FLOWERS 春篇
・世界観
美しく幻想的で、そして儚い。ミッション系女学院を舞台に、不可解な謎と同性同士の恋愛感情という要素をうまく調和しながら、甘美でミステリアスな世界観を構築している。これは杉菜水姫による原画の功績だが、シナリオライターの貢献度もかなり大きいと思う。必要な表現と知識を細かく投下していった結果である。
・シナリオ
不可解な事件が起こり、蘇芳がそれを解決していく内にアミティエやとのほかの友人との親密度があがっていく。基本的には各章これの繰り返しだと思う。事件の解決に求めらるのはユーザーの推理力ではなく知識力であるので、あまりミステリーといった感じはしない。蘇芳が事件解決に奔走する中で、様々な人と関わりを持ち、価値観に触れて、一歩ずつ成長していく姿はよく描けていた。そして個別。マユリ……。うまくいったと思ったのに、なんでや……。あ、メガネはいいです。
・テキスト
非常に端正で読みやすいわたし好みの文章だった。この文章だったからこそ、FLOWERSの世界観は正常に構築されたと思う。この作品最大の美点。
・キャラ
マユリ一択。苺、林檎の姉妹やえりかなどもどこか憎めない可愛い子たちなので、恋愛に発展しなかったのは残念。えりかは夏篇で活躍してくれそうなので楽しみ。さぞ、あやねるも喜んでいることだろう。え、メガネ? 知らない。
あまり高い評価をつけなかったのは、マユリのラストが気に食わなかったことと、立花がひたすら要らなかったため。なんだろうなあ、立花は生理的に無理だった。
夏篇も買う。