完結編。驚きの展開で畳みかけるというよりかは着地点を見据えて綺麗に滑り込む感じにまとまっている。
3部作の3本目、結の作品ですね。3作通した感想となります。
概ね仕掛けの部分は2作目で回収、本作では本当の黒幕は?最初のきっかけは?といった謎に迫る展開ですが2作目より種明かしの衝撃は少なかった印象。そして最後まで感じた謎解きのずさんさ。
お話としては全ての伏線が回収され3作最後までプレイしてよかったと感じるものの、ミドルプライス故の物足りなさもあり、もう少しこの世界に浸っていたかったとも思った。クリア後のお楽しみは思った以上のボリュームはあり、そこはいい意味で裏切られたなと。
ただミドルプライス3作を定価で買うとなるとフルプラ1本の値段は優に超えるので、満足度がそれに勝つかといわれると微妙という評価には収まる。
・ストーリーと謎解きについて
学園ものという現代の舞台に魔術というファンタジー要素を組み合わせるストーリーについては、一応矛盾なく収まっている感じでしょうか。まぁね、魔術を持ち出し且つそれで解決の難しい問題を後から香水やら魔法の類を持ち出して解決させてる時点で厳密には都合なんてものはないのでしょうが、まぁそれでも大きな不整合はなかったかなと。
ただ細かい不満は多々ありました・・・このキャラにしては行動がずさんだなぁと思ったり。それは謎解きに対する不満にも直結したりもするのですが。
3作通しての構成は良く出来ている。本作ラストのまとめ方は特にいいですね、もう全ユーザーが見たかった展開をちゃんと見せてくれて読後感はとても良かった。ただ種明かしという点では本作もそれなりにはあるもののやっぱり2作目ラストの衝撃には勝てなかったですねぇ。。。深夜にプレイしていて「えっ!」って声が出たのはあそこだけだったので、振り返ってみてもあそこが山かなと。他の方のレビューや点数を見ていても2作目が一番評価が高いのはそこに理由があるのでしょう、私も概ね同じ感想を抱きました。
個別ルートに関してはみなやはりこじんまりしていて本当にただのおまけって感じの印象。特に学園長とかね、暴論ですがなくても別に・・・と言ったら怒られるのかな。なんなら憂緒とハイジの2本で勝負してほしかった感じすらあってとってつけた感じはいかんともしがたかった。その分本筋がしっかりしていたので作品に対するマイナス評価とはしませんでしたが。
そして、、、謎解きよ、、、お前さぁ、、、。
ここは不満のオンパレード。憂緒にしてはずさんなころがあったり、どうとも取れるような選択肢が目立ったり。例えば2作目序盤、ハイジたちを罠にはめるところ。憂緒なら筆談位すると思う。そのあとすみちゃんにメモ渡してるわけだし。
選択肢についてもそう。一見これかなと思う選択肢も、物語の設定を深く考察していくとこういう考え方もあるよな・・・じゃあこっちか?と選ぶ選択肢は大体外れる。多分ライターはこれを選ばせたいんだろうなという視点に立たないとなかなか正解が難しい。ただこれは、推理ものというジャンルに魔術というある種万能な要素を組み入れた弊害という部分も多分にあると思う。魔術の存在故のあらゆる可能性を消し切れていない。そのうえで微妙に判断しづらい選択肢を並べるものだから正解のカタルシスよりストレスの方が勝った。
はっきり言ってしまえばおまけ程度の要素ですね、、、この程度なら無い方がよかったかもとさえ思う。
・キャラとエロについて
かわいい。ハイジかわいい。ネコちゃんかわいい。ミチルかわいい。3人お気に入り。
だからこそもう少し日常的なアレコレも見たかったかなぁと。
声優さんもいいですね、キャラに声が負ける部分は皆無だった。
エロについては、、、ミドプラですし、贅沢は言えないまでもやはり数が少なくてそこは不満。ただ本作クリア後のお楽しみはしっかりボリュームがあり、黄昏・残影を見ているだけによくこれだけ入れてくれたなとも思った。
おしkkとかね、絶対無いだろうなと思ってたのでよくいれてくれたなと。願わくばハイジにもあったらよかっゲフンゲフン。
ミチルにもシーンあったらなって思ったイケナイお兄ちゃんは自分だけではないはず。でもまぁ実妹ですし、しょうがない。そうゆうゲームじゃないし。
そんな感じで概ね満足したものの、やっぱりボリューム不足はいかんともしがたい。
冒頭述べたように、3作定価で購入するかフルプラ1本で迷っていると問われたら難しい返答になる。セールで安く購入出来るなら迷いなく勧めるがそうでないならどうかなぁ、なんとも言えない感じ。推理ものと言って勧められるクォリティでもないので。