シナリオ・エロともに一定水準を満たした良作。「絵買い」をしても、そんなに落胆しないで済むと思う。ブランド休止で、続編に期待できなくなったのは残念。
筆者が初めて「絵買い」をした作品です。絵師は大槍葦人さんという方なんですね。
絵買いは地雷への道だと思って、ある程度は覚悟していたのですが、本作については、失敗だったとは思いません。
シナリオ・エロともに、十分に楽しめる水準でした。
前半はHシーンばかりです。紳士風だった主人公は意外に鬼畜な人物で、筆者の予想より羞恥系が多い印象ですが、
とにかく大槍氏の絵が見られたので満足です。この人の絵は、焦点が定まらない目とか、いろいろと独特ですね。
個人的には、お互いに恋愛感情がない状態での、ぎこちないHシーンを充実させた方が、面白かったと思います。
原作では、あっという間に羞恥プレイまで進むのですが、主人公側に罪悪感と言うか、背徳感がほとんどないのは、
「教師が教え子を抱いてしまう」という設定の魅力を減殺してしまったようで、惜しいと感じました。
主人公の変貌ぶりについては、「Hのときは結晶(媚薬?)でハイになってる」という説明が付けられていました。
でも、いつでも鬼畜だったような(笑)「感じたほうが吸収効率が上がる」という理由をもっと前面に出しておけば、
Hのエスカレートを正当化できるのですが、やっぱりエスカレイヤーの真似と言われるのが嫌だったんでしょうね。
シナリオは評判が良くないようですが、筆者は実際にプレイしてみて、言われているほど悪くはないと感じました。
確かに、個別シナリオ自体がかなり短いですし、いろいろ張ってみた伏線も回収しきれてはいないようです。
が、それぞれにヒロインの感情が揺れる場面があり、盛り上がる場面もあり、最後は収まるべき所に収まっています。
「清純可憐な少女騎士をHで育てる女学院ADV」としては、これで十分ではないでしょうか。
それに、実際に感動巨編のシナリオが用意されていたら、前半の羞恥プレイが浮いてしまうと思われます。
ただ、世界規模の戦争をしている設定の割に、エンディングが中途半端だったことには、ちょっと考えさせられました。
筆者は、本作の評判が良ければ、同じ世界観で何作か続編を出して、そこで伏線を回収しようという意図があるのでは
ないかと踏んでいたのですが…。それだけに、ブランド休止で、本作の続編に期待できなくなったのは残念です。