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K@SさんのキサラギGOLD★STARの長文感想

ユーザー
K@S
ゲーム
キサラギGOLD★STAR
ブランド
SAGA PLANETS
得点
71
参照数
280

一言コメント

軽いファンタジー要素の入った普通のキャラゲー

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

とりあえず個別ルートの感想から

命√:
命ルートの話は大きく分けて、二つあり、
一つ目の話は、母親(正確には育ての親)が、命のことが心配であるために、
なかなか恋人と結婚できないでいたので、命はそのような我慢を母親にしてほしくないため、
結婚できるような環境を調えるために努力する話で、
2つ目は命にあこがれていた冬理がある時命が異母姉妹だと知り、
自分の母親が傷ついているのは命のせいだと思うようになり、
冬理が命を批判するようになり、それを解決していく話になっていました。

このルートのシナリオの評価としては全体的に不可もなく可もなくといった感じでした。
冬理との問題が意外とあっさり終わってしまって、あれで終わりと思ってしまったが、
まあ、この姉妹が仲良くなったから別にいいと言えばいいんだけど、
個人的には、仲良くなった後の冬理と命の描写をもっと見たかったですね。

冬理(サブヒロイン)√(命攻略後に解放されます):
命ルートの仲直りした後の冬理もかわいかったが、
このルートの冬理はそれ以上の破壊力でした。かわいすぎます。
命√では分からなかった冬理の心情が描かれていたので、
冬理がどういう思いを知ることができると言う意味で、このルートのシナリオはよくできていました。

沙弥√:
やはりメインヒロインということもあってシナリオの出来は命√に比べて、よくできていました。
このルートでは10年前にどのようなことがあったのかが明らかになります。
このシナリオ終盤の沙弥をつれもどすために主人公がギターを弾くシーンはよかったです。
(不満点があるとしたら、そのときの主人公の立ち絵をもう少しかっこよく書いてほしかったですね。)
二見(主人公)が作詞した曲が挿入歌として、登場するのですが、
最初はこの曲はどうかなとは思っていたのですが、
限定公開されたこの曲のShort Ver.を聞いてみたら、
何度もこの曲を聞き返してしまい。この曲には中毒性があると思ってしまいました。

翼√:
翼のしぐさがとてもかわいかった。それだけです。
シナリオの出来に関しては特にコメントすることはないですね。
あえてするなら、特待性なんだから、月詠祭を放棄したら駄目でしょう。さすがに。
それと一部のHシーンの場所はもう少し選んでほしいと感じました。


いちか√:
このルートの話の中心は何といっても
妹という立場から恋人という立場にかわることに対するいちかの心の葛藤ですね。
(主人公はいちかの本当の兄ではないです。主人公は新田家にもらわれた子なので、お間違いなく)
思いの強さだけでもう一人のいちか(にちか)に勝てるのかというところに疑問がないわけではないが、
いちかのかわいいところもあったので、
プラスマイナス0ということで、気にしないでおきます。
あと、このルートで、主人公が重度のシスコンであることを確信した。
主人公の中での妹のイメージがすごいことになっていた。(羽が生えているように見えるって)
銭湯でのやり取り(いちかと男湯に入るシーン)はさすがに内容的にどうかと思いましたね。
ライターは何がやりたいのかさっぱり分からなかったですね。

英子√(サブヒロイン):
このルート10月5日から分岐するのですが、なぜかよくわからないが、ギャグ要素満載でした。
ということもあり、他のルートに比べ、異質な感じでした・・・

奈々子√(サブヒロイン):
このルートの中心はピアノを弾く本当の意味について見出していくということでした。
内容は割とありふれた内容なので、そんなに期待しない方がいいと思います。

True√(上記のすべてのルートをクリアしないと解放されません):
まずこのルートでは、主人公が失っていた自分自身の夢を思い出し、
徐々にそれの実現に向かって、努力し、
最終的にそれを実現させる主人公の姿がメインに描かれていました。
このルートでやっとなんで新聞がなかったり、
周りの人たちがなぜ主人公にタイムカプセルのことをかくしていた原因がようやく判明します。
いろいろなところの情報では、蛇足で、なくても良かったなどの意見があったので、
あまり期待していなかったのですが、意外とこのルートも楽しめました。
ギャグ要素も盛り込まれていたし、
他の人がどう思うかは別として、そういう遊び心は好きだなあと感じた。

共通点としては、基本的にどのルートも10月5日前後に第一の山場が来た後に、
各ヒロインと恋人になり、更に10月20日の学園祭で第二の山場が来て、
それをのりきって、ENDINGといった感じの構成になっていました。
あと、サブヒロインの√は短めです。

この作品の根幹に直接関係するルートは沙弥√といちか√、英子√なので、
この作品を楽しむには
先にこの3ルート以外をプレイし、
その後に沙弥およびいちかルートを攻略し、
その後に英子√を攻略して、最後にTrue√をプレイするのが
いいかと思います。

面白かった順は
沙弥>いちか>翼=命
といった順ですね。

余談ですが、おじいちゃんみたいっていわれる主人公もそうはいないですよね。(笑)

次に主題歌、挿入歌、BGMなどに関してです。
これに関してはどれも良かったと思います。特にOP、EDのどちらも私のお気に入りです。
不満点があるとしたら、挿入された音楽があまりシーンとあっていないものがあったので、
このタイミングは他のBGMの方がよかったのではないかと思った。

CGはほとんど良くできていたと思います。
いちかちゃんの立ち絵(特に振り返っている姿の立ち絵)に関して、
最初はかなり違和感がありましたが、
最終的にはそれほど気にはならなくなりました。慣れって恐ろしいですね。(笑)

音声面に関してですが、これに関しては不満点がいくつかありました。
一部のセリフで完全に再生されず、途中で再生が終了する部分があった。
ただし、サブキャラの音声なのでどうでもいいと言えば、いいんですがね。
また、高い又は大きい声が再生される際、一部で音割れのような現象があった。
ヘッドホンしてプレイしていたので、気になってしょうがなかったです。

この作品の出来を点数化すると、以下のようになりました。

総合点:71点/100点
(詳細)
シナリオ点:41点/60点
グラフィック点:15点/20点
キャラクター点:8点/10点
音楽・音声点:7点/10点

いろいろと述べてきましたが、
この作品位置づけとしては軽いファンタジー要素の入った普通のキャラゲーといったところだと思います。