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Kasyaneさんの3days -満ちてゆく刻の彼方で-の長文感想

ユーザー
Kasyane
ゲーム
3days -満ちてゆく刻の彼方で-
ブランド
Lass
得点
91
参照数
109

一言コメント

色々と斬新な作品 グロは緩和できるため耐性がなくても問題なく進行ができる。基本面白いがラストがややご都合

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

声がベジータで口にワサビを咥えた猟奇的殺人鬼が出るという情報を聞き、 興味が出てプレイ

プロローグ
1日目で美柚が殺され、2日目で梨花が自殺と日常が壊されてゆくなか、3日目主人公とたまきはデートをするが、この際にも黒衣の男が迫ってきている事実に恐怖を覚え、主人公とたまきがかわいそうになり一度はこのゲームをリタイアしたこともある。(5日程度で再開したが)

その後、ニコニコ動画でカンニングした際に大丈夫そうと感じいざ再開し、そのシーンに遭遇するが殺されているたまきのCGの美しさに魅せられてしまった それがある意味出会いだったのかもしれない...
また、たまきの子宮が緑に光ってたため凄く怪しいと感じた(緑に光る子宮ってなんだよ)
またベジータも「やっと見つけた」と言っていたから重要な何かがあるのかとこの時点で推測してしまった(なお)
前半ループ部分
この際にも主人公が記憶をフラッシュバックした場面が多く、着々と解決への糸口が見えてきている反面 主人公やたまきが不憫にも感じたりもどかしさを感じたりした。(なお実際はプレイ中にベジータが出るたびに大笑いしていたが)
5回目くらいのループから吾妻梨花パートに移っていったため吾妻梨花の色々な一面を見ていくことになるが しょっぱなからハサミで自分の腕を切り出すなど頭のネジ飛んでるのかこいつ...とも思った
その後、黒衣の男の正体が吾妻梨花だと分かるCGがあるのだが、これに驚愕と同時に違和感も生じた 何度目のループかは忘れたが主人公が黒衣の男を蹴った際に「丸太」を蹴っていると表現していたため こんな可憐な少女が入っていたのに丸太みたいな身体とはどういうことなのかと考えるようになった(まだこの時点ではループによって中身が違うのでは無いのかとま思ってた部分があるため)
また、プロローグ及びループ部分で梨花が自殺しているときは中身が誰なのかもわからなくなった など混乱も生じた。
その後梨花の家に行った際に梨花のけがを手当てする際に救急箱を見つけ、そこに「黒衣の男が所持していたサバイバルナイフと杭」を見つける部分もあった このことから黒衣の男が吾妻梨花だと言うことは断定できた。
また、吾妻梨花は幼少期に兄を失ったショックから弱っている未熟な精神に黒衣の男が精神寄生し、長年にわたって吾妻梨花の心を徐々に蝕んでいき、性格も内向的になったという経緯がある。
これを別人格として1人で戦っていた。(なので自傷癖や2日目の自殺の理由にもなる)
これに関して黒衣の男の真の正体がどうなっているのかなどの疑問が生まれていった
など正直ここに関しては謎が多いままで後半の楽しみにもなっていった。
その後 黒衣の男の精神が吾妻梨花から主人公に移る場面がある(超大事)
その際黒衣の男は「久々に女の身体を楽しみたいと下卑た思考で」吾妻梨花をレイプするのだがかわいそうで見ていられない(実際はベジータがレイプ魔になったという事実でテンション爆上げしていたが)その後、流れで吾妻瑠花をレイプするか選べるのだが選ばないといけない(大丈夫じゃねーだろと思いながらもベジータが(ry)
またレイプ中に後ろから梨花に刺されるというなんとも間抜けな殺され方をする。
「しかもこれが真実の扉へのフラグだったのだ」
なんとも言えない気持ちになった 。
余談 たまきが電話BOX越しに殺されるCGがあるが BLをONにすると血が一切出てないのに「血塗れの電話ボックス」と表示されるためシュールな絵面が見れる。

