いやよいやよも好きのうち。ダメと言われたことほどやりたくなるのが人間さ!
Win7(64bit)で通常版をプレイ。1.01パッチの内容が反映されているかどうかが怪しかったため、
念のためパッチを当ててプレイ。1回だけフリーズしたが、それ以外は問題無く動作。
この作品はプレイヤーに実に多くの制約を投げ掛けてくるのだが、それらを決して甘受せず、
逆にダメと言われたことを天邪鬼にやってしまう私のような捻くれたプレイヤーの存在もきちんと
想定している。そしてそんな私に対して、思わず試してみたくなる数々の仕掛けを確信犯的に
用意し、隅々まで楽しませようとする本作のエンターテイメント性の高さを私は高く評価したい。
以下、とりあえずネタバレにならないところからレビュー。
まずはキャラ画とエロについてだが、2人のヒロインはどちらも可愛い。そして丁寧な塗りの元に
光沢感を付与されたむっちむっちぷりんぷりんの下半身が何とも魅力的である。エロシーンは
合計10個あり、メイドコスプレプレイと3P二穴同時挿入プレイは個人的にかなりツボに嵌った。
従って、本作のおかず作品としての特徴については強くアピールしたいところだが、回想シーンの
使い難さを考えると、どうしても胸を張って推薦できない。この点に関しては、本作の仕様上、
仕方の無いことなのだが、個人的には少々不満の残るところである。
次に本作のシナリオについて。本作の物語は基本的に一本道であると言って良く、美雪ルート →
アオイルート → … → といった感じで話が進んでいく。単に話の内容だけに着目するならば、
美雪ルートは特筆すべき点の無い平凡な学園青春恋愛モノであり、あまり面白味は感じられない。
しかしアオイルートの後半以降から物語は急激にダイナミックに変化し、その後は驚愕の展開と
演出が待っている。この辺についてはネタバレパートで後述する。
最後に未プレイの方に対して。本作は「Ever17」や「書淫」と並び、ネタバレを食らってしまうと
面白さが大きく減退してしまう類の作品である。従って、本レビューのこれより先の内容も含めて、
クリアまでは情報隔離されることを強く推奨したい。
(以下、ネタバレあり。ご注意下さい。)
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<最もビックリした演出。そして色んな隠し要素>
アオイルートの最後で「はっぴーばーすでいぃぃ↓↓」の音声とともに強制終了&再起動して、
UIが大きく変わったバージョンに突入する展開には、初見次、かなりビックリさせられた。
そしてこうした未知の演出をふんだんに盛り込んでプレイヤーを驚愕させてくれる本作に対して、
私の期待は鰻登りに高まっていった。
また、ループ突入後にゲーム終了した後に流れるノイズの演出も、最初見た時は非常に驚いた。
当初は、深夜番組終了後のノイズに紛れる心霊現象をオマージュした演出だと思っていた。
何か言っているのは分かるのだが、それが何なのかは分からない。この現象が何なのかは後に
分かるのだが、それまでは何とも不気味な演出として、私の脳裏に留まることになった。
しかし最もビックリしたのは次の演出である。ループ生活に少し変化が見られ、美雪と共に学校の
屋上に到着しスマフォを掲げた辺りで、私はリアル事情によりゲーム終了した。しかしいつも
流れるノイズ演出が何だかおかしい。ノイズに紛れた音声がだんだんクリアになり、あやふやな像が
だんだん実体化して、アオイの姿がはっきりと映し出された。この一連の演出の間、私の心臓は
滅茶苦茶バクバクしていたのと同時に、物凄く興奮していた。文章で伝えるのは難しいのだが、
とにかくこの演出は、かつて流行ったビックリ系FLASHに優るとも劣らない演出だった。
上述のように、思い掛けないところで偶然遭遇したに過ぎないこの演出と内容によって、それまでの
ノイズ演出の真相が明らかになる。そしてその後、初回プレイをクリアした私は、各種の攻略情報を
躊躇無く参照し、本作におけるこうした隠し要素を探すことに奔走することになった。
セーブデータを複製し、ループ突入後に戻る。何回も撲殺されながら、美雪の哀願を頑なに退ける。
かと思いきや、手の平を返したように、美雪に愛の言葉を延々と囁く。またはアオイ消失直後に、
チートコードやアオイ復活ナンバーを入力し、美雪やアオイの阿鼻叫喚の悲鳴を聞く。
隠し要素については、ネット上にまとめ情報が転がっているので、ここで全てを紹介することは
割愛するが、上記のような行為は、これら隠し要素を回収するためのほんの一端に過ぎない。
いずれにしても私のこうしたプレイは、美雪に対する裏切りであり、アオイに対する冒涜であろう。
美雪の、アオイの、心一の、「ダメ!」「やめて!」という声が、あたかもリアルに聞こえるかのようだ。
しかしながら、そんなの知ったことか。このようなやり込み要素を用意するNitroPlusが悪いのだ。
私のようなプレイヤーは、作品を隅々まで骨の髄までやり尽くすことに恍惚を覚えるのだ。
そしてこうしたプレイこそが、作品に対する自分自身の真の愛を表明することに繋がるのだと、
ゲームの魅力に取り付かれて以降、私はそう確信してきたのだ。今更プレイスタイルは変えられない。
結果として、本作のプレイには26時間を費やした。隠し要素の全てを確認するまでには至らなかったが、
私自身としては本作を十分にやり切った感で満ち満ちたまま、プレイを終えることができた。
私のようなプレイヤーに対する満足度提供を、きちんと考慮し、応えきってくれたNitroPlusは、
真にしたたかなメーカーであると言えよう。今後の作品にも期待したい。
<おまけ:本作をより深く楽しむために>
アオイENDの後、余韻に浸りながら私は、たっちーの「魔人星四郎」シリーズを続けてプレイした。
このエロゲ史上最も鬼畜な作品群は、ヒロインが主人公に陵辱・虐待・拷問され、阿鼻叫喚の悲鳴を
叫び続けることに定評がある。私はそんなゲームの世界においても、アオイの魂や記憶が、
ヒロイン達に受け継がれているのか否かを確認したかったのだ。
結論としては、そんなアオイの想いの断片を垣間見ることは失敗に終わった。だってヒロイン達は
本気で苦しんで泣き叫ぶだけなんだもん(苦笑)。そんな歪なゲーム世界で、「俺」とアオイが
再会しているなどとは、やはり考えたくないことである。
従って、本作でアオイENDを見た後は、できるだけハートフルな作品に手を出すのがベターだろう。
そうすればおそらく、本作で見られたアオイが、それらの作品のヒロインに息づいていることを
感じられるのではないだろうか。