前々作「Clover Point」のように尖った作品かと思いきや、一転してごく普通の萌えゲーに。賑やかな日常と濃いエロ、ご都合主義なりに爽やかなシナリオが魅力の作品
願いが叶うマーガレットの花の伝承が伝わる街を舞台にした物語。
前々作「Clover Point」（以下クロポ）とほぼ同じ題材・構成をしており、ライターも同じ人、
更に「隣町にはクローバーの伝説があって…」と作中で言ってたりするので、意識しているのは明らか。
まさに新生Meteorでの再チャレンジ作品という感じでしょうか。
…とは言え、クロポのレッツ背徳のようなキレのあるシナリオは完全に鳴りを潜め
グランドルートがある事以外は至って普遍的＆内容もマイルドな萌えゲーとなっています。
実妹である茉莉のルートも近親相姦というタブーを描いたものとしてはかなりヌルい描写になっているので、
クロポのインパクトを再び求めている人には物足りなく感じるんじゃないかと。
特筆すべきはエロの濃さ。
茉莉７・蓮４・なのはな４・美桜６・マーガレット４という量に加え、蓮のソフトＳＭや美桜の卑語など内容も充実してます。
美桜が卑語多めになっているのは「みさくら」に掛けているんだろうか…ｗ
何にせよ萌えゲーとしてはかなりのレベルで、前作「恋ぷれ」に負けず劣らずのエロさとなっています。
個別のシナリオはあらすじやキャラ設定から想像できる展開ばかりでありきたりな上
設定上どうしても奇跡が入るためご都合主義ぎみですが、爽やかに締めてくれるのであまり気にならないですね。
さほどシリアスは重くも長くも無いので、日常描写やイチャエロをじっくり楽しめる作品。
共通は特に大きなイベントが起こる訳でもなく、淡々と学校生活が進んでいきます。
ヒロイン全員が幼馴染という事もあって、砕けた会話が多いのが特徴的。
サブキャラが多く舞台もコロコロ変わるため飽きさせない作りにはなっていますが、笑える場面は少なめかな。
体験版の範囲から雰囲気が大きく変わる事はないので、体験版が良いと感じたなら最後まで楽しめるんじゃないでしょうか。
ただ、ヒロインが二重人格じみた妹・どこでも寝てしまうお嬢様・怒ると手が出るお隣さん、などなど
どこか無理矢理さを感じるようなキャラ付けなので、苦手な人もいるんじゃないかと。
主人公も些細な事で意固地になったり、達観しているような風の独り言をしたりと若干中二（×厨二）っぽいので
この「未熟さ」を青年らしいと取るか、イライラすると取るかも人それぞれでしょう。
個別に入るとヒロインとの距離が縮まるイベントが続いた後で結ばれるんですが、
幼なじみとしての「友情」から「恋愛」に発展する過程はお世辞にもうまく描けてるとは言えず、
唐突な告白からそのまま挿入…と情緒もクソもあったもんじゃない展開が多いのがちょっと残念。
基本的には結ばれてからも他のキャラを交えた賑やかな日常描写が続きます。
結果としてイチャラブが少ないのは残念ですが、他のキャラにからかわれたり相談事をしたりと
付き合ってからも二人だけの世界にならずワイワイとした雰囲気が残るのでこれはこれで良かったですね。
代わりにエロが多い＆良いのもあって文句はなし。
後半のシリアスは上記の通り重い場面は少なく、長くもないためイライラする事も無く。
期待しすぎなければ…という感じで萌えゲーとしてはちょうどいい塩梅になっています。
重さは蓮＞なのはな＞茉莉＞美桜。…ご都合主義の度合いも同じような順番。
最後に攻略できるマーガレットさんのルートはオマケという感じはなく１ヒロインとしてしっかりと尺が取ってあります。
内容自体は大した事ないんですが、挿入歌などの演出が良いためそれなりに感動出来るシナリオでした。
色々とネタばらしはあれど難しい展開もなく、お伽噺のようなシナリオとしてシンプルな良さがあるルート。
システム周りはビジュアルも含めかなり進化しています。スキップは若干遅いですが気にならない程度。
主題歌やＥＤ・挿入歌は良いんですが、ＢＧＭは最低限のクオリティという感じでちょっと微妙…
環境音もループする度に途切れるのがハッキリ分かってしまっていちいち気になったり。
以上、クロポに似ているようで見所はあんまり似ていない、という感想でした。
話題になった部分をバッサリ切っているので個性が無くなってしまったのが残念といえば残念。
クロポ抜きにして考えれば、キャラゲーにグランドルートで＋αがついた作品、という印象ですね。
最近流行りのイチャラブ特化ゲーよろしくシナリオに期待しすぎるのはＮＧですが、
抜ける萌えゲーが好きな人にはたまらない出来なので、好みのキャラがいれば是非。