学園要素と冒険者要素はあくまでオマケな、厨二系のファンタジーADV+SRPG。将来的にコンシューマー化を睨んでか、18禁のゲームとしての遊び心が全く感じられない、らしくない退屈なゲーム部分と、途中で力尽きたのか、中盤以降キャラボイスの全く無い時間帯が散見することに、どこか余裕の無いアリスソフトの台所事情を垣間見てしまった気がして、なんだか少し気まずい。
バインドと呼ばれる異界の神々の呪いで若返ってしまった主人公が、同じく若返った女の子を助けて、冒険部の仲間と一緒にバインドを封じてまわるお話し。
クリックしてもボイスが継続する機能有り。
テキストウィンドウの透過率変更不可。
解りやすい厨二系のシナリオ、シンプルな戦闘システム、薄っぺらなキャラ萌えと、良く言えばとっつきやすい。
序盤、しつこいぐらい作中でシナリオと戦闘の肝となるバインドについて説明されるのでなかなかウザいけれど、これも逆に言うとユーザーフレンドリーであると言えるのかも。
とはいえ、初心者向けと呼ぶにはオタク要素がゴリ押しされていて付いていけないと思うので、初心者以上でないと厳しいものが。
オタク要素は前作のぼたんのように、ちょっとしたスパイス程度に留めてくれないと鬱陶しいだけのような気もする。
SRPG部分はアリスファンで無ければ、1周限定で無難に遊べると思うので暇つぶしになるものの、決して暇つぶし以上のものでは無いので、気になる人は値落ちしてからでもどうぞと言ったところ。
↓ 以下レビューでは無くアリスへの愚痴。
夢中になって遊べたわけでもなく、キャラに萌えたわけでもなく、シナリオに熱くなったわけでもない、物凄く退屈な時間をありがとうございました。
一体どうしちゃったのアリスソフト。
アリスのゲーム性のあるタイトルは、例えばSRPGならファ○アー○ムブ○ム、というか大悪司や大番長のように隣り合ったキャラ同士で突発イベントが起こったり、前作やランスのようにダンジョン探索中にシナリオの本筋から横道に逸れたイベントが発生したりと、ゲーム部分とADV要素が融合されていて、そこに18禁要素が入っていたことが、コンシューマーのRPGや18禁のADV、更にはアニメやラノベには真似出来ない、唯一無二といって言い強みだった気がする。
冒険中や戦闘中にサブイベントを起こして積み上げることによって、キャラクターの魅力を底上げし世界観の奥行きを広げて、本筋のシナリオに肉を付けていたわけだし。
これは全く面白味のない、プレイ時間を引き延ばすためだけに存在しているようなサブクエストに盛り込んでくれるだけでも違ったと思うし、ゲーム性とADV要素の融合は従来のアリスゲーの2周目以降をプレイするための動機の1つになっていたと思うのだけど。
今作ではその強みをバッサリと捨てて、シナリオの本筋からサブイベントまで殆どがADVパートで起こるので、結果、平凡なラノベ風ADVに別のゲームのシンプルで作業感が高いSRPGを持ってきてくっつけただけといった印象が強い。
ADV部分とSRPG部分が完全に独立していると言うか。
こうなってくると、ラノベシナリオやアニメだけが好きな人だと、面倒なゲーム部分などは必要ないし、アリスのゲーム性が好きな人だと、こんなもんはADVジャンルでやれとなりはしませんか?
餅は餅屋じゃないけれど、ADV専門ブランドならばもっと面白いADVが作れるだろうし、SRPGにしてもコンシューマーに目を向けると今作以上のものがゴロゴロと転がっている現状で、強みを捨ててどこを目指すと言うのだろうか。
恐らく、ADVパートに隔離され集中している18禁シーンを弄るだけで、コストを抑え簡単に全年齢化したいからこその今作の作風なんだろうけど、移植するにしてもゲームとして面白くなければ本末転倒だと思う。
とまあ色々と思うところがあるけれど、もしかするともっと単純に、ラノベやアニメっておもしれー、ゲームって作業で面倒でつまんねー、と思っているような人たちが作っただけかもしれない。
それはそれで情けない限り。