『やり直したい過去、ありますか?』
「きっと、澄みわたる朝色よりも、今、確かに此処にいるあなたと、出逢いの数だけのふれあいに、この手は繋がっている。」
本サイトにおいて『POV: 秋ゲー』で最も多くのポイントを獲得している、《 秋が舞台🍁》の超代表作。
(萌えゲーアワード2009 グラフィック賞銀賞受賞作品)
ジャンルは『エモーショナルAVG』
2022年の秋に、13年前の美しい作品をプレイさせていただきました。
propellerさん対戦ありがとうございました。
◇ 総評 🤝
▫与神ひよ
ㅤ本作のメインテーマとして挙げられるのは、秋という季節が持つ『優しさと痛み』であり、その象徴である “紅葉” (なみだ, もみじ) であった。一方、ミスリードとして「これは “四君子” だけの物語であり、若さんがもっとも重要なキャラクターである!」という作品の見方があるが、タイトルの結びにある『この手は繋がっている。』の通り、この作品は “崇笹と与神ひよ” の物語であったことをまず最初に述べておかなくてはならない。
まず、始まりの一周目『きっと、澄みわたる朝色よりも、』では、四君子の関係・若の失敗・アララギによって導かれた “柔らかな居心地” が描かれたが、題名にある「朝色よりも、」(比較の基準, 起点と読点) という言い回しは笹丸の行き着く先が『四君子』ではないことを暗示している。
次の二周目『今、確かに此処にいるあなたと、』は、秋の完成・“病” (愁, 痛み) の蔓延・『なきべそ鬼』の灰 (マニュアル)・笹丸の白昼夢 によって人間の “優しさ”, “繋がり” という核心に触れ始めるという構成になっている。ラストシーンでは一周目と同様に若による “入れ替わり” が行われたが、彼女と笹の絆(by 四君子)が後に影響を及ぼしていった。
続いて三周目『出逢いの数だけのふれあいに、』は、前半パート(若との「優しさorお人好し」談義・名前の由来・ひよへの告白)と、アイキャッチが変化する後半パート(傍観→救済→理解→探求→賢者→芸術家)と続いて、 “出逢いの数だけのふれあい” と一緒に、学園のみんなが若のことを救い上げた。
そして最後の四周目『この手は繋がっている。』(句点) で、“出逢い”, “再会” を締めくくり、ひよの手を取ってハッピーエンド――という全体の流れが、笹の成長とひよとの恋愛模様を巧み表現していた。
▫痛みをも凌ぐ、絆
ㅤ学園内に蔓延っていた “痛み” の発生源は、若が経験した行き場のない理不尽(誰もいない理不尽、関わったすべての人間の上に成り立つ理不尽)であり、それを救い出したのは笹。その主人公は過去に父親からの虐待を含む洗脳教育を受けており、そこから彼を人間たらしめたのは義理の姉である春告, その親友のアララギ, クラスでいじめに合っていたひよ。そして、ひよへのいじめをやめさせた(青姉に正しさを説いた)のは 笹―――といったように、人々の “輪” が学園というしがらみを解くカギとなっていた。
【ひよ】
ㅤ「人はそんな事には負けません。その為に支え合うのですから。」
ㅤㅤ(https://youtu.be/vQQV9657Qvc)
▫優しさと痛み 🌄
ㅤこの作品における私の “痛み” が、アララギのセリフ「誰かに優しくするという事は、痛みを伴う」から生まれ、彼女の失恋という深い遺恨を残したことは、この作品を評価する上で重要な要素の一つだろう。
ㅤアララギ家が父子家庭で、兄妹が沢山いるという設定は彼女に貧しい暮らしをさせるための鬼畜設定だったのか。一周目に登場した “太陽の指輪” を笹は今後どのように扱うのか。三周目ラストの若に呪いが跳ね返ってきたシーン内で「優しさが人々の間で伝播するように、自身の呪いに蝕まれた」という説明があったが、“太陽” のようなアララギの笑顔によって彼女に還元されるはずだった幸福は一体何処へ消えてしまったのか。四周目の春告とアララギの “処女結界” はどういった意味を持つのか。彼女が「私は満足だよ」と悲しそうな顔で語る気持ちを、僕はどうやったら受け止めてあげられるのか……
(序盤に笹丸が持っていた “鈍感” は、私の心に多くの爪痕を残したということ)
(HPの四コマ漫画「しくんしっ!!」: http://www.propeller-game.com/product/kitto/special/4c01.html にて、笹丸が “アララギ特製地獄行き紅茶” で出血するシーンがありましたが、これだけでは私の気が済まないので特典ディスクに期待を寄せています)(ア ラ ラ ギ の 愛 情 手 料 理)
▫「もし過去に戻れたら、もう一度人生をやり直したいと思いますか?」
ㅤよくある質問。この問いに対して本作の主人公とそのヒロインたちは、「やり直したいとは思わない」と答えた。『過去の後悔を塗り替えてしまうこと』はそれまで尽くしてくれた人たちに失礼であるし、何より『今の自分を否定してしまっている』ことに他ならない。本作のテーマの一つである “痛み” は、“優しさ” とともにあり、やり直すことなど思い浮かばないくらいに『今を楽しむ』ことが大切であると教えてくれた。
(朝色ではなく、“今”)
