いろはちゃんが可愛くシナリオの体裁も一応整っています。ロープライスということで止む無しですが、あまり世界が広がらないまま終わってしまうので本作1本ですっきり終わりたい方は回避推奨です。
SWEET&TEAから原画がとな恋のもとみやみつき先生（あめとゆき先生はどこに行った？）、
シナリオがオトメ＊ドメインのNYAON先生のゲームが発売ということで買ってみました。
内容を要素別に概観していきます。
※点数は（得点/満点）で記載しています。総評の点数は（合計得点/満点）です。
【ゲームシステム】（9点/10点）
選択肢を選ぶ方式のオーソドックスなADVです。
途中いろはと佳菜のどちらとHするかの分岐はありますが、エンディングは1つだけです。
選択肢の選び方によって、エンディング後におまけでハーレムシーンが見られるようになっています。
【環境回り】（11点/15点）
スクリプトエンジンは吉里吉里Zです。
クイックセーブ/ロード、バックログで戻るやボイスのリピート、次の選択肢に進むなど最近の
タイトルによくある機能はあります。
ただお気に入りボイス機能は用意されていません。いろはちゃんのキャラクター的にあって
欲しかったですが、ロープライスなので仕方ないですね。
また、細かいことですがクイックロードはタイトル画面からもアクセス可として欲しかったです。
【キャラクター/声】（11点/15点）
いろはちゃんが素直で可愛いので好きな人には刺さりそうです。
ただ、付き合ってもない幼なじみとセックスしてしまう意志の弱い主人公には嫌悪感を抱く人が
いそうです。この辺りはいかにもNYAON先生らしいです。
【立ち絵/CG】（13点/15点）
立ち絵、CGともに崩れは少なく塗りも綺麗でいい感じとなっており、ロープライスとしては
とても満足です。
【シナリオ】（13点/20点）
ファンタジー要素を含んだシナリオがロープライスで収まるのかと懸念していましたが、
一応体裁は整った形で終わってくれました。
また登場人物の親たちは何かしら問題を抱えているのですが、その辺りは未解決のまま終わり
自分たちの幸せを見つけて行く今後を予感させるところで終わっています。
ヒロインがいろはだけならもう少し色々触れたシナリオを作れたのかもしれませんが、
メーカーとしてそこまで博打は打ちたくなかったということでしょう。
全体に割と深刻なテイストで書かれており、何も考えずにいろはちゃんの可愛さを堪能できる
という感じではないので、どういう層がターゲットになっているのかは曖昧な印象です。
【Hシーン】（10点/15点）
いろは/佳菜が2回ずつと左記ヒロインとの3Pが1回の合計5回です。
当然というか、いろはちゃんとはじゃれ合いの延長線上で動物的なセックスをする感じになっている
ので、好きな人には刺さりそうです。
ただ、テキスト量はそれ程ではなく割とあっさりした描画なので個人的にはあまり使えませんでした。
【OP/ED/BGM】（8点/10点）
OP/EDは共通で1曲です。
BGMは18曲とロープライスとしては多めに用意されています。鑑賞モードもあります。
BURTON氏によるBGMは枠を超えて主張しすぎな面もあるのですが、フルプライス並みの
クオリティとなっており充実しています。
今まであまり手掛けておられないようですが、西欧風の曲調を得意とされているので
中世辺りが舞台のファンタジーの方が相性は良さそうです。
【総評】（75点/100点）
設定的に一抹の不安を覚えながら買いましたが、一応まとまった形で終わってくれました。
ただ、ヒロインが2人に立ち絵のあるサブキャラが3人、話も設定的にどんどん広げていけそうですが
ロープライスということで広がり切らないまま終わってしまっています。
メーカー側としては売れ行き次第で続編を出したい意向のようなので、この辺りは意図的と
いうことでしょう。
個人的には続編もやってみたいですが、メーカー側がリスクを取らなかった結果として本作は
どういう客層がターゲットになっているのか曖昧な印象で、発売日以降はあまり売れずに
終わってしまうのではと懸念しています。ロープライスの難しさを再認識させられた1本でした。