君は、“船越なんとか”っていうスーパー武将を知っているか?
つまりですねえ、この“船越なんとか”っていうのは、PC98の「天下統一」で、あんまりゲームクリアまでに時間が
かかりすぎると、突然自軍に仕官してくる武将なんですよ。本当は下の名前もちゃんとあるんですが、忘れちゃったんですよね。
めったに見ることがないから。それで、この武将やたらに能力が高いんです、“軍事:16、内政:16”っていう感じ。
でも、この武将については、私もよく知らないんですよね。単に自分が無知なだけかもしれませんけど。
たぶん、この“船越なんとか”って、人材不足に陥ったプレイヤーに対する「お助け武将」みたいなものなんだと思います。
だって、その頃には主だった武将って、ほとんど死んじゃってますから。
だから、結局「架空の武将」ってことなんでしょうね。
私が何を言いたいのかというと、この“戦極姫2”の主人公の“天城颯馬”って、この“船越なんとか”の劣化版なんじゃないか
ということです。決まった人格なんかなく、仕官する勢力によって変幻自在にその姿を変える、実に“フレキシブル”な奴
なんじゃないかって。これって、何も悪いことばかりじゃなくて、どこかにきっとプレイヤーが感情移入できる“天城颯馬”がいる
って言うことです。だって、お酒に強い人は“酒豪”の颯馬に、お酒の飲めない人は“下戸”の颯馬に親近感を覚えるでしょう。
そう考えると、この主人公の、シナリオによってがらりと変わる性格も、なかなかいいもんじゃないかって思うんですよ。
まあ、主人公についてはこんなところで。
実は私は、この“戦極姫2”については普通に“良作”なんじゃないかって思いました。
私はPS2版をやっていないので、はっきりしたことは言えないのですが、なんでもこの作品は基本PS2版で、それに追加要素をプラスした
ものらしいですね。そう考えると、この作品は前作の“続編”と言うよりも“完全版”と言うべきなのだろうと思います。
私も実際にプレイしてそういう印象を受けました。
で、そう考えますと私が前作で感じた不満点が、おおよそ解消されていまして、実に楽しめたのですよ。
まあ、もともとこういうゲームが好きだったというのも当然あるだろうとは思いますが。
まず、SLG部分ですが、特に気になる不具合もなく、実に快適にプレイできました。もともと、勝手知ったる「天下統一」ですから。
実にいい具合ですよね。私にとっては、戦国時代ゲームといえば“信長の野望”よりも”天下統一”ですね。
あとは、ウルフチームの“斬”シリーズか。
次にAVG部分ですが、まず“絵”についてですが、相変わらず複数原画で、かなり統一感に欠けているのは確かですが、それでも
前作に比べれば、かなり改善されていると思います。ただ、別に不満じゃなかった島津とかまで変わってしまったのはちょっと残念でした。
それにしても、あいかわらず宇佐美定満ってうさ耳なんですよね。もしかして、制作者のこだわり?
また、シナリオについては前作の感想でも書いたのですが、勢力によってムラがありますね。でも、これは裏を返せば面白いシナリオも
間違いなくあったということです。普通のAVGでも、すべての個別ルートが良いゲームなんて、なかなかないんじゃないでしょうか。
個別ルートが6つくらいあれば、そのうちの一つや二つはあんまり良くないのがあったりしますよね。
ただ、女の子によってHに至るまでに、ずいぶんと差があるなあとは感じました。例えば、1回イベントを起こしただけでHに
なだれ込んでしまう女の子がいると思えば、4回イベントをこなさないとH出来ない女の子がいたりして。
でも、考えてみれば女の子によって“尻の軽さ”というか“貞操観念”に差があるのは当然なんで、別に不思議じゃないような気もしますね。
まあ、中にはお手軽にHできる女の子がいたり、やたらに身持ちの堅い女の子がいたりしてもいいんではないかと、思うわけですよ。
あと、追加勢力についてですが、結構良かったです。特に“大友”が良いですね。なんてったって、当主の宗麟のダメさ加減が良いですね。
なんか、あそこまでダメだとかえって心地良いです。でも実際の大友宗麟て、ここまでダメな奴でしたっけ?
でも、そのおかげで私のお気に入りの立花道雪ちゃんの存在感が増すわけですから、まあぜんぜんOKだと思います。
しかし、そのせいで割を食ったのが島津でしょうね。前作では、島津ってかなり強かったのに、本作ではえらく苦労しました。
やっぱり道雪ちゃんは、少なくとも九州においてはキーパーソンなんですね。
また、もうひとつの追加勢力の伊達も良かったです。なんてったって、かわいいしね。
よく、このシリーズについて、“戦国ランス”の亜流とかパクリという評価を目にします。まあ、わからないでもないんです、発売時期とかを
考えますとね。もしかすると、製作者も“戦国ランス”があったからこそ、前作の“戦極姫”を作ろうと思ったのかもしれないですし。
しかし、このシリーズと“戦国ランス”とでは、作品としてのコンセプトというか、方向性がまるで違いますので。そこは、そろそろ切り離して
考えてもいいんではないかと、私個人は思っています。また、この会社自体システムソフトのエロゲー部門ですから、戦国ランスがなくとも
いずれは“天下統一”のシステムを使ってエロゲーを作ろうと考えたであろうことは、想像に難くないと思います。
というわけで、本作は萌え成分もかなり増量されていますし、なんと言ってもゲームとしてかなり楽しめました。
ですので、私は本作を“良作”と評価します。まあ、なんと言うか気の毒な作品ですね、ほんと。
とにかく、私としては“戦極姫3”には期待できるんじゃないかなと、考えています。