思ったよりシンプルなシステム、思ったより遥かに素晴らしいシナリオ
説明書などを見ると一見複雑な攻略システムにも思えますが
実際は結構シンプル(それでも普通の作品よりは凝っている)であまり詰まらずにクリアできて良かった
ストーリーの大部分で笑って泣ける本当に素晴らしいシナリオで、端的に言って滅茶苦茶良かったです
クリア順ですが
まず精神(静香)は他ルートと比べると全体的に落ち着いたノリですが、中盤の夢の中の悪魔に乗っ取られる場面が
緊迫感があって中々良かった。ただlast endルートだと即退治されてしまうのが少し残念
終わり方は所謂死別ENDでありながらも暖かな余韻を残してくれて、この作品の中では一番好きなENDになりました
感情(梨奈)は静香ルートとは打って変わって抱腹絶倒の怒涛のギャグ描写で滅茶苦茶笑わされました
後のまりあルートを含めて、クズと愛すべき馬鹿の間を反復横飛びする滝川先生がめっちゃ好きです
そして終わり方は色んな意味で反則。最後の最後で唐突にアレをぶっこんでくるのは本当に反則。だが泣ける。
眼鏡をかける方のENDとの対比も素晴らしい。最後に先生の靴も写るのは読めてたし
あのCGも単体では何の変哲もないのですが、last endの内容を踏まえた上だと見ているだけで涙が出てくる
主題歌「FLY-AWAY」の最後のギター演奏の部分との相性も抜群で鳴り終わるまでずっと画面を眺めてました
生命(まりあ)はギャグ描写は梨奈ルートに負けず劣らずで笑えたのですが
他ルートと比べて明らかに短くて内容もおまけっぽさが溢れているのが残念でした。唯一last endが無いし……
まりあと薫の2人はむしろ梨奈ルートの方が魅力的に感じたのも悲しい
過去(遥)はメインルートだけあってかなり気合が入れられていた
終盤のどんでん返しの連続には驚愕させられました
明らかに中嶋を怪しいと思わせておいて、違うのか?とも疑心暗鬼させる辺りは中々上手い
最後に主人公が中嶋の想いを知って、どうする事も出来なくなってしまう場面が強く印象に残りました
そしてヒロインの遥がとても魅力的
エロゲーでありながら義妹でありながら主人公と結ばれる事のないヒロイン
それでも納得せざるを得ないような説得力を持って描かれているシナリオだったと思いました
ENDはどっちも好きですが、happy birthdayENDの方がより好み
最後の中嶋との会話、兄としての誇りを胸に消えていく主人公が素晴らしかったし
なにより生き神の祝福の言葉が強く胸に残ったのが要因
このようにシナリオ面では本当に素晴らしい作品なのですが見逃せない欠点も多々有ります
シナリオ面だけではなくテキストも印象に残るような場面、台詞が多いのですが
同時に同じ文章をやたらと繰り返す場面も悪い意味で印象的だったり
梨奈ルートに入る為には滝川に何度か会っていなければならないのに
初めて滝川に会ったような反応を主人公がしたり
既読スキップが存在せず未既読一括だったり
まぁこれらは発売した時代のせいにも出来るのですがエロシーンの音声だけは擁護不能
明らかに適当なAVから音声抜き出してるだろ。悪い意味で斬新過ぎる
事前に情報は掴んでましたが実際聞いてみたらやはり面食らいました
あと系列メーカーなのか以前やった「黒い波紋」のBGMが大部分で使い回されていたのも個人的には難点
源田という方は黒い波紋のスタッフロールにも名前があったような気がするし
とは言えこれらの欠点を考慮してもなお余りあるほどの傑作なので是非たくさんの人にプレイして欲しいと願う
以下自分の頭が悪いので分からなかった事
梨奈ルートで静香っぽいキャラが主人公を蘇らせる際に出て来たのは何故?おまけの極電網見れば分かるの?
主人公の他に石集めを行った3人は占い師とノストーラ・アダムスとトヨキ君?
one & fourというタイトルには生き神(one)と主人公も含めた石集めを行った4人(four)もかかってる?