個々のクオリティは低くありませんが、個人的に合いませんでした。
アマツツミ、アオイトリとパープルさんのタイトルを遊んだので、流れで本作も
やってみることにしました。
内容を要素別に評価します。
※点数は(得点/満点)で記載しています。総評の点数は(合計得点/満点)です。
【本レビュー時の本体バージョン】1.03
【ゲームシステム】(5点/5点)
普通のADVです。選択肢は少なく、直接分岐に関わるものに絞られています。
なお、最終ストーリーについてはロックが掛かっています。
【環境回り】(7点/10点)
プログラム回りは自社開発と思われます。
BGMの音量をあまり細かく調整できないのは前作から変わらずです。また、テキストの
デフォルト設定の色があまり見やすくありません。
機能的には大体の方が不便しないだろうと思いますが、他ブランドのUIが洗練されて
きているため、やや時代遅れな感じが出てきてしまっています。
【キャラクター/声】(11点/15点)
ヒロインはそれぞれキャラ立ちはしているのですが、個人的には好みと言える程の
ヒロインはいませんですた。ただ、咲月に関してはとてもいい子だと感じました。
主人公については、踏み込みにくいところにあっさり踏み込んでいきます。この言動
には一応、作中で理由付けがされています。展開の早さを求められる昨今に合わせた
結果かも知れません。自分には少々合いませんでした。
【立ち絵/CG/演出】(11点/15点)
立ち絵やCGのクオリティはいつものパープルさんという感じですが、むちゃ先生の原画
は人によって好みが分かれそうです(個人的には月杜尋先生に戻ってきて欲しいです)。
解像度はHD(1280×720)です。プログラム回りが自社開発のため難しいのかも
しれませんが、そろそろフルHDに移行して欲しいです。今作では演出としてスマホで会話
する場面が専用UI表示になりますが、文字が小さく見づらいため余計にフルHD対応して
欲しいと感じました。
その他演出面では、アマツツミと同じく背景の水面が動いていて、地味に手間を掛けて
います。ただ、立ち絵の眠のおっぱい揺れはやりすぎだと感じました。
【シナリオ】(25点/35点)
アライブという架空のスマホアプリを中心に物語が構成されています。
話自体は伏線も回収され、素材も悪くないとは思いますが、「話の繋げ方」「伏線の回収
方法」「場面ごとのテキスト配分」など疑問に感じる要素が少なくなかったです。
一言でいうと、自分の感性には合いませんでした。
前々作のアマツツミや前作のアオイトリのシナリオがよい出来だったので、比べてしまう
と分が悪かったと言えます。
【Hシーン】(7点/10点)
本作から一部のキャラ(克先生担当分)に薄めの陰毛描画が入っており、前作より更に
攻めてきています。ただ、原画家ごとに有無を分ける必要性は疑問に感じました。入れる
なら入れるで統一しても良かったように思います。
Hシーン自体は実用性も狙ってきているエロい内容ですが、シナリオの出来が気になって
テキストをじっくり読むどころでありませんでした。
【OP/ED/BGM】(7点/10点)
BGMはシナリオ内容に合わせて電子音が効果的に使われ、タイトルも工夫されています。
ただ、これも個人的な好みになってしまいますが、特別気に入るような曲はなかった
です。
【総評】(73点/100点)
個々の要素のクオリティは決して低くないのですが、どれもこれという魅力に欠けて
いるように感じました。久しぶりにテキストを読み進めていくのが作業化してしまい、
正直、お勧めしにくいタイトルでした。