2010年kotye大賞。内容が下ネタのごり押しで萌えゲーとしての価値は殆ど無いが、クソゲーとしては主人公と特定のヒロインが盛り上げてくれるおかげでそこそこ面白い。ボリュームもそんなないからすぐ終わるし。
ういんどみると聞いて多くの人が思い浮かべるのが「はぴねす」だと思う。
萌えゲーの中ではそれなりに有名なメーカーがまさかの大賞受賞というのは当時大きな話題となった。
そもそも歴代の大賞を見ても萌えゲーが受賞しているケースが少なくそういう意味でも珍しい作品。
あらすじ
女子校→共学になった学校に編入した主人公。
地元名士の娘である2人のお嬢様の決闘に割って入ろうとしたら事故でキスをしてしまった。
その後、キスをしてしまった女の子の片割れが主人公の家に引っ越してきて何故か同棲することに。
キャラ
悠人・・・主人公。神社の息子
梨桜・・・跡継ぎ争いのため、冒頭で決闘をした片割れの1人。メインヒロイン
桔梗・・・跡継ぎ争いのため、冒頭で決闘をした片割れの1人。メインヒロイン
小町・・・幼なじみ。パン屋の娘。メインヒロイン
美苑・・・梨桜や桔梗の家に仕えるメイド。
柚菜・・・後輩かつ幼なじみ。ペンギン好き
朋音・・・後輩かつ幼なじみ。柚菜の世話役
綾媛・・・先輩。ボクっ娘
九郎・・・先輩。ギャグが寒い
ペン次郎・・・学食の水族館で飼われてるペンギン
萌えゲーとしての評価
シナリオ
あらすじを見ても分かるとおり、この作品は何をどうしたい、これをああしたい、といった目的が定められていない。萌えゲーでこのような作品は珍しくないものの、その場合途中で何か転換点となる場面が通常訪れるが、このゲームはそういうモノが全くない。最初から最後まで無味乾燥なシナリオである。それも、_SUMMERのように何気ない日常をひたすら垂れ流しつつ個別のイベントが合間に入る構成でも無く、日常の大半がエロネタで占められており、あえてジャンルを細分化するなら「エロ萌えゲー」になるだろう。ただ、エロシーンが多い訳では無く下ネタが多いだけなので抜きゲーに分類されることはまずない。萌えゲー特有のデートシーンやイチャラブ要素は全く無いとは言わないが薄っぺらいし、学園モノにも関わらず文化祭のシーンはあっという間に終了、それ以外の学園要素は皆無。こうなってくると一体どの層に訴えたいのかが分からない。
ただでさえイベントが少なく起伏がほぼ無いのに、日常シーンがおっさんレベルの下ネタでは萌えゲーとしては面白さを見いだすのは難しいだろう。
キャラ
メインヒロインが3人、サブヒロインが3人いるがどのキャラも基本ほぼ下ネタ一辺倒。
大手の萌えゲーメーカーが作った作品の登場人物とは思えないほど中身がスカスカ。
なんせお嬢様達が主人公に惚れた要因は冒頭で事故とはいえキスしてしまったからだし、美苑に至っては惚れた理由すら謎。
幼なじみ組はその特性で冒頭から好感度が高くても許されるから期待したが、後輩組はシナリオ自体が殆ど無いので論外。一番期待できそうな小町は、幼い頃から巨乳で周りが変な目で見る中で主人公だけは普通に接してくれたから好きになったと言う事できっかけ自体は無難だが、小町ルートになると主人公が小町の巨乳に目覚めて常に小町の胸を揉むことばかり考えるようになるという超展開に突入する。結局お前も有象無象の男と一緒や無いか。
こんな有様なのでキャラに期待するのも厳しい。
主人公
序盤は良いのだが、中盤以降は「どうしたお前?」と聞きたくなるくらい下ネタに走りまくる。
萌えゲーの主人公としては落第。
まとめ
萌えゲーとしては残念ながら厳しい出来。絵、声優、キャラの設定は良いのだが肝心の中身がスカスカな上に、梨桜に至ってはいかれた言動(後述)によりメインヒロインの立場を自ら放り投げてしまっているのでどうしようもない。
クソゲーとしての評価
シナリオ
萌えゲーとしては難点だったシナリオの薄さは逆に高評価。一日有ればフルコン余裕な分量。
シナリオの中身もカオスな下ネタ空間が展開されるので見てて笑えてくる。萌えゲーとしてはダメだが、視点を変えればそれなりに面白い。
キャラ
薄っぺらい上に下ネタ連発のキャラが多く、クソゲーとしては高評価ポイント。中でも梨桜はこのゲームのエースであり、お嬢様設定があるにも関わらず一般庶民ですらそんな言動しないだろというイカレっぷりを見せてくれる。
梨桜の言動例
「勃起ん勃起んスティック~!」
腰を振りながら「左右、前後ぉぉぉぉぉぉぉぉん!、左右、前後ぉぉぉぉぉぉぉぉん!、左右、前後ぉぉぉぉぉぉぉぉん!」
「梨桜いっちゃう、梨桜いっちゃう、梨桜いっちゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉん!」
犬のものまねをしながら「くぅーん!くぅーん!くぅーん!」
ういんどみるからこんな凄いクリーチャーが出るとは誰も思わなかっただろう。
因みにこういう発言だけじゃ無く、全体的に考え方自体がおかしい。
主人公
序盤はまだまともだったのに中盤以降変態が加速する。
梨桜が風呂に入ってくる度に勃起、キスを超える行為を拒む桔梗に対しひたすら本番を懇願、隙あらば小町の巨乳を揉もうと企む、など。まるで抜きゲーの主人公みたいだ。驚異の変態。
まとめ
大エース梨桜様のおかげでクソゲーとしては秀逸。
総評
萌えゲーとしては残念な要素が目立つので30点、しかしクソゲーとして見れば笑える要素を備えている上に、ボリュームもそんなに長くないので60点。より優れている観点で評価してクソゲーの60点を点数としたい。
ういんどみるからこんな作品が出るとは思わなかった。何が起きるか全く予測不可能なのがこの「修羅の国」エロゲー業界で有ることを改めて感じる一作。