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MedotsuさんのBUNNYBLACK2の長文感想

ユーザー
Medotsu
ゲーム
BUNNYBLACK2
ブランド
ソフトハウスキャラ
得点
92
参照数
139

一言コメント

ゲーム性が大幅に改善し遊びやすくなった。それでも周回する程のやりこみ要素は薄くルート分岐もないので前作同様一周完結の3DダンジョンRPGと言ったところでゲーム性はまずまず。このゲーム最大の見所は独占欲丸出しの魔王様が敵味方問わず多くの女の子をモノにしようと奮闘するところであり、前作に引き続きハーレム物として秀逸。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

前作は主人公のダークスが冒険者として魔王に挑むも敗北し、その魔王の力で生かされながら魔王の部下となって迷宮を防衛し、最終的には自分が魔王となる話だったが今回はそれから数年後が舞台。
平和に暮らしているダークス達の元に天界勢力が攻めこんできたため元凶と思われる天界の三領主を屈服させるために逆に敵地に乗り込んでダンジョンー踏破するという流れ。

シナリオについて
前回は迷宮の防衛が任務でその大半は侵入してくる冒険者の撃退であり明確な敵対勢力や目標が無かったため根幹と言えるシナリオ部分は終盤のクーデター~反撃者討伐くらいであった。
今回は天界勢力との抗争がメインであり、明確な目標が定まっているため前作よりもストーリーは展開している。
だが、話の流れが出来上がっているだけで盛り上がりとかはあまりない。
例えば天界勢力のボスクラスが途中で出てくるが女性は漏れなくダークスに屈服、男性に関してはダークスを相手に圧倒的な力を見せつけてこいつが今回のラスボスかと?思わせるようなやつはその直後あっけなく殺されるため前作の反撃者以上に見せ場が薄い。
肝心のラスボスは立ち位置が特殊であるため「敵」としての側面は弱い。
更に言うとそもそもなぜ天界がダークス達を襲撃したのかという理由についても最後に明かされるが、これもまたある意味微笑ましいモノであり本当に憎むべき敵というものがほぼいない。
一応最初の襲撃でダークス側は多数の死者が出ているから被害は甚大なんだけどそれらはぽっと出の立ち絵無し、会話無しの完全モブ達のみであることも敵との確執の薄さに拍車をかけている。
結論から言うと今回のテーマはいわゆる戦争に近いものがあるが戦時下の緊張感は全く無く前作同様のほのぼの世界観だということだ。
終盤の展開も性急であるのでこれに関しては好き嫌い別れると思うが前作を楽しんでやった人なら問題ないだろう。
自分もここはこういう展開だと良いかなと思う部分はちょくちょくあるものの、少なくともシナリオに大きな不満はなかった。
そもそもこのシリーズに求めているのって濃厚なシナリオ展開じゃないしね。

ゲーム性について
基本的なシステムは前作からそんなに変わってないけど細かな環境回りが大きく変化。
・前作は味方への命令は一括しか出来なかったが今回は個別にできる(◎だと細かく指示できて△だと大雑把にしか指示できないなどキャラによって違うが)。また、戦闘以外でも味方の回復などのスキル使用可能。
・装備はパーティー共有。これによって前作と違いダークスだけでなく味方も恩恵を受けることができる。
・スキルはそれぞれに回数制限があったが今回は気力で管理するため好きな技を好きなだけ打てる。また、前回は煩雑だったスキルポイントを連打で一気に振ることが出来るし味方にもスキルポイントの概念が追加され育成要素が増えた。
・ドロップアイテムを酒場で交換できたり売却できるようになり、前作のようなゴミ宝箱の概念がなくなった。
・前作はエカテーとメリルを除き雇用するしかなかった味方だが今回はストーリー進行で味方にできるキャラがいる。ストーリーキャラは死亡しても再雇用の必要がなく安心して戦闘が出来る。
・スペシャルギュンギュスカーにより帰還や全回復をダンジョンで最低1度は使えるためボス戦で十分に準備が出来るし、帰りたいときは自由に帰還できる。前作のように帰還を覚える必要がない。
・前作はクエストを受注して特定の階層で任務をこなすので一部を除き階段を使うことすら出来ないうえに任意のタイミングで好きなダンジョンに入ることも出来なかったが今回は好きなダンジョンに飛ぶことが出来る。
・基本的に前作はランク上げで格を増やすので途中からきつくなるが今回は金で格を上げることが出来る。牢屋での陵辱を繰り返しても増える。
・マップ埋め、ユニット埋め、アイテム埋めなどの収集要素も追加。
以上、前作から大幅に改良されており劣っている部分はほとんど無い。
唯一厳しくなったのは前作は最大で9対9のユニットバトルに対して今回は味方の最大ユニットが6で敵の最大ユニットが15と大きく差がついたことだろうか。これにより全体魔法の需要は以前より増し、気力制度導入により乱発する機会も増えた。
ストーリー加入ユニットと一緒に旅がしたかったから人数を減らされたのは痛手だがそれにより難易度が大幅に増したわけではないのでまあこれくらいなら許容範囲かなと。
そもそも他の追加要素により今回も難易度がかなりぬるい。
ユニットが揃うまでの序盤は中々苦戦するものの中盤以降はかなり楽。ラスボスはそれなりに強いがリザーブの力も合わせれば大したことはない。
一応2周目では難易度が二段階分追加されるが特別2周目の解放要素もないのでやりこみゲーマー向けかなと。
結論としては前作より快適になったが中毒性は薄いのでゲーム性はそこそこかと。

