ループものを求めている人より、恋人との絆・家族愛といったものに感動を求めている人に手に取ってもらいたい作品。
一日を二回繰り返すという設定に惹かれてプレイ。
設定の割に、話はそんなに奇をてらったものではなく、
オチに驚かされるということもあまり無いだろう。
しかし、オチは読めてしまうことが多いにも関わらず、
どんどん続きが読みたくなる切ない良い話だなと思わされる。
設定をSFっぽい話を書くためではなく、
しんみりと感動させる方向に上手く使われていると思った。
また、このゲームで一番良いと思った点は、
(共通ルート)→(ヒロインA・B・Cに分岐)
といった構成では無く、
(ヒロインA)→(ヒロインB)→(ヒロインC)
といった構成を取っていることにある。
この構成のため、各ヒロインのルートが終わっても蓄積されていくものがあり、
ルートに入っているヒロイン以外を話に上手く絡ませ、
その効果で話が後半に行けば行くほど面白くなっている。
欠点として一番目立ったのは、立ち絵の圧倒的な少なさ。
シナリオ上重要なキャラにも立ち絵が無い場合が多く、
4キャラ分しか立ち絵が用意されていないのは流石に少ないと感じる。
BADエンドの唐突さも気になった。
用意されているBADエンドは唐突かつ話の雰囲気を壊しかねないものがいくつかあり、
BADエンドを幾つも用意するよりは本筋の尺を増やして欲しかった。
後、ばーちゃんの設定にはかなり無理がある気がしたが、この辺りは好き好きかも…
話はかなり短めな方で、全コンプで8時間程度。
水増し会話等で無理に長くしていないため満足度は結構高い。
短く上手くまとめていると感じた。
ループものが好きで惹かれたのであれば求めているものとは少し違うかも知れない。
ループしていることによって生じる不可思議な現象や、
何故ループしているのかということを突き詰めていくタイプの話では無いと思う。
どちらかと言えば家族愛等に主題が置かれている話だと思うので、
しんみり感動したいという人にお勧めする。