ErogameScape -エロゲー批評空間-

Henri_Peroperoさんの神楽幻想譚 ~妖かしの姫~の長文感想

ユーザー
Henri_Peropero
ゲーム
神楽幻想譚 ~妖かしの姫~
ブランド
でぼの巣製作所
得点
79
参照数
1225

一言コメント

最初は楽しくプレイしていた覚えがあるが、クリアした後の達成感がどうにも微妙。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

でぼの巣製作所神楽シリーズ第三弾。
ローグライクライク RPG 。
 
 
●ゲームシステム
 
ダンジョンを脱出してもレベルが維持されるシステムになり、
従来のローグライクとは似て非なるゲーム性に。
 
難易度は、前作と比べると大幅にヌルくなった。
とはいえ、何も考えずにクリア出来るというわけでもなく、
ほどよい難易度に落ちついているのかなという印象。
何故かハードモード廃止。
 
前作でストレスを感じた部分がかなり修正されている。
キャラ交代の無償化、アイテム欄の拡充、バステ付与の食糧を投げられる、等々。
難易度軟化の一因にはなっているが……。
 
妖怪を捕獲し使役出来るシステムが新規登場。
捕獲がまず面倒、特に命令は出せない、 AI の挙動が悲惨、
とまぁストレスの溜まる仕様になってしまってはいるのだが、
満腹度と引き換えに仲魔を召喚するシステム自体は面白くなりそうに感じる。
次回作での改善に期待か。
 
敵の攻撃バリエーションも増加。
河童などは前作と比べ完全に別物となっているし、おちみずのような新能力も登場、
前作以上に道中は一筋縄でいかなくなっている。
 
ボスも、前作同様、各ステージの最後に待ち受けている。
が、今作は、これが無駄に堅い。しかもただ殴り合うだけになりがちな攻撃パターン。
終盤のボスになると搦め手も使ってくるが……。
レベル維持や仲魔の召喚に伴って、バランスを調整した結果なのかも知れないが、
とにかく面倒だしダレるし面白くない、というのがボス戦の素直な感想である。
 
クリア後のやり込みダンジョンも用意されているが、未プレイなので割愛。
 
 
●シナリオ
 
酷い、の一言。
 
話自体はそう悪くないのだが、ゲームシステムと致命的に噛み合っていない。
人間関係や心情を描写してナンボという題材なのに、
ダンジョン間の僅かなやり取りしかないので、話に没入することも感情移入することも出来ない。
 
ラスボスも、小者臭漂わせながらろくな描写もないまま最終決戦へなだれ込むので、
え? これで本当に終わり? という感じ。エンディングに入った時は些か唖然とした。
 
マルチエンド全 5 種類なのもかなり微妙。
周回は半端に面倒な上に、アイテムがグレードアップしていくわけでもない。
展開が変わるかと思えば、ほとんど同じで、ダンジョンやボスは変わらない。
また、ヒロインルートに入る為に負けなければならない、というのも、あまり快い条件ではないだろう。
最後に解禁されるルートでも、
どんでん返しがあるわけでも真のラスボスがいるわけでもなく、なぁなぁ円満解決で終了。
全くの不要要素。
 
プレイしていて不快感すら抱くレベルというのは言い過ぎか。
とにもかくにも酷いの一言である。
 
 
●エロ
 
神楽シリーズなのに巫女じゃない(
それ以外はいつも通り、という感じ。
 
妖怪による種付けです。人型、液体、触手、様々取り揃えております。
即堕ちです。アンアン喘ぎます。
純愛エッチもあります。
山本絵です。美麗です。稀に勃たないレベルで崩れているのは愛嬌の内です(
 
サトリは今作みたいなのがイイと思います。
なりすましには、ドッペルゲンガー(月神楽)のような凌辱を期待したので、ちょっと残念。
 
 
●総評
 
ゲームとしては、楽しく遊ばせてもらったし、制作側の努力も感じるので、得点はそこそこで。
しかし、壊滅的なシナリオ、前作ほどはのめり込めないこと、と不満も少なくない。
 
神楽シリーズの新作も企画が動いているらしい。
ローグライクかどうかも現時点では不明だが、
今作の不満点が解消されたより良いゲームになることを願いたい。