ここまで綺麗にまとめるとは思わなかった。かずきふみは天才である。
◆シナリオ
・ループについて
本シリーズのようなループものにおいて、重要となるのは決着時の他の世界線の扱いである。
特に本作では分割商法により、各ヒロインの『枝』によって事件・問題の解決状況が大きく異なっている。
つまり、後に発売された作品のシナリオ展開によって、前の『枝』の結果が否定されるようば状況は好ましくない。
本作においてはその各『枝』の存在意義を明確にできており、この点は大幅な加点対象となると思う。
・『ナイン』について
プレイヤーが主人公を介して物語を操作するという設定も、このシリーズを面白くしていた。
敵味方、両者が時間を巻き戻せ、様々な『枝』を行き来できる状況となると、更に上位の存在(=観測者:プレイヤー)の介入が必要である。
プレイしていて自分が物語に介入していると感じられる素晴らしい要素となっている。
・演出等について
物語に引き込まれるような演出が途中のEDムービーを始め、随所にあった。
状況が逆転する際も、苦しい場面との対比が良く表現されていた。
かずきふみ先生お得意のトリックも光る。
事前にちゃんと説明されていたことも、読み進めていくうちに、どうしても意識から離れてしまうの。
こういうところもさすがである。
◆キャラクター
シリーズの作品をプレイしていたときの期待を上回る可愛さだった。
希亜の可愛さをこれでもかと言うほどに引き出せていたと思う。
◆グラフィック・システム等
グラフィックは素晴らしい。さすがはつばす先生といった感じ。
システム面に不満もない。
◆総評
とにかく素晴らしい作品だった。
文句の付けようがありません。