2018年kotye大賞。スワン系列のブランドということで今回も安定したクソゲー供給となった。過去作に比べるとややインパクトには欠けるモノのクソゲーとして及第点と言える。
ママとの甘い生活Ⅱに続く催眠モノだが、あちらが最初からお互いノリノリに対してこちらは「一応」陵辱催眠モノということで非常に苦手なジャンルなのだが、クソッぷりが先行して悲壮感はまるで無い。陵辱催眠が苦手でも安心して突撃できる。
あらすじ
主人公は女学園の教師。昔女子にいじめられたことがトラウマで女性に対して苦手意識がある。
それを克服するために学園征服を願うがそんなことは現実的に考えて到底不可能だ。
しかし、学園に潜む神様から催眠の能力を貰ったことにより、本格的に学園征服を推し進めることを決意する。
しかしながら、特別な力を貰ったのは自分だけで無く、主人公に対する対抗策として6人の女性もそれぞれ能力を神様から与えられているため、事は慎重に運ばなければならない。主人公と生徒の戦いが幕を開ける。
糸嶺 雪乃・・・才色兼備、大和撫子なお嬢様。
能力名「反面鏡射」・・・対象を自身から別のモノに移し替える。催眠も跳ね返せるがどこに飛ぶかはランダム。
城ヶ崎 梢・・・元は庶民、父親が一山当てたことで成り上がりで金持ちになったお嬢様。ツンデレ気味。
能力名「正直者の口」・・・キスをした相手の嘘を見抜く。相手は嘘がつけなくなる。催眠による虚偽の情報も無効。
芦屋 美桜・・・スポーツ大好き少女。
能力名「剛抗体」・・・身体能力を強化。肉体操作の催眠がかかりにくい。
坪平 波留・・・クール系美少女。バスト99の超爆乳でそれがコンプレックス。
能力名「BIG or SMALL」・・・触れたモノの大きさを自在に操る。元の大きさに戻すのは波留にしかできない。
宮波 かのん・・・ギャル系の見た目。ビッチなのに処女。
能力名「不快の快楽」・・・交わる相手も含め、性行為の全ての快楽が不快になる。そのためビッチなのにHが嫌いになってしまう。
笹倉 梨子・・・真面目系風紀委員。
能力名「風旗」・・・催眠から他人を守るが自身はその対象外なのが弱点。
宇尾菱 流馬・・・主人公。過去にいじめられたトラウマから女子に対して苦手意識を持つ。学生達の間で流行っている屋上の神様の噂を聞きつけ、学園征服を願ったところ4つの催眠能力を得る。
身体操作・・・文字取り相手の身体の行動を自在に操る。ただし、相手の3サイズを知る必要がある。
記憶操作・・・文字通り相手の記憶を改変する。ただし、相手の趣味を知る必要がある。
常識改変・・・エロゲー催眠モノの定番で文字通り常識を改変する。ただし、相手の月経周期を知る必要がある。
広範囲催眠・・・対象を取らず複数に催眠をかけることが出来、発動に制約も無いがやれることは限られている。
神様・・・学園の屋上に住む。主人公に催眠能力を授けるが、試練と称し対抗馬として6人の生徒にも能力を与える。
普通の評価点
SEX戦争同様に登場人物が異能力を持っている設定の本作。主人公の能力はそれぞれ制約があり、まずは情報を集めるところから始めることになる。進行はマップでキャラを選択するタイプ。しかし、梢とかのん以外のヒロインは同じキャラを選択し続けても途中で進行不能イベントで詰まるので他のキャラも選択する必要がある。
例えば、美桜を攻略するためには「梢の処女を奪う→梨子の処女を奪う」といった手順が必要になる。加えて、行動回数も決まっており1回でも無駄な行動を選ぶとバッドエンドとなる仕様。この仕様がクソゲーポイントとして挙げられているようだが、自分はこの部分に関しては悪くないと思った。寧ろ、公式で「主人公は催眠を使えるがそれには制限があり、一筋縄ではいかない。マップで情報を集めるゲーム性のある作品」みたいなことが書いているがどうせSEX戦争で誰を選んでもSEXバトルの結果に影響を及ぼさなかったみたいに死に設定だろうと思っていたので、攻略順を考える必要があるという要素がちゃんと入っているだけでもこのブランドにしては頑張った方だと思う。
また、SEX戦争やリア充爆発しろ!では適当にクリックしたらあっという間に終わったエロシーンも今回はそれなりに尺が採られている。本来の購入層からしたらこれは嬉しいのでは無いだろうか。クソゲー的にはマイナスだが。
そして、エロ方面が前回より充実していながら個別エンディングでは恒例のエロラッシュでは無く、孕んで子供を産んでそれからどうなったのかが少し説明されて終了。尺は短いし、CGも無いがこのブランドにしてはまともな終わり方だった。
クソゲーポイント
今回はSEX戦争やリア充爆発しろ!のような瞬間的な爆発力には欠けるところがあるが、十分にクソゲー要素を内含している。
・主人公の思考が突拍子も無い
この主人公、過去に女子にいじめられたことがトラウマである。しかし、その内容がオタク本を友人と貸し借りしているところを見られ、イケメン友人が何も言われなかったのに対し自分だけがオタク扱いされたというレベルだ。主人公自身も教師に相談するレベルでも無い軽いいじめだったと言っている。それなのに、「俺の女子に対するトラウマを払拭するためには女子生徒を孕ませ学園征服をする必要がある」と考える。やられたことに対して、復讐のスケールがでかすぎるだろう。それでもまだ、学園の生徒からも馬鹿にされて蔑まれているといった理由等があるならまだ分かるが、全員普通の生徒だ。全然関係ない生徒を巻き込んで学園の全てを掌握しようと考えること自体がぶっ飛んでいる。
それなのに、催眠を使ってヒロインを堕としていたらいつの間にか愛が芽生えたとか言う始末。
善人なのかクズなのかどっちつかずの半端物だ。
また、せっかく催眠で梢を操ったのに何故か一度催眠を解除し、梢に「実は俺は催眠能力がある。この力で学園征服を目指す」とばらす。当然梢は「次からは私の能力で警戒するから無駄よ」と言う。
それに対し、「しまった。そこまで考えていなかった」と考える主人公。こいつは本物の馬鹿か?
