ErogameScape -エロゲー批評空間-

GENKImorimoriさんのユユカナ -under the Starlight-の長文感想

ユーザー
GENKImorimori
ゲーム
ユユカナ -under the Starlight-
ブランド
NanaWind
得点
73
参照数
187

一言コメント

“ALIA's”をプレイする前に絶対にやるべきNanaWindのデビュー作

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ここに “あこさんが遺したひまわりの種” があるじゃろ?
ㅤ( ^ω^)
⊃ タネ タネ🌱タネ ⊂

これを “大海が守ってきた土地” とこうして…
ㅤ( ^ω^)
ㅤ ≡⊃⊂≡⛏️✨


こうじゃ!
ㅤ( ^ω^)ドヤ
⊃🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻⊂
🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻
ㅤ🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻
🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻
(看板: 「newひまわりの園」)












(ユユカナ in a nutshell)
『碧風』
ㅤhttps://youtu.be/W0mv7o1CXds



























という冗談は置いておいて、本編の感想をば……

『ユユカナ -under the Starlight-』 (2011)
対戦ありがとうございました。🌻🌻
批評空間では酷評されているようですが、かなりワクワクしながらプレイさせてもらいました。Nanawindのブランドデビュー作で、アリアズの続編『Flowering Sky』の舞台でもあるようです。
ジャンルは “星とひまわりのちょっと不思議な学園ADV”
推奨攻略順は「あこは最後」です。




総評 🏝
▫POV「続編、リメイク版がプレイしたい!」
本当にこの一言に尽きます……
葉月祭のサークル『Luna System』のホームページ(http://www.lunasys.info/tag_archive/t_yuyucana_series) 内のライターコメントで
「表はきらびやかなリゾートアイランドだけど、裏はねっとり伝奇物と言うのをやりたかったんですが、ユユカナ本編だけでは描ききれなかった。(中略)急遽アリアズを制作することになってその続編もお蔵入りに。」と記述がなされているように、「この作品は決して駄作ではないが、プレイヤーと製作者側にとっての “完成形” ではない」という後味の悪さを感じてしまいました。
というのも、多くのプレイヤーが疑問に思ったであろう “遊々月神社の行方(最後の最後に一瞬だけ映し出される跡地)” や “あこさんの正体”、“咲耶の社と碧島の神社” についての説明が作品内で一切なされず、各ルートのラストシーンでの最高の盛り上がりが、これらの解決されないモヤモヤによって覆われてしまっていました。また、ヒロインが抱えている悲しい過去やその状態(理沙: 火事, ほのか: 消えゆく記憶, くーちゃん: 謎の病, あこ: 存在消失)たちの “根本の原因” すらも語られず、背景設定が消え失せた原因不明の謎の病気に苦しみ続けるくーちゃんには感情移入することができませんでした。(彼女の病が全くの “原因不明” であることは物語におけるリアリティを欠き、彼女が失明して吐血しながら苦しむ姿が描写されようとも、最終的にはそれを “謎の奇跡” で帳消しにするのだろうという安心感が芽生えてしまっていた)

その他にも回収されていない描写をまとめると(細かいもの)
・都市開発、反対デモの事故(楠 vs 姫園 の残滓?)
ㅤ"pic.twitter.com/SHN4N2z5HT"
・生徒会室には似つかわしくない薬
ㅤ"pic.twitter.com/yzzIlbEtjJ"
・理沙が作ったHP
ㅤ"pic.twitter.com/VGK5wtQbAP"
・儀式の方法を教えた “旅の人” と、”冴えない顔の彦星” の存在
・ひまわりの王様
・儀式の方法、“贄”
・明斗くんのファーストキスの相手
などが挙げられ、続編への布石となったこれらの描写が、この『ユユカナ』という作品単体では何の意味もなさなかったことは、ただひたすらに「惜しい……」と言うしかありませんでした。





▫コピー&ペースト
合宿三日目の『ヒロインと一緒にひまわりの園を探したけど見つからず、帰り道の電車で無言になるシーン』で、その描写が存在しないあこさん以外のヒロインへの呼称が全て “ほのか” になっており、くーちゃんと理沙ルートのこのシーンがコピペだったことが窺えました。(原文: 帰りの電車の中では、俺もほのかも無言だった。)
(ほのかルートのプレイ後はこのコピペが私の頭の中をよぎり、作られた順番(優先順位)・記憶喪失と謎の病気という二つの似通った現象によって、「ああぁ攻略順を間違えたかなぁー」ってのが一番の感想になってしまった)














本編の感想 🏝
▫シナリオ構成について
四つの個人ルートを比較すると、楠久々寝と高咲ほのかルートの内容が姫園理沙ルートをベースに組み立てられており、遊々月あこルートのみが浮いていたように感じました(いい意味で)。
あこのエピローグでは、彼女が再び転校生として “記憶をなくして” 主人公の前に現れるという摩訶不思議ENDが展開され、bgm『少女夢想』についてのSDほのかによるセリフ「…でも果たしてそれはハッピーエンドだったのだろうか」のような気持ちにプレイヤーを陥れ、「あれ、これ記憶完全に失っちゃってるし、ほのかのBADENDバージョンじゃね……??」という都市伝説みたいな終わり方だったのが個人的にはかなり好きでした。(○にも奇妙な物語みたいで)


▫Nanawindの伝統
・物語の序盤でラッキースケベによって主人公がメインヒロインの胸を揉んでしまうシーン(pic.twitter.com/iYrRQQGsaQ)、
・自宅で制服脱ぎかけヒロインとバッティングしてしまうシーン(pic.twitter.com/Nks04giMYv)、
・委員長キャラが凛々しく手を振りかざすシーン(pic.twitter.com/t7w5KhcEoa)
…のように “前作をやってないとわからない細かい同ブランド作品の共通ネタ” が披露されたことに感動を覚えました。こういうのめっちゃ好きですありがとう(偶然かもしれませんが)
また、『ALIA's Carnival』で用いられたBGMの元ネタがこの『ユユカナ』だったことにも気づくことができました。(必殺のお札→アーケン!)(夏祭)
(あこちゃんが軽快に動くたびに鳴るSEが篠ノ森 弓の飛行能力のものと同じだったので、毎回緑色のアーケンが脳内再生されるのちょっとだけ面白かったです)(弓さんルートの最後にアーケンバトルした大事な神社って遊々月神社だったの?!という空想が浮かんでしまって、alia's carnivalを攻略する前にユユカナを走っておけばよかったなぁ…とちょっと後悔してしまったのは内緒ですが)


▫演出
あこのお札や、立ち絵のカットインと表情変化。動きが激しいシーンもそうでしたが、何といってもキャラの魅せ方が素晴らしかったです(絶対領域とか、夜宵さんの水着を舐めまわすようなカメラワークとか)
(2022年でも他ブランドが見習ってほしいレベルでよくスクリプトが組まれてた)(個人的にはalia'sすら超えてたと思います)










対戦ありがとうございました。
ようやくこれで私も『Flowering Sky』を攻略して『春音』シリーズに着手できます。