特殊シチュエーションのエロが良いです。(長文の方ではその分析を)
夕凪氏のレビューとほぼ同じ意見を持っています。
エロゲーとしては真っ向勝負なつくりで、かつ、新たな表現への挑戦ということでメーカーに対して良い印象を持ちました。
下記は個人的分析です。
・新技術について
このエロゲーでは、あえぎ声や、セックス時に発生する音の擬音をマンガのように吹き出しにして表示する新技術が使用されています。この吹き出しのサイズは小さく、その中の内容はおもに女の子が使うようなかわいらしい文字で表示され、かつ単語で表現されます。表示のタイミングは、別々のタイミングのあえぎ声や擬音が、バラバラのタイミングであらわれては消えます。吹き出しの存在時間は3秒程度と感じました。女の子の興奮度と同時に画面内に存在する吹き出しの数が比例するような表現のようです。
この表現はなかなか面白いと思いました。
しかし、この表現を使用することで直接的にエロい雰囲気にはなっていないと考えます。
むしろ、よく考えると、明るくかわいらしいという印象です。
そこで私的な仮説です。
このエロゲーでは、事実上は汚らわしく背徳的な(あるいはフェチ)プレイが多数なため、過激といえます。その中でこの吹き出しを散りばめる表現技法は、汚らわしく背徳的という印象を薄れさせる効果があるのではないでしょうか?
シーンの中でプレイヤーはいろいろな印象を受けるはずで、通常は汚らわしく背徳的でエロいという印象を持つところが、この表現技法により、純粋にエロいという印象を持ってしまうのではないでしょうか?
まとめると、「あぁあぁあぁあぁぁぁぁぁ…気持ちよすぎて思わずふきでちゃうのよぉ~エフェクト」(吹き出しエフェクト)はシーンのエロさを純化する効果があると主張します。結果としてプレイヤーは、吹き出しエフェクトによりエロくなったと感じます。
といっても、かならずしも、ポジティブな効果ばかりではないと思いました。
製作者サイドの敬服に値する素晴らしい発想により、直接的に強いることなしに女の子たちの常識的判断がことごとくゆがめられ、主人公の思惑が成就するのですが、そのシーンに吹き出しのエフェクトが使用されると、滑稽さがかなり増すように感じます。エロく感じる以前に失笑してしまうことがたびたびありました。
特に3人の弟子の魔力を増幅する儀式は、3×3 EYES(完結済みの古い人気漫画です)の「ニンゲンの像」をモチーフにしているとしか考えられませんでした。絵だけみて見るとエロいシーンなのは間違いありません。しかし、元ネタのシリアスな扱いがチラチラと思いだされ、まじめにテキストを読み、吹き出しをONにしていた結果、笑いが止まりませんでした。
エロゲーでエロいはずのシーンが滑稽だと本末転倒ではないでしょうか?
・このゲームが地雷となりうる人
1. 聖水で気分が悪くなる人(ウ○チはありません)
2. 音声を重要視する人(主人公の独白のテキストが表示されているときのループ音がたびたび不自然に感じるでしょう)
3. 明るくてエロいゲームはエロゲーとしてふさわしくないという信念をお持ちの御方
以上に当てはまる御方は避けた方が無難なのではないでしょうか?
ついでに一言
最大数のハーレムエンディングで爆笑してしまったエロゲーはこの作品が初めてです。