設定や絵は素晴らしい…のだけど、その良さが上手く引き出せていなかったのが悔やまれる作品
昔のエロゲに描いていた頃と比べるとのいぢ絵も大分変わったなぁ…
忘レナ草の頃は無個性な感じ→ななついろで温かみのある絵→今はどことなく神聖さがあるようなイメージ。
どの時期の絵も好きですが。
さて、シナリオについて。
設定はホント素晴らしい。最後に全てのネタが分かった時には思わず鳥肌。
が、後半になるにつれて段々「勿体ない」部分が出てきます。
まず重要な場面でのキャラの行動。「普通はこう考える(行動する)だろう…」と突っ込みたくなる部分が多かった事はマイナス。
特に主人公。決して悪くはないのだけど、ライターの都合で色々とイジられた感があります。
個人的に好きなタイプの主人公なんだけど、葛木昌という人間がぐらぐらしていたのは良くない。
シナリオの中で重点を置くべき部分がサラっと流れている所もあったし、各ルートラストの締めはもっとしっかり書いてほしかったですね。
前半の日常パートに比べ、後半は駆け足になっている感があります。
以下は点数に関係しないことですが、トゥルーエンドで一部のヒロインが可哀想な事になっているのが悲しい。特に好きなヒロインだったので…
また、こういったシナリオ全体を通した大きな秘密がある作品は、どうしても個人ルートが終わっても分からない事だらけで「?」が残ってしまう。
この作品もどうしても「個人ルートは通過地点」と感じられる所があります。しょうがない事ですが…
…と、欠点ばかり書いたけど、個人的には始めたらルートが終わるまで一気に続けられるぐらいパワーのある作品だった。
また、プロフィール帳はとても良いアイディア。途中で設定を見直したりってのが出来るのは嬉しい。
他の作品にも出ないかなぁ。
何はともあれ設定と雰囲気はいいので、日常の空気が合えば十分楽しめるんじゃないかと。