minori新規はまずまずの評価になる。 けど夏ペル以降の作品を好んでプレイするユーザーは結構良い評価を下すであろう作品。 人を選ぶ作品と言ったところ。
攻略順は夕梨→シロネの順。
多分これがベストだと思います。
・プロローグ
罪ノ光ランデヴーと同じく、センターヒロインと付き合う→別れてリセットの流れ。しかもスッカスカの中身・・・ だと思ったけど今作は予期せぬ別れ。 しかも主人公の記憶喪失なので、夕梨・沙羅の幼馴染みリード分もリセットされるという。
なるほど、「書いてやろうじゃねーか」って事か。
ここで私は絶対楽しく読み進める作品だと思いました。
3ヶ条に縛られるロボットから、兄への複雑な心に悩む人間へ成る様が綺麗に書かれてるなぁと。随所に出てくるシロネへ教える人間の感情はシロネルート中にかなーり重要ポイントになるあたりもグッド。
カーチャンの拒否反応も、白音の親友の不信感も未だにアンドロイドが世間に浸透していない所を伺い知れた。この手のゲームは当たり前のように設定ブチ込んで来るから、安定のminoriと言ったところ。
サブキャラが脱ぐのもいつも通りですね。
私的にはハナコ先輩にも脱いで欲しかったデース。
・夕梨ルート
人生を諦めた少女を立て直す物語。
多分病名はALS(筋萎縮性側索硬化症)だと思う。テレビなどでも時々取り上げられてますね。プロローグ中からも瞬くんへの好感度は既にMAXな事が伺い知れます。
他の2人とは違い、瞬くんとの出会いが描かれなかったので何故こんなに仲良くなったのか知りたい所。トリノラインというゲーム自体、他のminori作品と比べてダントツに生々しいストーリーなのでそういう所を書いて欲しかった。
公式のお気に入り。 konomiさん原画だし可愛いもんね。ただ世話焼き同士が付き合っているので読む分には苦行かも。私も読んでてダルいと思った箇所もあったので、他キャラが好きな方はサクッとやった方が良いかと。過去minori数作に1人はいる「主題と関係なくイチャイチャするルート」ですので。
ただここに現れる先ほど述べた生々しさとは「人間に代わるアンドロイド」。
夕梨ルートに似てる例だと「銀河鉄道999」が近いと思われ。結局はどんな代役が現れようと人間としての関係は築けない訳です。人間として生きるって大切ですね。自分のコピーを取ると結局困るのは自分と言うのは沙羅ルートにも出て来るので、ここは構成の上手さが出ていました。
・シロネルート
人間×アンドロイドのインモラルな純愛ストーリー。
人間として生きてしまってはアンドロイドだけが取り残されるのは当然のこと。なら自分もアンドロイドになれば良いじゃない。とかいう誰もが考えつく発想。
けど結局は自分のコピーであり自分とは違う存在。そこで躊躇ってしまったが、未発達の技術に手を出しすぎてしまったがために... という内容。
当ルート中に沙羅の研究者としての一面が浮き出てくるのも、沙羅ルートに入るためにキャラを再認識させるためかな。ギャップについては後々語ります。
因みにシロネルート中では瞬くんの「沙羅はトリノになりたくないの?」という問に「私は私だもの。なりたくない。」と答えていますが、ルート終盤に瞬くんが入院中に「早くトリノになって」と一所懸命に訴えてきます。ここの沙羅から瞬くんへの感情も沙羅ルートで重要ポイント。
キャラクターの描写については全ルートの中で一番ではないでしょうか? スタート時には何も知らない子供のようだったのが、ED直前の終盤ではまさに人間。ヨスガ的な標準インモラルエンドではなく、minoriとしては久々(?)なバットエンドも新鮮さがあって加点ポイント。
と、ここまではminoriブッちぎり過去最高作&2017年トップレベルだと思いましたよ。ここまでは…
・沙羅ルート
もし瞬くんが記憶喪失にならなかったら… という内容(であってると思う)
とにかくいつも通りのminoriって感じ。
グランドっぽさが出ているのは確かだけど、ソレヨリノ前奏詩の永遠√よりかは盛り上がりに欠ける。だけど永遠√よりヒロイン目線のシーンが多い&シナリオが沙羅の過去にも触れるなど、沙羅の感情に左右される内容なので中途半端すぎる。
主人公に訪れるピンチはもう少し尺取った方が良かったんでねぇの?と思った以外は満足でしたので、いつものminoriが好きな方は楽しめるルートだと思いました。
デレ後が可愛すぎ最高。
•総評
絵師ゲー。声優ゲー。
以上。
終わりっ!