ばらしたことに何か理由があると思いきや、本当に何も考えていないのかよ。なら何でばらした。
まあ、その次の選択で梢を選んでも結局さして抵抗されることも無く催眠をかけてHに雪崩れ込むから、折角バカ主人公が見せた綻びを梢は生かせないわけだが。やりとりが無意味。
・ヒロインもおかしい
ヒロインは催眠で徐々に堕とされるわけだが、最初から好感度がさして高くない状態で無理矢理やられているにもかかわらず、最終的に「先生が私の思いを引き出してくれた」などといきなり好感度が跳ね上がる。
これといった強い理由も無くレイプした相手をいきなり好きになるのは突拍子がなさ過ぎる。
また、主人公が催眠の条件を満たすために3サイズを知ろうとする場面があるのだが、なんとこの主人公、いきなり他のヒロインに「あいつの3サイズを教えてくれ」と聞き始める。この主人公も相当バカだがヒロインも相当で「先生もおっぱいが好きなんすね。99 60 88らしいっすよ」と男性教師に女生徒の個人情報を堂々とばらしてしまう。更に言うと、この3サイズを教えたヒロインは美桜なのだが、直前のマップ選択で催眠にかけるのを失敗しており「次にやったらタダじゃ済ませない」と言っている。そんな相手に友人の3サイズを教えるというのは一体何を考えているか。このように今回もスワン系列お得意のフラグ管理の杜撰さを見ることが出来る。
それとそもそもの話、ヒロインの能力発現は夢で神様から伝えられて発覚するのだが、それを平然と受け入れているのはどういうことなのか。100歩譲ってそこは良いとしても主人公が催眠能力を持っていることを知っていながらそれを他の教師に相談しないのは何故なのか。ツッコミどころが満載だ。
・ビッチでセフレがいるのに処女
SEX戦争ではセックスバトル上位ランカーが全員処女、リア充爆発しろ!ではセフレ持ちなのに処女、という訳の分からない状況が発生していたが今回も当然のようにその枠がいる。
キャラ紹介で書いたとおり宮波 かのんがその枠で、「最近あたしとしても気持ちよくないって相手に言われるんだよね」と発言する場面があるにも関わらず主人公とやったときは「あたし初めてだから・・・」と発言する。完全に矛盾している。この矛盾した処女設定に一体何の意味があるのか今回も分からなかった。
・設定の破綻
かのんの能力は快感を不快に変える力だ。主人公がかのんに初めてフェラされたときは実際不快になっている。
しかし、2回目で処女喪失SEXするときは不快描写が微塵も無いし、それ以降のHでも不快描写は全くない。
かのん側に至っては「ビッチなのにHが嫌い」という場面は全くなく普通に愉しんでいる。
「孕ませるには厄介な能力か?」とプロローグで主人公が考える場面があるが、全然そんなことはない。これでは何のための設定なのか分からない。
・OPがチープ
スワン系列では珍しい事にOPがあるのだがこれがかなりショボイ。
いわゆる電波ソングなのだが、歌詞がこの作品のあらすじを淡々と語っているだけ。
「神様に願ったら催眠能力が手に入った。それを悪用されて孕んじゃった。大変だー」みたいな感じ。
そして前半部分は状況説明なのに後半は「陣痛、つわりで大変だ」といっているがゲーム内にそのような描写は一切無い。あらすじ説明の歌詞なら、陣痛、つわり描写もゲームに入れれば良いのに。
同じ電波ソングでも「巫女みこナース」、「ふぃぎゅ@」、「魔界天使ジブリール」、「姉、ちゃんとしようよ」、「いただきじゃんがりあん」の足下にも及ばない。この歌を聴けば電波ソングにもセンスが求められることを再認識するだろう。
・既読スキップの判定がおかしい
既読スキップをしていると時々止まる、再開しようとしても中々進まない、などシステム面の不具合があり。
・致命的な誤字
マップ選択で「梨子」が「莉子」になっている。毎回出てくる画面のヒロインの名前を間違うのは流石に致命的だろう。
総評
爆発力でSEX戦争やリア充に劣るとはいえ、要所要所でクソゲー要素を見せてくる。
王者スワンの力を今回も発揮してくれた。