後半真実の扉部分
過去パートに入り 唐突に柊美柚が登場、「草壁遼一」という唐突に新しい人物が登場する
そして黒衣の男の本来の中身であり、吾妻梨花に寄生していた「ヴァルター・ディートリヒ」という人物が登場する。(幼少期の主人公の姿で)
主人公の過去話が分かったが他が全くついていけないのだ しかも「転生」だの「冥王の鍵」だの色々な単語が出てくるが説明されてないので余計に混乱してしまう
一応この話も15年前の連続殺人事件となってたり失踪した吾妻梨花の兄とも関わってるが
この後現在パートに入り、吾妻梨花を殺そうとするが主人公が自分が死んだほうがマシと考え出したときに主人公が死んだ際に3日前に戻されていることに気づく、そして0日目に行き着くためにマンションの屋上から飛び降りる。といった感じで0日目に戻るのだが まさかのその手段が飛び下り自殺である...(確かに0日目に戻る)
その後 過去パートに入る
ここで草壁遼一とヴァルターと柊美柚の過去がわかる(相変わらず訳の分からない単語が連発するが)
ここで「魔術結社トゥーレ」という組織の名前が出てくる これは11eyesでも綿密に関わってくる情報
他だと柊美柚は元々「ナームルス」という名前の人造生命体だったことも明かされる(サンプルにHCGあったけど体の機能が人間と同じなのか気になった)
ちなみにヴァルターの目的も何となく推測できる(恐らくトゥーレ内での下剋上?)
その後紆余曲折あり、草壁遼一とナームルスが恋仲になるのだが美柚という名前はその時に付けられた
その後2人とヴァルターが戦う場面に来るのだがこの時にヴァルターが趣味を暴露しこの作品全体の猟奇描写全てにおける理由を知ることとなる(理由は女の身体をバラバラにしたり臓器を弄ったり管を切ったりするのが好きなだけ)
あのCGも描写も全部コイツの趣味である。性悪にも程がある
改めてバトルパートに入るがいきなりCGがシュールな上に差分こそあれどCG自体が変わることは無いため、戦況が微妙に分かりづらいという欠点があった。
いざその戦いも草壁、美柚ともに命懸けで戦っていたが全てにおいて通用せずほぼボロ負けである(戦況は圧倒的にヴァルター有利だし) (草壁が百鬼鎧骨格を発動させるもヴァルターが特注の弾丸を用いた拳銃で無力化させた時は完全に負けムード漂ってた)
その後自爆魔術で相打ちとなる(ほんとにそれでいいのか?)
その後現代パートへ
主人公が「草壁遼一」か「高梨亮」か「吾妻友哉」のどれかを自覚する選択肢があるのだが この時点でクリア後に選べるヒロインは1人なんだなと察した
また主人公に「カイロスの時計」が埋め込まれてて殺されても3日前に戻されるということを知る(実際はウィンドウにある時計がカイロスの時計って知ってたから推測しかけてた部分でもあった、察しのいい人なら気づいてる人もワンチャンいそうではある)
その後美柚を探すのだがヴァルターに見つかるというポカをやらかしてしまうも無事に美柚と合流できたがこの時代の美柚はクッッソ重い女な上に嫉妬深いと難がある属性を抱えてしまう(このせいで修羅場を起こす)
実際その後たまきと修羅場を起こしてしまい 見てられなかった
またこの際にたまきの子宮に「翠玉碑の欠片」が宿ってる事を知り、なぜ黒衣の男がたまきを狙ったか分かる。
その後月子→富岡と精神寄生を繰り返すヴァルターだがついに...ついに美柚が倒す...のだが呆気なさ過ぎないか?(主人公も怪しんでた)
その後案の定ヴァルターは生きており、たまきに寄生した(その際のCGが作画崩壊しており、クッソシュールなうえにジワるという2重苦で笑ったが)
その後ヴァルターを倒すパートに入るのだが倒し方が「1度ヴァルターを主人公に封印した後に体内にあるカイロスの時計ごと自殺する」だった
50年以上の怨敵の結末がまさかの相打ちである いくらどうにも出来ない強さであるとはいえ相打ちだけはコレジャナイ感がすごかった。(こんなのだからアニヲタwikiに尻すぼみな最後とか書かれるんだぞ)
実はカイロスの時計は機械生命体で生きていたという事実を知る
その後死んだ主人公を「カイロスの時計」「たまきの子宮に宿った翠玉碑の欠片」「冥王の鍵」で蘇生される(ご都合が過ぎる)
その後選択肢に応じてヒロインと結ばれるのだがどの選択肢でも選ばれなかったヒロインが悲しんだり主人公が泣き出したりときれいな終わり方では無い(これ自体は良いと思ったが)

総括
前半ループ部分では後半に向けた情報がどんどんと入る面白さやループする際のもどかしさなど ループものとしての良さに黒衣の男が入り込んでいていい感じに猟奇的サスペンスになっていた。

さくレットみたいに情報を次のループに渡したりしないのでどうやって真実の扉に行きつくのかの過程が面白かった。

ただこの時点でやや間抜けな黒衣の男などやや怪しい部分もあるが。期待が勝っていた
だが後半では
前半とは雰囲気が変わり、猟奇ホラーループものから中二バトルものになったということもあり、雰囲気が変わってて序盤から困惑していた
いきなり15年前の過去に飛ばされてヴァルターとの決戦が始まるがいきなりなのでまず展開が読めないところは評価できたが初っ端から魔術、冥王の鍵などわけのわからない単語を連発され風呂敷を広げて大丈夫なのかと不安視したが案の定風呂敷はたたみ切れたのか怪しい印象は受けた(11eyesにつなげるためなら仕方のない部分もあるが)
また20年前のゲームだから仕方のない部分ではあるがバトル描写はもう少しどうにかしてほしかった。
終わり方に関しては何十年と因縁を持つ怨敵を相打ちという形で終わらせて良かったのか?と疑問に感じた その後に主人公が生き返るという流れに関しては ご都合全開だが多分そうしないと展開上よろしくないのだろうとも感じた(アストラエアの白き永遠のコロナ√ラストを連想した)

自分の願望
またここまであまり良い評価はしていないもののヴァルターというキャラに関しては個人的にかなり好きなのでヴァルターが「冥王の鍵」「翠玉碑の欠片」「カイロスの時計」全てを揃え、トゥーレ内で下剋上を目指す物語も見てみたいと感じた。

また世界観に関しては過去の世界観は結構好きなのでその部分はかなり評価している。
私はこの作品に91点を付けたがあくまで点数として大きく見ているのは作中の雰囲気と世界観、ヴァルター・ディートリヒである。