ErogameScape -エロゲー批評空間-

KetTさんの淫蹂の号砲の長文感想

ユーザー
KetT
ゲーム
淫蹂の号砲
ブランド
つるみく
得点
73
参照数
217

一言コメント

『つるみく的異世界転移』。短いながら読めるシナリオ。拷問の一部内容と導入がワンパターンな点、ゲーム性が皆無なところは残念。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

つるみくさんの作品も2本目のプレイとなりました。手元にもう1タイトルあるのでそちらはそのうち。
さて、本作は異世界転移モノという、それまでリリースしてきた作品とは少し毛色の違うタイトル。
昨今ありふれているアプローチではあるものの、だからこそとっつきやすく読みやすいという利点も。特に、エロがニッチなので作品の間口を広くとったのは良い判断だったのではないでしょうか。
ストーリー本筋はまずまずなのですが、残念なのはエロ、つまり拷問の導入がどのキャラも代わり映えないところとその内容。
せっかく排泄シーンのあるゲームなのにゆるい描写ばかりなのはいただけない・・・固形で出してください固形で!(性癖なんですすいません)
選択肢による展開の変化なども皆無で、設定が遊べそうなだけにゲーム性があればもう少し評価は高く出せた作品。


・ストーリーについて
戦争中のとある国の兵士たちが兵器ごと突如異世界に転移、飛んだ先の別世界の掌握に名を上げるお話。どう見てもドイ〇軍・・・は言わないお約束でしょうか。
昨今様々な媒体に擦られ続けている異世界モノではありますが、つるみくさんの強みを親和性高く落とし込んでいたのはプレイのとっつきやすさと併せて褒められるべき点。
また、主人公側に一定の正当性が見えたのも個人的にはプレイしやすい要素でした。最初から圧倒的な悪役として立ち振る舞う主人公ってあんまり好きではないので。
割とお話が面白かったので半端なところで終わってしまうのは勿体なくも思いますが、続けても同じ展開の繰り返しになるでしょうし、これはこれで。
逆に、ゲーム性が無く完全な読み物となってしまっているのは勿体ない点。
設定は面白いので、調教度やキャラ選択によって展開が変わるなりすればもっと満足度は高かったように感じます。

・エロについて
導入がすべてのキャラで同じというのは×。
秘匿している情報を引き出すために心を折るという拷問に至るまでのプロセスは理解するのですが、パターン化して代わり映えが無いというのは思っていたより退屈に映りました。
主人公も任務第一でありながらも好色家のようだったので、目先のバリエーションを変えたヒロインがいても良かった。
プレイの内容は概ね期待に応えながらもスカはイマイチ。液状のモノって基本あんまり『ソレ』っぽくないので、しっかり羞恥を煽る為にもこちらの見ごたえの為にもここは固形物にこだわって欲しかった。
つるみくさんはスカに寛容な割に液状比率が高いのが個人的には難点。
ビルギットというせっかくの高慢姫キャラがいるのに、彼女には排泄シーンが無いのもガッカリなポイントでした。


ということで、ストーリーは割と満足できたもののエロがイマイチという、つるみくさんとしては本末転倒(?)な作品という総評。
良作と言うには手が届かず凡作に留まりますが、ポテンシャルはあっただけにもうちょっと希望を満たせていたらと思うと残念なところ。
冒頭書きましたが、もう一本つるみくさんのタイトルがプレイを控えていますので、そちらではより良い評価を出せることを期待しています。