丁寧な作りで完成度の高い作品ではあるけど、無難な展開のせいで萌えゲーに慣れた人が手を付けても物足りなく感じるかも?
長すぎず短すぎないシナリオ、雰囲気を壊さないように短く纏めたシリアス、
Hシーンの数も多く、サブキャラ(みどり&奈乃香)のHシーン付きアナザーストーリー付き…などなど、
10周年記念を謳うだけあって丁寧に作ってるなってのは伝わってきます。
主人公の「町で久々に生まれた男の子」設定がほぼ生かされてないとか、失敗点もチラホラ見えるけど
細かい事抜きにして「キャラに萌える作品」と考えれば十分良い作品だとは思う。
ただ、ルートによって多少の差はあれど、個別の展開が全体的に平坦な印象。
雰囲気を崩さないようにシリアスを控えめにするのも萌えゲーとして1つの選択だとは思うけど、
シリアス抜きでの展開が他の萌えゲーと比べて突出している訳でもないので、少し退屈に感じることも。
萌えるのに余計なシリアスなんて要らない、という人に丁度いいのかも。
僕自身それで退屈でないシナリオを書けるならそれが一番だと思うんで、別に悪い事ではないとは思うんですが
やっぱシリアス無しなら無しで起伏のある展開が欲しいですね。
共通が短めな上に、あまり大勢で集まってワイワイするような場面もないので日常描写に期待するのは×。
笑いについては一部お約束な展開をしてスベっていたり、同じネタを繰り返す所も見受けられますが
その分軽く吹きだす場面もあったし、当たり外れで±0ってイメージです。
共通や他のルートで登場させにくい鼎と千鳥の立ち位置については設定ミスだったかなーと。
共通はともかく、他のルートに入るとこの二人がほっとんど出てこない。
幼馴染三人組と他二人の差が…
また、宗次郎のような「エロいことして引っぱたかれる親友」ってのはもうお約束なんでしょうか。
男の親友の存在自体は日常描写で色々出来る事が増えるので良いと思うけど、
なぜ彼らは(ライターに)ここまで酷い扱いを受けるのか?
もう少しまともな設定にして良いと思うのだけど…
お勧めヒロインは鼎とゆのか。
鼎は無口→段々心を開いて話せるようになっていくというありがちなキャラですが、その過程がそこそこ表現出来ていてgood。
ゆのかはイジられ系ツンデレという事で、イジられると子供口調になるのが良い感じ。
ルートのお勧めは…上記の通りあまりシリアスを重視していないのであまり変わりありませんが、
逆に千鳥ルートがバカゲー的なノリで、直前に出した設定を無視している所があったりするのが目に付くかな。
「作品」として丁寧な作りの反面、ライターにあとひと押し頑張って欲しかったかなーという作品でした。
とはいえ、キャラ萌えに関してはなかなかの水準なので普段キャラ買いとかする人には地雷になる事は無いんじゃないかな。