ジャンルで言うとバカミス…になるのか?
おそらく前作で言うところの“ラクガキ”ポジションが、『主人公の腕』と『プレイヤーとゲーム間の時代のズレ』の部分だったと考えられる(音楽の盛り上げ方からしても)のだが、これがそこまでインパクトがなかったというか…この程度なの?となってしまった。
『主人公の腕』のほうはエロゲならではの『右手の運動』という隠語によるミスリードがあって、ギリギリバカミスとして成立しているが、後者はまともに日本史やってたら途中で調べちゃうし、そこでピンッときてしまうわけで。
終盤もやけにあっさりしていて、使い古された親殺しのパラドクスで解決されるんだけど、加藤の言う通りに2年後に飛んだ方が物語に広がりが出て、伏線も作りやすかったのではないかと…もったいない。
エピローグに関してはもう完全に『BTTF2』で、母親からのメッセージは米澤穂信の『ボトルネック』と既視感のオンパレードだった。
そしてオチは大正に残したキャラクターの努力で、この令和が出来上がったというものだったのだが、これまた納得できない。
こういうこともまともに日本史やってたら少しは考える話で、大正以降の日本の歴史ってそんなに誇れるものだったのか。
ましてや未来人である主人公の助言も幾分かあったわけで、その結果が令和なのかと思うと何の感動もなかった。
まあでも元号の話も所詮はギミックの一つで、作者がそこまで考えてるとは思えないのでこのあたりで。