2012年のkotye大賞。笑えるクソゲーとは何か?ということを我々に教えてくれる。これぞ王者スワンという一作。
毎年kotyeの選評に絡む常連メーカーのスワン。
その凄さは「リア充爆発しろ!」で十分に見せてもらったが、こちらもそれに負けず劣らず凄い出来だった。
あらすじ
とある学園に転校してきた主人公。
実はこの学園は共学でありながら男と女で数十年に渡って争いを続けており関係性は最悪。
しかも戦いの方法がSEXで雌雄を決するというとんでもないものだった。
更に再開した幼なじみが女子の中でもトップランカーにまで登りつめていて・・・。
果たして主人公はこの学園で無事に生活できるのか?
キャラ
叶奏 馨里・・・主人公の幼なじみ。男女が敵対している学園で再開したため微妙な関係に。愛液で人を魅了する異能持ち。
霧塚 麻弥・・・金髪。処女膜を何度も再生する異能持ち。
小倉 杏瑚・・・馬鹿キャラ。人を壁に叩きつけるほどの愛液を放つ異能持ち。
芹堂 恋十乃・・・フタナリの異能持ち。
谷坂 雪希・・・双子の片割れ。膣の感触は凄いらしいが他のキャラの異能に比べると普通。
谷坂 夏希・・・双子の片割れ。アナルの感触は凄いらしいが他のキャラの異能に比べると普通。
松永 貴子・・・和風美女。性交した相手に幻覚を見せる異能持ち。
岡本 静瑠・・・ほんわか系女子。母乳を浴びた者の性的感度を増長させる異能持ち。
伊藤 志摩子・・・女子側のNO1。愛液の量を自身で調節できる異能持ち。
北条 一輝・・・主人公。人を愛することで肉棒の力がどんどん増していく強化系の異能。
高原 政樹・・・早撃ちのマサと呼ばれる男子側の幹部。高速射精が可能。
風間 真之輔・・・主人公の同級生。短小だが実は本気を出すとビッグマグナム。
綾瀬 響・・・ショタ枠。女性が苦手。
シナリオその他
主人公は男子側の幹部となって女子側と戦うというのが大まかなストーリーなのだが序盤から突っ込みどころが満載。
なんせ、登校初日にSEXバトルをしている男女を見かけるのだが、主人公は「これは先輩達の身体を張ったドッキリだ」で済ませようとするし、女達に襲われる場面では「ここでこんな死に方をするのもありかもな・・・」みたいな感じで清々しい最期を迎えようとする。
もうこの展開からして訳が分からない。なんでこんな意味不明な流れで死ぬ覚悟を決めてるんだこの主人公は。
ちなみにこの主人公、転入生だが色々あって学園に通うのが遅れたため、実は大物なんじゃ無いか?と登校初日から学園生に目をつけられたのが女達に襲われた理由なのだが、この「色々あって」というのが結局なんなのかは最後まで語られることは無い。
まあそれはさておき、このピンチで早撃ちのマサに助けられたのがきっかけで男子側の勢力として戦うことになる主人公。いよいよ第一回目のSEXバトルを迎えるが、ここで早くもクソゲーの片鱗を見せつける。
SEXバトルでは先鋒、中堅、大将を選出して3対3で戦うので男子側の勢力から主人公以外の2人を選ぶのだがここで選ぶキャラを誰にしても結末は変わらないから選択肢の意味が無い。
しかも、どこに配置するかで主人公の戦う相手が決まるので3パターンの相手がいるわけだが、ここで主人公が勝てるのは1人のみ。他の2人と戦ったときはなすすべ無く負ける。それなのにどの相手と戦っても主人公が女子側のナンバーズを倒したテイで話が進んでしまう。
馨里に負けたのにナンバーズを倒したとか言われたのは訳が分からなかった。こんな序盤のフラグ管理すら出来ていないのは流石大賞作品だ。
まあそれでもバカゲーだから意味不明な展開が逆に面白いこともあるし、ここから巻き返せる可能性はまだある。
しかし、その為に必要なイベントをこのゲームはとことんカットする。「そして~となったのだった」この一言でダイジェストとして済ますシーンがかなり多いのでストーリーの大半が脈絡の無いSEXシーンで埋められている。
男子の精液を見境無く搾り取る通り魔が現れる「ジョニー狩り」事件が一番大きなイベントだが30分もあれば終わるんじゃ無いかと言うくらいの薄っぺらさ。
そして何より凄いのはエロシーンだ。某所でも散々言われているが、数十年に渡ってSEX戦争をしている学園なのにトップランカーがなんと全員処女。
ジョニー狩りの犯人である貴子は自身の「性交した相手に幻覚を見せる異能」で男子生徒達を操っているはずなのに、主人公とSEXしたときは何故か処女。しかもその数行後に「使い古しのマンコなのに気持ちいい」などと1分もしないうちに矛盾した発言が飛び出す。
双子姉妹は「SEX大好き!」と言っていながら実際SEXすると「私初めてなの!」と言い出す。
他のヒロインも全員こんな感じで処女。
処専はそもそもこんなゲームやらないし、本来の購入層からしたら処女で有ることなど求めていないだろう。
「リア充爆発しろ!」でもあったがこの矛盾した処女設定は一体何に対する配慮なのだろうか。
キャラの個別ルートも酷い。
どのキャラもルートがかなり短く、特に麻弥や志摩子なんかはあっという間に個別が終わる。
その間せいぜい20~30分くらい。
「リア充爆発しろ!」は個別が怒濤のエロラッシュだったがこちらはそのエロラッシュすら無い。
せいぜい2~3回くらいエロシーン垂れ流していつの間にか終了。
とても2012年発売のフルプライスとは思えない分量。
演出
アニメ方式で次回予告を行うスタイルなのだが、普通こういう時は次話のCGを映しながら紹介すると思う。
しかし、このゲームは真っ暗な背景でキャラが喋るだけだ。
完全に魔法少女アイ参状態。
手を抜くところは抜くスタイル。
総評
・何故男女で数十年も争っているのか?そんな状態でどうして学園は存続できるのか?それぞれのキャラの生い立ちは?など掘り下げるべきところは全スルーで世界観が不明
・女子の縄張りには迂闊に入るなと言われているのにホイホイ侵入して捕まり「俺は迂闊だった・・・」とのたまう阿呆な主人公。
・SEX戦争が行われている学園なのにトップランカーが全員処女。処女膜が再生する麻弥や責め専のフタナリが処女なのはまだ分かるが、それ以外も全員処女なのは完全に設定が矛盾している
・それぞれのキャラに固有の異能設定があるが、それが殆ど生かされていないキャラがいる。
例えば志摩子はいつ異能使った?ってくらい異能の説明が無いし、主人公に至っては人を愛することで肉棒が強化される設定だがこれはホームページのキャラ紹介に載っている情報であり、本編で言及されることは一切無い。
・「リア充爆発しろ!」よりも更に薄っぺらい個別エンド。志摩子と麻弥は前述したとおり、他のキャラは大体2人セット、一番まともなのは馨里だがそれですら「リア充爆発しろ!」のヒロイン一人あたりのボリューム程度しか無い。
・とにかくイベントを端折りまくるので中身が無い上に、時間経過の描写すら省略する。1クリックで次の日に場面が飛んでいることなどこのゲームではざらにある。
これをフルプライスで平然と売っているのだからそりゃ大賞受賞も必然だろう。
時間を取らせないのでクソエロゲーをやってみたいという人には是非お勧め。