王道を地で行く展開。90点はちょっと甘いかなと自分でも思うけど、理香子ルート終えた時湧き上がってきた鳥肌に嘘はつけないな、と…(笑
エロゲよりむしろ小説やドラマに近いようなイメージの作品。
同じ萌えゲーでも、最初から主人公に全ヒロインが大なり小なり好意を持ってるものと
ルートに入ってから恋愛が始まるものには案外大きな差があるなと再認識。
また、この作品は登場人物の考え方が現実の人間っぽかったな、と。
エロゲーってのは大抵大なり小なりリアリティを殺して書きたい事を書くもんですが、
この作品のおいてはそれがあまり無く、現実的な範囲の心情描写で物語を丁寧に作っていった印象があります。
もちろんそうではない作品も好きだけど、こういうタイプはやっぱり受け入れやすく、感情移入しやすい。
個別の感動の為に多少共通の序盤が犠牲になってます。…もっと言えば、序盤は一部キャラのウザさが尋常じゃない。
序盤の母親のクソババァさや理香子の激ツン状態に気分を害する事もあるかもしれませんが、これがあるから個別の感動が大きくなるんじゃないかな。
ここで萎えることなく「まぁコイツら全員ツンデレだから!」と許してあげる慈悲スキルが必要となります。
…まぁこの点を除いても、共通は海に行くなどの定番イベントが淡々と続くので少し退屈になってしまってた印象はありますが。
個別の内容はまさに王道を手堅くといった印象。
突飛な展開などはほとんど無い代わりにしっかり地の着いた展開をしてます。
なんで先の分かる展開はもう飽きた!という方には向いてないかもしれないなぁ…
美沙ルート シナリオB キャラB
このタイプにおける一番面白くない展開は避けたけど、もうひと押し欲しかったかな、という印象。
教師と生徒の恋愛というパターンにおいて一番つまらない展開は間違いなくお付き合いが周囲や学校にバレて云々…というお話。
まぁ個人的な嗜好の問題なんですが、周囲からの悪意(噂話)ってのがどうにも受け付け辛い性分で…
この展開を避けたのは良かったんだけど、それ抜きでもルート後半の展開は少し失速してしまった感があります。
シリアスよりむしろ序盤の美沙の私生活をかいま見る場面が一番面白かったかな。
キャラに関してはまず声がとても可愛い!ちょっと教師という年にしては子供っぽすぎる気もしますが(笑
ただ立場上他のルートでの影が超薄いのがとても残念…
あと、上のほうに「人間らしい思考を…」とか書いたけど
ねねみたいなしっかりした幼稚園児なんていないな、うん。
良い子でした。
ひなこルート シナリオB+ キャラA
序盤は三角関係をさらりと書けていて面白い。後半もっとヤンデレ化してたら評価が更に上がって(ry
前半は三角関係がメインの展開。
三角関係と言えば以前とある作品(Clover Heart's/Alcot)のドロドロさで軽くトラウマを負ったんですが、
この作品では主人公がしっかりけじめを付けている事もあって、さして抵抗も無くすんなり進めました。
その代わり後半が少し印象が薄いかな…。
とある重要なサブキャラの立ち絵がないのが関係あるのか、一番重要な場面を端折らざるを得なかったのがとても痛い。
キャラ的にもシナリオ的にも依存要素が強いキャラなので、どうせならもう少しヤンデレ化したら
もっと可愛いかったかなぁと思うのは僕だけ…?
ラストがHシーン→のんびりしたイチャラブで終わるので、人によっては違和感を覚えるかも。
個人的には読後感がいいので好きですが。
翠ルート シナリオA キャラA
これぞ正に恋愛+スポ根の王道の中の王道って展開。ただ、友情発恋愛行きってもう少し友情が長いほうが好きなんだけどなぁ…。
友情発恋愛行きなシナリオって友情期間もそれなりに長く描いたほうがいいと思うのだけど、
翠ルートは友情パートが短く、少し残念。
シナリオは上に書いたとおり王道を地で行くお話。
途中で悪意ある噂話が出てくるので少しアレルギー起こしかけましたが、すぐにスカッとする展開になるので良かった。
しかし、他のルートと違ってこのシナリオだけ解決すべき問題が1つだけになっていて、
さすがに1つで長いシナリオをダレることなく最後まで持たすのは難しかったんじゃないかな。
友情→恋愛をもう1つの問題として深く描いたら丁度良いぐらいになったと思う。
しかしキャラ自体はもちろん立ち絵が超可愛い…。こういう髪型大好きです。
理香子ルート シナリオS キャラA+
共通はこのルートの為にあると言っていいほど。構成的にも一番完成されたメインヒロインに相応しい内容
敢えて挙げるとすれば、このキャラが一番好き嫌いの分かれるキャラでしょうね。
しかし、シナリオの起伏が大きく飽きない展開になっていて、ついでにエロも濃い(笑
共通の時点で彼女が優遇されているので、逆に言えばこのキャラを好きになれなければこの作品の評価は低くなってしまうかも。
サブキャラの香奈という言わば説明役の運用が上手くいったおかげで、
重く難解にしすぎず読みやすい程度に纏めている良いシナリオでした。
個人的名シーンは理香子云々ではなく家族の和解の場面でしたが(笑
基本的にどのルートもエピローグはヒロイン視点での語りで終わるんですが、
このルートはそれが長い上に読後感が素晴らしい良エピローグ。
今まで90点以上の評価を付けた作品ってのは全て攻略を終えてタイトルに戻った時に鳥肌が立った作品なんですが、
このルート終えた後もそうだった事が90点付けた理由の1つでもあります。
こうして見ると自分が過敏に反応してしまうアレルギー要素が案外多かったんだなぁ…。
そんな中でも十分楽しめた事がこの作品の出来を表しているのかも。
総評。パターン化した展開と理香子の性格に嫌悪感を覚えない限りは人によって名作にもなり得る作品でした。
絵も綺麗だし、やって損はない作品。