キャラクターについて
やはりというか今回もここが一番のメイン。
今回もダークスが主人公だが前作は魔王の部下、今回は魔王に昇進と立場が異なる。
今回は理不尽な襲撃で味方を殺されているので前作よりは若干陵辱を強めてはいるが寝返った天界人に対しては魔界勢力の女性と同じような扱いで接するので結果的にいたぶる展開はほとんど無い。
そして前作以上に独占欲丸出しになっており、抱いた女性は全部俺のもの、男の目に触れるような青姦は行わない、に始まり極めつけはラキアが企画した水着接客酒場に対しても露出が多いからダメ、禁止!で中止にしようとする。
作中で捕虜となった名前無しの目隠れ天界兵だけで1000人以上抱き、そのほとんどを孕ませ、さらに魔界勢力の女性もほとんど手を出しているということで数えきれないほどの女性を抱いているが全員の全ては自分の物という徹底ぶり。
支配系統のハーレムモノ主人公でありながら純愛ゲーの主人公並みの独占欲で大変よろしいと思う。
また、今回はフォーゼロットの夫となりコゼロットという娘もいる。父親でもあるわけだが夢オチとは言えコゼロットと致してしまう回想も用意されておりコゼロット自身もかなりのファザコン娘なために3でどのような関係が築かれるかも注目だろう。
結論として性格は前作の延長、明確な敵対勢力が出来てもほのぼのレイプスタイルは変わらない(強いて言えば婚約者のいる天界兵を陵辱するシーンが少しだけあるけどそもそも攻めこんできたのはあっちだし情報を吐けと言われても吐かないんだからやられても致し方ないかなと)ので敵の女性と味方の女性に対する態度のギャップ的な部分を期待してる人は楽しめないだろうけど前作のスタイルが好きな人なら問題ない設定かと。

女性陣
前作からの登場人物と今回からの登場人物に別れる
前作からは人間と魔族
今回からは天界勢力

魔界勢力
・妻になったフォーゼロッテ
・側近になったメリル
・迷宮長のエカテー
・酒場のラキア
等がメイン。コゼロットは夢オチなので除く。前作で絡みがあった他の女性は残念ながら出演無し(リズ、マキ、エリザベス等)一応リズ、マキは2周目からユニットに加わるしエリザベスもプロローグのCGにはいるけど名前は出てこない。
ここは個人的に残念だった。
メインの女性に関してはフォーゼロッテとは夫婦の関係故に前作よりもデレ増しで良き。
メリル、エカテーは役職が役職なので物語に良く絡んでくる。メリルはダークスが魔王になったことで従順な部下になりそのギャップ、エカテーはあまり関係は変わらないけどそれ故に前作同様の可愛さ、
ラキアは今回も怒らせてはいけない人ポジションだけどダークスの前でだけ女の顔を見せるのが可愛い。
ダークスのラキアに対する独占欲も良し。体に名前書いて所有物扱いされるのを提案されて嬉々として喜ぶところも普段とのギャップが感じられて良かった。
魔界より天界勢がメインなのでその分前作の主要人物が目立つ形であった。

