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GENKImorimoriさんの相思相愛ロリータの生活の長文感想

ユーザー
GENKImorimori
ゲーム
相思相愛ロリータの生活
ブランド
夜のひつじ
得点
75
参照数
134

一言コメント

もっと大きな愛を

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


  きみに、約束します――









『相思相愛ロリータ』のアフターストーリー、対戦ありがとうございました。
副題は"Ever since she came, life is dyed in vivid color."
公式ジャンルは「まいにち中出しロリユートピアノベル」

時系列的には『相思相愛ロリータ』の “後編からエピローグの間のストーリーになります” とあり (公式販売サイトより) 、
一応は前作と派生の音声作品を視聴していなくとも楽しめるように製作されているが、 “プレイされてからのほうがより楽しめるかと思います。” と明記されている。
(いまこれを読んでいるあなたは、もしプレイしていなければそれらを購入して『お泊まり恋人ロリータ』(& 原画は違うが『ゆびきり婚約ロリイタ』) もプレイして、ロリータシリーズオリジナルサウンドトラック『little, little, little』をとらのあなの倉庫から救い上げよう!!)
→プレミアで現在の駿河屋販売価格は「26,801円」でした(2024/08/14)

以下本編の感想です。






◇総評
▫ラストシーン
ㅤ教会でのプロポーズシーンで流れたBGM -『もっと大きな愛を』が、前作のBGM『少女関数』を含んでいることを私の聴覚野が理解した瞬間に、瞳に表面張力で溜まった涙がこぼれ落ちそうになってしまいました。この演出は本当にズルい……(泣)
ㅤ永遠に枯れることのない花ももちろん魅力的ですが、愛が実を結んで、綺麗な花が咲いて、そしてそれが枯れゆく姿すらもきっと美しいんでしょうね。(ここのパートタイトルは “時間の花” で、おそらくですがミヒャエル・エンデの『モモ』が元ネタ?)(「フッフール」と同著)(花嫁の花冠はガーベラでしょうか)

▫前作との比較
ㅤ正直なところ、前作『相思相愛ロリータ』では、まこちゃんの含みを持たせたようなワードセンス・後から説明されないと想像がつかないような暗喩と擬人法が主人公の心情描写で常用されていたため、「序盤から本腰入れて、じっくり読まないと二人の気持ちは十分に理解できないな……」となってしまっていました。
 一方、このFDでは “ハチミツマスタード🥞🥓” と 日中の公園お散歩🍀 などの日常パート、上司との社内コミュニケーションや先生との対面での会話パート、ラストの愛の告白💍 といったように、(ファンディスクというコンパクトさだったにもかかわらず)商業の美少女恋愛ゲームのようなイベントシーンが盛り込まれていたのが一番の私の激アツ評価ポイントでした。

▫救済ポイント
ㅤ前回の水着えちちシーンでは、「ここには2着の水着があって、1つは普段使いでもう1つは ““ジュニアアイドルみたいなえっちなやつ”” だけど、どうしますかっだんなさま?♡」みたいな強制選択肢があったんですけど、普段使いの控えめな水着が今作で使用されたのは佳かったですね。(まこちゃんの成長を感じさせるために水着をぱっつんぱっつんにしてしまったことは、学会でも評価が分かれた点でしたが)
ㅤまた、身体的な成長という面で言及したいのは、立ち絵の “y軸正の向きへの移動” でしょうか。これによって彼女の身長が少し伸びたことを表現したかったのだと推測されますが、前作の背景との位置関係に慣れてしまっていると少し奇妙に感じてしまいました。(パカパカと鳴ってしまう歩き方の癖を直さなかったのは評価高い)
"pic.twitter.com/LfCYFjFxcT"







◇その他雑記
▫リーベの相棒
部屋背景の右端にずっといて、CGにも度々登場していたサボテンさんに名前が付いていたのがほっこりしました。
まこによる命名: ベッポ 🌵


▫お仕事を頑張るための㊙LifeHackテク (社会人向け)
“いつもただ次のひと掃きを”
ㅤ「あのね、おしごとの良い方法、知ってるよ」
「へえ。どんな方法?」
ㅤ「学校でね、床のおそうじするときにためしてみたの」
 まこちゃんは少し得意げに言う。
ㅤ「教室の床ぜんぶのことはかんがえないんだよ。まず、床のタイル一個をきれいにするの。それが終わったら、次のタイルね。またきれいにしたら、次のタイル」
「うん」
ㅤ「そしたらだんだん楽しくなってきて、次のタイル、次のひといき、ってしたら――いつの間にかぜんぶのタイルをきれいにできてるの。ほんとだよ」
(大変ありがたいお話でした。irlでも意識してみます。)


▫まこちゃんのダンスシーン
私がせっかくテレビの振り付けに合わせて踊るまこちゃんの姿を脳内で補完して楽しんでいたのに、おかくんはすーーーぐ発情して手を出しましたね……(まこもでしたが)
(“ヒトとしての踊りの本来の機能”、なんていうのはアイドル(イデア)に対する偶像崇拝には丁度いいようです)(靴のサイズは 2 1 . 0 c m )

▫音声作品からの引用ポイント
「わんちゃん」とか、「巣作り」とか、「お役立ち」とか、「ごしゅじんさま」とか、「あいしてます」とか。
音声作品で用いられていた単語がファンディスクで出てくるのが「特定の作品のファン (Fan) へ向けたお楽しみ (Fun)」って感じで最高でした。

▫授乳手コキシーン
心地よさそうなリズムで小さな手を動かす彼女は、まるで指揮者みたいだな――と僕はそう思った。(pororiっぽく)
(授乳で食欲を満たしつつ下半身で性欲を満たして、クッションによる安定性で睡眠欲を満たすことによって、おかくんが人間の三大欲求を同時に達成するみたいなシーンは少し笑ってしまいました。たとえまこちゃんの前としても強欲すぎです笑)
▫最高の笑顔
"pic.twitter.com/ZqtREbp1tV"


▫「まこがいないから、いる。」
この現象について私が考えると、『私の世界にはまこちゃんが存在していないけど、“作品として” とか “画面の中に”とかを全部含めて目をつむってみると、まこちゃんがいないからここにいる。という陽だまりみたいな温かさ』が一番最初に浮かんできて、私の心にも一つの “あかり” をくれました。
(第四の壁を越えてこない作品についてもついつい高次的に考えてしまうのは、私の気持ち悪い癖です。許してください。)



▫好きだったセリフ
 信じてもらってほんとうの大人になっていく。

 だめな大人でも、きみが信じてくれるなら。

 僕はいつまでもきみのそばに、隣にいることができるよ。
(だめなおとなが漢字表記に変わっていたことを私は見逃しませんでした)










素敵な作品をありがとうございました!!
お次は『お泊まり恋人ロリータ』の感想へ〜 (https://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=24678&uid=GENKImorimori)