らぶデス2以降をやる前に、必ず本作をクリアすべし
【らぶデスシリーズを現行シリーズで知った人向け感想です】
7年ぶりにPCを新調して、2ちゃんねる自作版を読むようになり、
たまたま大好きなコミック、湾岸ミッドナイトのパロネタスレ、
「湾岸Midnight風に自作界を語るスレver3」を読むようになって、
そのほぼテンプレート位置、3にはこんなことが書いてあった。
ククク
前作の経験がまるで生かせていない
マルチコア全盛期なのに対応していないって話らしいナ
つくづくキチ○イなゲームだ
でも無理だろういくら理屈並べても・・
お前はもう見てしまったんだ悪魔の3Dエロゲを
お前はまた組むしかないんだョ
らぶデス3専用マシーンを
以下、やたら出てくる、というか、自作版にもかかわらず、
ゲームの名前の大半はほぼこれ「らぶデス3」ばかり出現する。
何だろう？ここまで、2ちゃん自作版の一部のｗ人たちの心を捉えるエロゲは。
いきなり3にいくにはマシンスペックに不安があって、らぶデス2を購入してみた。
ここはらぶデス2の感想では無いので内容は省略するが、
「心がふるえた」
そして2をクリアしていくうちに、どうしても、気になっていった。
奈々美の過去に。
そして、ポチってしまった。
この作品を。
当然、事前の情報収集は怠らない。
一般に評価が悪いなら、購入計画を白紙撤回するのもありだし、逆に、
期待しがちに買う場合は、事前に充分期待値を下げておくのが自分流だ。
多くは、圧倒的にに奈々美・真帆ルートがよくて、他はそうでもない、
特に綾乃ルートは最悪、余計、おまけ等と書かれているようだ。
充分購入に値するものの、好ましいルートは半分程度か？
さて、ようやく本作についての感想だが。
あまりエロゲをやらない自分なのでエロゲ基準ではなく、
総合的に映画やドラマ、コミックと感動を基準に比較すると、
購入前の事前調査に基づく自己予想に大きく反し、
良作テレビドラマを遥かに越える、素晴らしいものだった。
らぶデス2同様（本来逆順だが）登場人物の表情は、
ひとりひとりが、特に奈々美がｗ発狂しそうなほど可愛い。
そして、シナリオは、せいぜい20本程度のエロゲ経験で、
あまりたいしたことは言えないのかもしれないが、
全てのシナリオが標準以上に楽しめ、そして奈々美ルートTRUEは、
全てのエンタテインメントの中でもトップレベルにある。
テレビドラマには、二つの方向性の頂点があると思っていて、
見た時に最高に感動し泣けるものと、見た後幸福な記憶を創れるもの。
前者の頂点が「東京ラブストーリー」で、後者が「ロンバケ」だ。
どちらも初めて見たのが2005年（実際の放映の相当前）なので、
この2作が、時代を超えたテレビドラマの頂点であると考えている。
で、エロゲシナリオを上記の2頂点の方向性に当てはめて言えば、
前者は「家族計画」がそのひとつに数えることが出来ると思うが、
後者に属する、頂点ロンバケに迫るシナリオは、これが初めてだ。
奈々美という存在は、この奈々美ルートにおいて全てが完璧だ。
声、表情、性格の純粋さ、美しさ、それが全て容姿と表裏一体。
本当に、こういう死神と自分が出会い、恋をした記憶になる。
BADエンドで主人公が最低極まりない決断をし、あのような状況下、
意味不明の先輩エッチとかある意味本気で最悪に萎えたが、
そして、TRUEエンドの方も、「何でここでそういう話になる！」と、
一部大変不本意な部分があったが、それもどうでもいいほどに。
結果、らぶデス2以降の根底に、奈々美という死神の存在が、
とても可愛いそんな死神がいたという切なくも幸福な記憶が、
淡い既視感となって常に意識のどこかに存在するようになる。
これは、本当に凄い作品（シナリオ）だ。
また、真帆ルートは上記「前者」に属する甘く切ないストーリー、
ちさルートは謎解きの面白さが味わえ、いい意味の予定調和。
委員長ルートはちょっとした驚きと、安心して楽しめる良作。
そして、評判最悪の綾乃ルートは、自分には「オトナのストーリー」として、
「良作昼ドラ」以上に素敵な話であると自分には思えた。
ただ、3Dのレベルは、所詮2005年のゲーム、2と比較しても壮絶に劣る。
あまり技術的なことはわからないが、顔以外は輪郭が全て直線なのだ。
例えば、胸の輪郭や腕の輪郭、髪に至っても、全て直線で構成される。
髪は奈々美以外ワックス固めに見えるし、胸がカクカクとか相当萎える。
なので、エロゲであるがエロゲとしてはほとんど実用性は無いと思うべし。
それでいても、3Dがつくる魅力は驚嘆に値するものだし、
何よりも、2、3をやる上でこの1をやっているのといないのとでは、
得られる価値が全く異なると思う。