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KYさんのマジカライドの長文感想

ユーザー
KY
ゲーム
マジカライド
ブランド
すたじお緑茶
得点
86
参照数
1030

一言コメント

アクションメインのバカゲーかと思いきや熱いシナリオにびっくり。こんなところで埋もれた良作に出会うとは

長文感想

始める前はシナリオはオマケなアクション主体のゲームを期待してたんですが…
いい意味で裏切られました。とにかくシナリオが熱い!
このゲーム、OHPのストーリーで明らかにバカゲーにしか見えない事で凄く損してる気がする(笑

あ、OHPのキャラクターページがまるで誤解を誘うかのような配置になってますが、
攻略可能なヒロインは巴弥onlyですので悪しからず。選択肢無しの一本道です。
Hシーンの数は巴弥が5、カナデとコトナがそれぞれ1。


☆アクション 評価:A

まず最初にOHPに書かれていない重要な事項を上げておきます。
・アクション「パズル」。よって頭を使わないとクリアできない
・ボス戦あり(全部で8体)。直接攻撃するシステムではなく、雑魚をぶつけたりアイテムをぶつけて吹きとばしたりと様々
・HP制。ただしボス戦でもない限り全く気にならないダメージ量なので、実質ほとんどのステージでは無いものと思っていい
・1ボタンで「ギブアップ」が出来、ステージ開始の状態に戻る事が出来る。ノーリスクな上、仕様でハマる事があるので多用する事に
・1ステージ10分の時間制限あり。ただしギブアップで元に戻る上にステージはそんなに長くないので時間切れでやり直すことはほぼ無い
・ステージは1話につき平均12×8話≒96(+クリア後のおまけ)ただ、ステージは分岐しているので実質抜けなければいけない数はこれより少ない
・謎解きが分からなければヒントを見ればほぼ絶対に分かるようになってる
・設定によって無敵モードにする事も可能
・アクションパートを飛ばすことは不可能なので注意

一応自分はキーボードでなんとかなりました。
ただ、僕がPC用のSTGや格闘ゲームも全てキーボードでプレイする人間なのであまり参考にはならないかな…
パッドは必須だと思っておいたほうがいいかもしれません。

自力で謎解きをしようとすると割と難しいのでハマりますね。
たまにアイテムが挟まって取れなくなってイラッ☆とする時もありますが。
一応無敵にできますが、このゲームでシビアなのはHPよりもむしろ敵を投げ入れたり飛んだりする精密な操作なので、
アクションが超苦手な人には抜けられない可能性があるんじゃないかと不安ですが…。

ボス戦も普通に倒すだけじゃなく、様々な工夫がしてあって良かった。
ていうか1・2話のボス戦とかSFCマリオワールドのクッパ戦にしか見えず…
ちょwwトゲゾーwwwwwアウアウwwwwwって思ったのは俺だけじゃないハズ。
一番熱かったのは7話のボスかな。こちらはロックマンっぽい感じで面白い。
逆にラスボスが弱い上にラスボスっぽくない戦い方だったのが残念。


☆シナリオ 評価:A+
評価を上げた一番の要因。

まず「燃え」のほうから。
序盤は「変身ヒロインモノっぽいモノ」な感じで進んでいくのだけど
悪のボスが出てくる辺りから真の「変身ヒロインモノ」に移行していく形に。
こういう感じの最初はヌルい感じで進み、途中から熱い展開に引き込む手法は好きだな。
最初から熱い展開で始まるよりも入り込みやすく、気軽に進められるのがいい。

悪のボスが、何かしらどこかでボケの入る登場人物たちの中で唯一?最初から最後まで狂った人物だったのが良かった。
やはりこういうキャラが1人でもいると話が締まります。

ただ、熱い展開は7話あたりが一番のピークで、最終章の8話ではギャグの空気が入っていたり、短くアッサリと終わらせてしまったのがとても残念。
ここさえ良ければ90点台は堅かったのに…
実際は短くなかったかもしれないけど、案外濃い内容で進んできたのでやはりその分キッチリと語って終わらせて欲しかったかな、と。

そして「萌え」について。
まずメインヒロインを1人だけにしたメーカーの勇気を称賛したい。
やはりこのくらいの長さがあるほうが物語に感情移入し易くていいですね。
まぁ、それが中だるみにつながるようなら減点要素になるんですが…

このゲームで中だるみを防ぐ手段になっていたのはやはりアクションパート。
そういう意味でもアクションが楽しくなかった場合は、全体的につまらないと感じる事が多いんじゃないかと。

肝心の巴弥との恋愛については平凡という他ないんですが(汗
とはいえアクションと燃えというインパクト強い2つの要素がある中で
恋愛は無難でも別に構わなかったですがね。

また、中盤以降もギャグパートがちょくちょく入っているのでそこまで重くならないのも○。
個人的に一番笑ったのはコトナがずっこけて…のところかな。


☆キャラ 評価:A

巴弥に関して言えば萌えられたかっていうと実はそんな事もなかったのですが…
それは巴弥に魅力が無いという訳ではなく、アクションにハマってキャラ萌えとかについて全く考えてなかったのが原因かと。
あぁ、でもロック(ラビトン)が真っ二つにされた際相手に泣きながらキレるシーンは
来るものがあったかな。

まず何よりも主人公のロックがカッコ良い!
ラビトン状態に比べたロックのムッツr紳士っぷりが特に。
カナデとコトナのシーンは襲われたり不可抗力だったりという流れだけど、
その最中でも巴弥の事を想って苦しむ描写は好感度上がります。
ただ、自意識過剰なのはともかくたまにセリフがクサい時があるのが玉に瑕。

サブキャラも見せ所のある魅力的なキャラクターたちばかり。
中盤、悪の仁義を貫く場面で魅せてくれるリサ様。
明らかに何か裏があるようにしか見えないカナデなどなど。
何故OHPに書かない!?と思うくらい良いサブキャラが
味方にも敵にもたくさんいるんですが、それはプレイしてからのお楽しみと言う事で…


とにかく未プレイの方に一番言っておきたいのは
アクションが楽しめないと全て楽しめなくなる可能性があるってこと。
とりあえず体験版をやってみて、自分に合ってるかどうか確かめることが先決。
それさえ良ければ、アクションと熱いシナリオに導かれて一気にクリアしてしまう事請け合いです。


どうでもいいけど巴弥の部屋着Tシャツのセンスに脱帽。