人間勢力
・今は人間界で暮らすシア
・冒険者のドロシー
がメイン。
残念ながら今回は人間勢力の勢いは非常に弱い。
モブの冒険者が出ないのはシナリオ上仕方ないが何故かキャスとアヤカまでリストラされてしまいジョン、タツマキ、ロジャーマルコが現役な分男性陣の方が勢いがあるくらい。
しかしながらシアはメインヒロイン級の登場頻度でありドロシーも何だかんだデレる見せ場はあったから良かった。
シアは第二子妊娠報告後も迷宮と人間界の折衝役を担うなど大分オーバーワークだと思う。
フォーゼロッテはライバルだけど娘のコゼロットとは仲がいいのも微笑ましい。
残念ながら息子は出てこない。
総括すると人間勢力は今回はほぼシアの独擅場。

天界勢力
今回のメイン勢力。主に
・最初の侵入者であるフィリアネ、マリーアリス
・三領主と呼ばれる幹部
・その他ダンジョンに出現する天界人
・捕虜の天界兵
に大別される。
今回のメインヒロイン達で回想の多くを占めているがキャラ毎にバラつきがある。
その中で圧倒多数を占めるのがフィリアネとマリーアリスであり、この二人は全ヒロインで見ても一番際立っている。
最初に侵入したメンバーで早くから捕虜になり、しかもそれなりに抵抗するため陵辱期間もそれなりに長い。
陵辱要素はかなり緩いゲームだけどマリーアリスはバニブラシリーズでは珍しく陵辱が段階を踏んでおりフィリアネは堕ちた振りをして敢えて従うなど即堕ち2コマではない見せ場がある。
しかしながら一度堕ちた後は完全に従順になり、かなり甘えてくるのでギャップの差が生きてかなり可愛いと感じる。
回想もかなり多いし迷宮→ダンジョンの出入りを繰り返していると毎回のように汎用会話イベントが発生するくらい一緒にいる場面が多い。
加えてどちらもストーリーの序盤から加入するユニットであり、高い体力にダメージ半減スキルを持ち魔法メインでありながら前衛でも戦えるマリーアリス、必要格が2でありながら魔法も斬撃もこなせるフィリアネはどちらもダンジョン攻略においてかなり使える存在であり最後までエースとして活躍が期待できる。
以上の理由から今回はフィリアネとマリーアリスをどれくらい好きになれるかで評価が変わるかもしれない。
個人的にはどちらもストライクだったのでこれだけでも高評価をつけることが出来た。
一方で他の天界勢は二人に比べるとやや影に隠れがち。
その他大勢に関してはそれなりの立ち位置で有りながらそれぞれが頑張っており倒した後は雇用することも出来るので十分役割は果たしていると思うのだが(クロウ、シャープフラット、ダー、エコ、ドゥーアなど)、三領主の立場がやや弱めか。
パニバーナ、イザナはそれなりに回想が有るんだけど一番の黒幕っぽく見えたウルティニアがまさかの即堕ち2コマ。
一回目の回想終わって1クリックで即堕ちシーンへ移行したので流石にこれはどうにかならんかったかなと思った。
実は一番手強そうなやつが一番チョロかったっていう展開はいいんだけど本当にここの場面だけあまりにも唐突なんだよね。
ちなみに捕虜の天界兵に関しては、全員が目隠れの名無しでダンジョン天界人以上のその他大勢なんだけど冒頭で述べたとおり最終的に1000人近い捕虜がダークスに孕まされるというとんでもないことになっておりある意味ではメイン格と言えるかもしれない。
総括するとマリーアリス、フィリアネがあらゆる面で圧倒的に強い。間違いなく今回のメインヒロインだろう。

総評
ゲーム性を伸ばしてきながらもキャラゲーとしての地位をきちんと確立しておりナンバリングである良さも生かされている良作。
ゲーム性よりは世界観やキャラの設定が気に入った人にオススメ。
前作が面白かった人はそのまま楽しめると思う。