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MedotsuさんのRance -光を求めて-の長文感想

ユーザー
Medotsu
ゲーム
Rance -光を求めて-
ブランド
ALICESOFT
得点
50
参照数
49

一言コメント

29年の歴史を作ったシリーズ、その1作目。ADV+RPGの変則システムで現代のユーザーがプレイに耐えうるものではなく、レトロゲームユーザーとしてもマップの移動方法がめんどくさいのでお世辞にもいいシステムとは言えない。とはいえ、この作品はランスシリーズの初代と言うだけで価値があり、ゲームバランス的にも89年当時の作品としては悪くないレベル。無料で出来るから新規ユーザーも手に取りやすい利点もある。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

このシリーズに関しては今更自分がどうこう言うものでもないので、シンプルに感想だけ。
RPGとしてはこの時代なら普通に遊べる。
昔のRPGには凝ったものがないので、金を稼ぐ→武器を買う→強くなればレベリングが容易、このサイクルを苦痛なく組めるだけで合格だと個人的には思う。
この作品は序盤で金を貰えるので、それで最強装備をお手軽に揃えることが出来る。そうするとハニーのハニーフラッシュ以外は完封できるので、レベリングと金稼ぎは容易。ちなみにハニーフラッシュもハニーの像があれば完封できる。
つまり、RPGとして理不尽な点がほとんどない。
命中率が極端に低い、体力回復に金を大量に持っていかれる、そもそも敵が強すぎる、という自体に直面しないのでかなり快適。

一方で、RPG要素にADV要素を足しているが、この点はストレスだった。
普通のRPGなら見下ろしマップ型で街を徘徊するか、コマンドでどこに行くかを選択するものだが、この作品はマップは見下ろし型なのに、キャラを直接操作せずに、コマンドを選択するという無駄に複雑な作りになっている。
つまり、同じ街なのにコマンド1つで自分の行きたいところに行くことが出来ない。
迂回しなければならないシステムの作品は他にもあるが、この作品の場合、そもそもがPC98の初期作と言うこともあり、街の解像度がごちゃごちゃしていて今自分がどこに居るのかが分かりづらい。
この点は当時基準でもしんどかった。

とはいえこの作品にそういった面白さは求めておらず、あくまでランスシリーズとしてプレイしているので他の単発作品で不親切なシステムに遭遇したときよりは不満は少なかった。

ストーリーに関しては可もなく不可もなく。
この時代としては頑張ってる方かなと。

この界隈に居るならとりあえずやっておきたい作品。