春ゲー。卒業ブルーで心が揺れ動くティーンズたちの恋愛ADV+お姉ちゃんゲー。
学園生活の思い出を振り返りながら卒業間際の5日間で、ヒロインたちとの関係を進展、変化、清算するお話し。
主人公と結ばれる本編17Hに、ヒロインたちのもう1つの幸せを描いたアナザーシナリオが8H。
今からプレイする場合は古いゲームなので、シナリオのボリュームが薄いというマイナス要素有り。
三角+四角関係(歌穂、杏子)、成長物語(優佳)、トラウマ克服…と言いたいところだけどキャラ萌え担当(香織)、背徳感(あやめ)、死生観(美夢)が一応のテーマ。
話しが重く感じられたら、一番軽い香織ルートあたりを途中で挿入して一休みすると良いかも。
本編の綺麗すぎるシナリオ、良い人すぎる横恋慕役たちに(特に歌穂ルート、香織ルート等)多少の不自然さを感じるものの、アナザールートまでセットで考えると、ヒロインたちの生き生きとした心の動きや、シナリオにも生々しさが大きくプラスされるので、アナザーあっての本編の高評価なのかなあとも思う。
三角関係物の名作(?)「WHITE ALBUM 2」というゲームの、1人の主人公を何年もの間、一途に愛するヒロインたちの態度を疑問に感じた人は、今更ながらこのゲームをプレイしてみるのも面白いかもしれない。
主人公以外の男に幸せにしてもらうヒロインたちに、プレイヤーは切なさを噛み締めつつも祝福し、心に残るゲームとなるのか、それとも、あーやっぱりヒロインを他の男にやるのは嫌だー鬱だー糞ゲーだーアナザー要らねー、となってしまうのか。
ErogameScapeが誇る現在のシナリオゲーマーの猛者たちが、どんな反応を示すのか少しだけ気になる。
個人的には、問答無用で魅力的なあやめ姉ちゃんを置いておくと、本編では主人公と結ばれるものの女の幸せを確実に1つ失い、アナザーでは本人は幸せになるも主人公とは結ばれないといった、優佳シナリオが一番心に残りました。
成長過程の男女が出会うタイミングの難しさが切なく描かれているので、なんともやるせない気持ちに。