無難な萌えゲー。売りが何かもう1つ欲しかったです。
ぼっちな少年少女を集めて友達ごっこをしながら、
友情と愛情を深めていく青春物語。
導入のプロローグ4H、本編+個別14.5H、個別アフター40分で、
合計のプレイ時間は19H強でした。
互いにニックネームをつけあって、犬を飼うあたりで、
どこかもやもやとした既視感がありましたが、
ヤマの「女の子はね、砂糖とスパイスと素敵な何かで~~」発言で、
ああ、Sugar+Spice!かー、と胸のつかえが取れました。
風の噂でChuablesoftが解散したと聞いていましたが、
その系譜は途絶えていなかったようで何よりです。
各個別シナリオは無難な内容でしたが、ヒロインは皆可愛いですね。
今作の騒動の主謀者でドラマチック担当の、腹黒センターヒロイン綾瀬。
自信のない少女の成長物語を見せてくれた、巨乳で小犬系な後輩の初音。
ケンカ友達発恋愛行きの、ツンデレお嬢様いろは。
そして、共通パートでは不幸で素直クールな不思議ちゃん。
その実態は、ピュアで無口で天然で無防備で健気でやきもち妬きで、
掻き立てられる庇護欲と、
底なしの優しさや母性を兼ね備えた小さな先輩の希。
萌え属性をこれでもかと詰め込んだ彼女には、
どうしようもなくあざとさを感じますが、好きにならずにはいられません。
萌えずにはいられません。
彼女は将来の夢のためにお金を貯めています。
その夢とはいったいなんなのか。
彼女の口から聞いた時にこう思いました。
希ーッ! 俺だーッ! 結婚してくれー!
現実を見据えた健気で可愛い夢を持つ希が可愛いすぎて、
生きるのがつらかったです。
さて、無難なシナリオで無難にキャラ萌えが出来て面白かったので、
プレイしたユーザーは次回作も購入するのかもしれません。
ですが、無難という言葉は果たしてプラスなのかマイナスなのか。
萌えゲーユーザーの総数の多かった昔は、
ただただ萌えることの出来る無難なゲームを作るだけで、
メーカー側も安泰であったのかも知れませんが、
今の時代の商売として考えると、
年々減少する萌えゲーユーザーをがっちりと捕まえ、
あわよくば萌え専ユーザー以外にも訴求出来る、
プラスαの部分があってもいいようにも感じました。
具体的に何をどうすれば良いのかは全く思いつきませんが、
萌えゲーメーカーに限らず、
多くのエロゲーメーカーが安泰であって欲しいと願う今日この頃です。