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Hanashigureさんのソルフェージュの長文感想

ユーザー
Hanashigure
ゲーム
ソルフェージュ
ブランド
工画堂スタジオ
得点
70
参照数
1078

一言コメント

■百合会へようこそ!?

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

スール制ではなくて、チューター制。
姉の呼び方は「お姉様」ではなくて、「姉様」。
生徒会長に称号は無く、人数は一人だけ。

気弱な主人公『かぐら』は、このような女学園で、ぬるい試練を乗り越え、
愛!?を成就させることができるのか? ・・・


 プロローグ。 これが曲者です。

幼少期からのフォルテール(架空の鍵盤楽器です)の縁により、
中等部入学時に、『かぐら』のチューターとなった『すくね』。

一年後『かぐら』は、父親の転勤に伴い、外国へと行ってしまう。
それでも、高等部入学時に、学園へと戻ってくる。
『すくね』と再び、時を過ごすために。

しかし、『すくね』は『かぐら』のことを、覚えていないのであった。

ここから、三つのルートに分かれます。


 『すくね』ルート。

周りに助けられながら、障害を乗り越え『すくね』との関係を取り戻す。
本道ですが、いささか平坦過ぎなのでは。

最後の『すくね』が審査員?でありながら、コンクールに出場する場面。
問題が出ないわけがないでしょう。

だいたい、名手『すくね』がフォルテールを弾けないなんて、
狭い世界のことだから、誰も知らないわけがないでしょう。

エピローグの甘い時も、もっと描いて欲しかったですね。


 『ちほ』ルート。

親友との関係。
無くてはならないものなのでしょうが、定番だから入れたって感じもします。
『すくね』の謎を放っておくことへの、納得するシチュエーションが見あたりません。

身近な所にある幸せも大切に、ってことなんでしょうか?


 『まり』ルート。

これが一番おもしろい。
強さと弱さが同居する、理解しづらい『まり先輩』。
ツンデレっぽくて『かぐら』とのやりとりに、ほのぼのします。

他人を理解することの難しさ。それを乗り越えた時の新しい関係。
実践するのは、たぁいへんなんでしょうけどね。

でも、コンクールで逃避する場面は、いただけない。
これといった伏線が無く、唐突過ぎます。


最後の卒業する『すくね』との別れのシーン。
『まり先輩』との甘い生活に溺れたのか、何も解決していない。

いいのか!それで!!



 乙女同士の複雑怪奇な関係を描いた、コンサート付きの短編集。
 貴重な百合系の一品です。


※歌は、それなりにいい曲ばかりなのですが、全て同じ曲のように聞こえます。
 ルートにより、違った感じが出せなかったものでしょうか?
 また、音に合わせてキーボードを叩いても、おもしろくありません。

※フォルテールを演奏する時の『まり先輩』のデフォルメ、とってもかわいいです。

※『まり』ルート、割と見つけづらいてす。