舞台が田舎でヒロインが全員人外、それもエルフやドワーフじゃなくて天狗や龍など和風テイストな作品。シナリオは短く展開も唐突なところが有るがレトロゲーの雰囲気が好きな人には結構面白いと思う。今となってはDOS版はプレイ困難だからやるとすればFanzaのWin版になるのだろうが。
流石にDOS時代の作品と言うこともあり、ストーリーは今となっては目を見張る物はなく、絵もかなり癖が強い本作。
シナリオ自体も短い上に唐突(東京から久々に故郷に戻ってきたのはいいものの、ヒロインの親達に記憶を奪われているからヒロインの事を覚えていないのに出会ったその日にこの人の事が本気で好きなのかもしれない・・・とか言ってるし、その割には四人全員に流されて処女を奪ったり)な展開が多く、個別ルートもラストの分岐くらいでほとんどないに等しい。また、舞台背景の説明も不足気味。
しかしながら、田舎が舞台で古めかしいBGMがレトロゲーとしての味を出しており、絵は独特ながらもヒロインは可愛いので人外ヒロイン系が合うなら息抜き程度にぴったりの作品だと思う。
主人公も流されっぱなしで4股かけたりしているが昭和後期~平成初期にありがちなダメな奴だけど不快と言うよりは生暖かい目で見れるタイプ(例えばうる星やつらの諸星あたるなどと似た感じかな?女と見ればフラフラしてばかりの奴だったけどそれでもそういうものとして受け入れられてた)。昔はこういう愛嬌のある主人公がラブコメには多かった気がする。
また、ギャグセンスも
「俺は本気だ」!←本気と書いてマジと読む
とか
覗いては行けない、立ち去らないと!うん?どうした、俺の足、そっちに行ってはならん、言うことを聞け~!
みたいな文が冗談でもなんでもなく普通に入ってくるのが時代を感じさせる。
昔のエロゲの雰囲気を味わいたい人、古参エロゲユーザーでこの作品はやったことがないけど当時の雰囲気をもう一度味わいたい人向けかな。
製作元のシルキーズも昔とはちょっと違った形ではあるけど今も現存しているブランドだし、シルキーズが好きな人はその黎明期の作品に触れてみるという意味でもいいかも。
同じ人外ヒロイン作品でも、ななリンシリーズと違ってこっちは終始ほのぼのだから刺激は少ないけど、その分不安要素もないのが対照的。