかられているだろう。
またストーリーが微妙とは言ったが絵は悪くなくキャラ自体は可愛い。
特に幼なじみの二人は主人公を好きな理由が他のキャラより明確でありこの組み合わせの二股ルートは中々良かった
あとは穂乃花と恋奈の組み合わせも中々良かったしこれだけで当時の自分はかなり面白いと感じたものだ。
一途も二股もOKと言うのが逆に無理しすぎた感じがありどうにも中途半端になってしまったがこのコンセプト自体はハーレム好きには悪くない。いっそのこと他と差別化を図るためにハーレムのみで勝負をしても良かったかもしれない。
しかしレビューを書いてて気づいたがfengも解散してしまったか・・・
色々と爪痕は残したブランドだっただけに物悲しい気分だ。
お疲れ様でした。