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KYさんののーぶる☆わーくすの長文感想

ユーザー
KY
ゲーム
のーぶる☆わーくす
ブランド
ゆずソフト
得点
84
参照数
1385

一言コメント

萌え死んだ。それだけで他になんの不満があろうか、いやない(反語

長文感想

灯里・瀬奈ルートでは恋愛感情を自覚したヒロインの独白に悶え、
ひなた・麻夜ルートでは端々で覗く口癖や口調に萌え、
静流ルートでは抜きゲー顔負けのエロに枯れ果てる。

ここ暫く覚えのない萌え尽きっぷりだった…
個人的にはキャラ萌えだけ見れば2010年トップクラスの作品。


長く重めなシリアスを挟み、その後に結ばれるという展開が多かった天神乱漫と比較すると
基本的に個別に入ってすぐ結ばれ、それからシリアスに入るという構成になっています。
おかげで更に深く考える事なく萌えを楽しめる作品に。
ゆずソフトにはこの路線が合ってるんじゃないかな。

舞台の中心となる主人公らのグループの雰囲気も良く、共通はあまり起伏がない割には退屈しなかったですね。
主人公も出来すぎではない代わりに努力家というタイプで好感が持てるキャラ作り。
女装モノや変装モノにありがちな「明らかにバレるだろう…」という矛盾や行動も無いとは言わないが少なめです。

お嬢様学校に潜入、というワードそのものについてあまり期待するものではありませんが
逆にそこが懸念だった人もイライラする事なく進められる内容になってるんじゃないかと。


ただ、個別についてちょっと一言。
キャラ萌え重視で重すぎない個別を目指しているのは端々から感じられるのだけど、
そこそこ重めの展開で進行しておきながらラストだけ軽くアッサリ解決、というのはちょっと違うんじゃないかなぁ…
シナリオも重視する人にとっては一気に萎えてしまいそうな竜頭蛇尾の展開が多かったのが残念。

同じく「萌えを前提とした個別」という作品作りのメーカー、「スズノネセブン!」などのクロシェットと比べて考えると
その辺りのバランス調整が上手くいっておらず、あともう一歩考えてほしかったなぁ、と。
ベタ褒めしてる割には点数が低めなのはその為です。
次の作品では是非改善してもらいたい所。


■灯里&瀬奈
3人のライターの中で一番萌え描写が上手なのがこの2キャラを担当した方でした。
とにかく結ばれるまでが最大の見所で、自分の気持ちが恋心か否かについて一人悩む姿が最高に萌え。
この二人のシナリオはヒロインの独白が多いのが特徴で、好きな人にはかなり萌えられるんじゃないかと。
特に瀬奈。洗濯中に主人公のシャツを部屋に持ち込んで…後は分かるな?

シリアスに関しては上記の通り、それなりに重めの設定にしておきながらラストだけアッサリ気味。
結ばれるまでが(萌えゲーとして)一番盛り上がる場面なのでそこから先が長く感じるのが難点といえば難点。

■ひなた&麻夜
ひなたの口癖や麻夜の口調を可愛いと思うなら終始ニヤニヤ出来ます。
特に麻夜のヤクザ口調?は声優さんがハマっていてかなり良かった。地が出る場面自体が少ないのが残念。
ただ、他の3人と比べると萌える場面が少なく、インパクト不足な感じは否めないかな…。

ひなたルートは唯一友人への身代わりバレが重いルートなのでご注意を。とは言えやはり解決だけは軽いんですが…
こちらは前半と後半で重さの差はさほど無いけど、イチャラブでもシリアスでもない期間が長く退屈な場面が多かったのが正直な感想。

■静流
このルートだけは自信を持ってさいろー氏だと断言できる。
とにかく「萌エロ」の一言に尽きます。

シリアスについては、明らかに他ルートで考えれば最悪の状況なのにまるで危機感がなかったり
気が付けば元の状況に戻っててハッピーエンド、みたいな感じで正直グダグダですが
Hシーンが入るようになった辺りからの静流の変貌っぷりが凄い。ヤバい。
「しーちゃん」て。「たーしゃま」てww

ある意味、最悪の状況にも関わらずひたすら情事に耽る二人、というシチュがエロさを強調してます。背徳感というか焦燥感というか。
さいろー氏にとってはシナリオさえもエロの調味料…と、割り切ってプレイすればかなり楽しめるかも。


どのルートもシナリオとキャラの2つの視点から考えると一長一短ですが
灯里&瀬奈が安定してお勧め、ひなた&麻夜は少しパッとしない、エロい萌えゲーが好きな人には静流が大穴、という感じ。

色々ネガティブな部分も書きましたが、個人的には一言に書いた通り萌え死ねただけで大満足。
2010年のオススメの萌えゲーは?と言われた時、安心して勧められる良作です。
シナリオはあんまり気にしないからとにかく萌える作品を、という方に是非。