結構考えさせられる舞台設定。この土台の部分はある程度評価されていい。
ストーリーよりなによりこの舞台設定が上手いですね。割によく練られている。
キャラクターもイラストもかなり高いレベルに収まっているんじゃないでしょうか。主人公を除いて。
あと、これは今更感ある感想となるかもしれませんが、プロモーションに難あり。体験版で見せすぎです。そのあたりで不当に評価を落としている部分はある。
が、諸々考慮した上で、及第点をまま超えるあたりに落ち着くかなというのが私の本作の評価です。
・ストーリーと舞台設定について
設定は見事ですね。現代において「電波の飛ばなくなった世界」というのは、どれほど不便になるのか。実際プレイしながら考えさせられる部分がありました。
ここに絡めたラジオという舞台装置、隕石回避という事情と事象、主人公ソラの真実、と物語の枠組みはバランスよくまとまっています。
が、ストーリーの描写は今一歩な部分が散見されたかなという印象。
電波系の電子機器が使えないといきなりサラッと言われても、電波機器に囲まれた生活を送っているこちらとしては少し困惑する。何が使えて何が使えない?というのは多少の説明はあるもののそれ以外は作中推察するしかなく、もう少しここの設定は序盤に丁寧に描写してほしかった。
主人公に関しても少し理解しがたく思う行動があり、そのあおりを食らう妹ちゃんなんかは不憫にさえ思えたほど。
その妹ちゃんも個別ルートは・・・。
と、まぁ一部に目を瞑ればヒロイン自体は魅力的に描かれているし、電波がなぜ飛ばなくなったのかの因果にもメスが入る上、そこから主人公の秘密、果てはストーリー1周目に隠された仕掛けと一見して抱く疑問にはちゃんと答えを出してくれているので、本筋はSF作品としては概ね高いクオリティでまとまっていると言っていいと思います。
・キャラとイラスト、エロについて
ヒロインは魅力的に描かれていますね。椿姫すき。椿姫のイチャラブが足りない。。。
イラストはエロゲ屈指のレベルと言えるのではないでしょうか。とても綺麗でそれ目当てに買ってもいいくらい。
エロで特筆すべきは秋奈でしょうか。エッチです。エッチな子です。いいですね。
みな年齢や立場に対し等身大で描かれており、変に気張った感じや鼻にかかる感じがしなかったのはとても良かった。まぁかぐやは特別として。
ということで作品としてはそこそこのレベルに落ち着く出来ではあるものの、冒頭に書いたように体験版の存在が少し足を引っ張る。
というのも、全体の約半分近くかな?結構な量を体験版でプレイ出来、体験版後の展開はほぼ個別ルートに入ってしまうので購入後の印象が良くない。「これでもしかしたら隕石を止められるか!?」という期待を最初に持たせたところで終えておくべきだったろうし、この見せすぎをサービスと捉えるならそのあとの展開にもう2盛りくらいさせるべきだった。
ただこの辺はプロモーションの仕方でどうとでもなるだろうし、事実発売からしばらく経ったレビューでは高評価が増えているようなので作品としての本来の評価はこちらなのだろうと思います。
ぜひこの辺りはうまくやってほしいなと感じた作品でした。