以下には本編の考察や内容についてをまとめます
◇ 本編
▫考察ポイント(5つ)
①朝食シーンで透けるひよ (pic.twitter.com/ZGvWy5rCn0)
ㅤ単なる作画ミスなのかもしれませんが、序盤の四君子の朝食のシーンでひよさんの頭が透けて、彼女の後ろにある竹の柱らしきものが見えてしまっているCGがありました。三周目の中盤において「ひよが消え始める」というシーンがありますが (上記リンク画像)、もしや彼女はこの頃から痛みに耐えていたんでしょうか?(一周目では “病” は流行しません)また、ひよの右手に重なっている箸のようなものは、笹丸が持っている箸(左利き)だったんでしょうか? …謎は尽きません。
②『赤組の作品のスケールのデカさ』
ㅤ「いや流石に、学園を取り囲むほどの量の枯葉の制作は不可能でしょう……」と美しすぎる背景変化を眺めながら考えていたのですが、これは笹丸の “言霊” が本当の秋を連れてきてしまったことに起因していました。
また、ひよがそれに気づいて笹丸を庇い始めるシーンがありますが、それよりも早く笹丸がそれに気づくシーンが存在しています。彼はその現象に対して何も感じ取れなかったようですね…
③昔話『なきべそ鬼』 (pic.twitter.com/UpFUL4t8cx)
ㅤ『花咲か爺』の後日談とされる架空のお話。代々 “語り継がれてきた” という点に民俗学っぽさがあり、一瞬だけ登場した老教師の鷲王先生に端を発して、実体のない “病” の噂が広まってしまった。
この話に登場するキーワードは『二にぎりの灰・優しい鬼・言霊・お墓の樹』で、一つずつ振り返ってみる。
ㅤ・--二にぎりの灰,ㅤ学園にある二つのマニュアルのこと。生徒会が発行したマニュアル(= 絆を断つもの)は “病” の進行を遅らせることはできても完治はせず、決定的な効能があるわけではないが、“二つ” 存在していること自体が若に迷いがあることを暗示していた。二周目で笹丸が「選ぶはずのないの学園版」を選んだ理由は、自分の中にある若の祖父としての記憶が、たとえ薄い効き目であっても “病” へ対抗手段を教えたため。 (pic.twitter.com/nY4QJXnC1T)
ㅤ・--優しい鬼👹,ㅤ若さんのこと。 “自身が鬼であること” のみによって諍いが起きてしまうが、本当はみんなに争って欲しくないと思っている。(英雄が鬼無里で起こした事件)
ㅤ・--言霊,ㅤ言葉に宿ると信じられた霊力のことだが、本作では笹丸による「秋を連れ戻す――」という提案が若に力を貸してしまった形。その力の大本は彼女の母親に宿っていた “魔性” の第六天魔王によるもの。(『俺がやらなきゃ誰かやる』という掛け軸が会社の経営方針に実際に影響を与えてしまったという例)
ㅤ・--お墓の樹,ㅤ小さなお墓を守るように生えていた一本の樹。汚い灰(生徒会マニュアル)を選んだのは笹丸であることから、この樹は笹丸であることが推察される。樹が持っていた見事な花は、おそらく白色の “菊” ❁(供花)
④『秋を連れ戻す』という行為について
ㅤ若曰く「どうにもならないもの」。ひよから『なきべそ鬼』を聞いて学園に秋色がないことを知った笹丸が、“言霊” と四君子の作品の完成によって秋を具現化してしまった行為を指す。ここでは私がプレイ中に抱いた、二つの疑問について自問自答してみる。
ㅤQ1.“四君子の再会” という朝色の光景をこの “連れ戻す行為” に準えるのであれば、遅れてやってきた夏を意味する “竹” ――笹丸の方が適切ではないか?という疑問。これに対しての答えとしては、笹が紆余曲折あって最終的に自分の手元に連れ戻したのは、秋を意味する “菊” ――ひよという少女であるという捉え方である。(朝色ではなくひよと笹の物語であることと同義)
ㅤQ2.春は芽吹き・夏は新緑というのは理解できますが、秋を過ぎた “冬” という季節にも葉がなくて枯れ木だらけじゃないか!?という疑問。この難癖に対する答えとしては『雪化粧』という言葉が最も適切です。冬には雪が降り、自然な世界の法則によって一面が銀色に覆われますが、秋という季節だけが服(もみじ)を奪われた “裸体” で、心がまるで “枯れ木の海” のように寂れてしまっている。若は枯れ木たちに服を着せ、彼女の “世界” を完成させたかった。(pic.twitter.com/jbs6egjy6O)
⑤“えーゆー” と、“おとーさま”
若さんにとって、笹がおじいちゃん・ひよがおばあちゃんであったことは理解できたのですが、アララギが彼女の父親であり、春告が母親を殺した仇敵であったことは理解できませんでした。
(この辺りが私が読み解くことのできなかった、伴家が持つ「鈍感さ」(痛み)ともかかわってくるのかなぁと考えてみたり)
(ひよが表情を曇らせながら言った「(若が) ……アララギさんとも仲がよろしいですわ」とも関連付けられそうです)
(ひよから見た “若と仲が良かった人” は誰のことを指すのか??)
▫美しすぎるグラフィック
ㅤ秋の美しさを詰め込んだような背景美術には本当に圧倒されてしまいました……。序盤に枯れ木ばかりを眺めていた反動もあってか、四君子が作り上げた “朝色”・若が愛おしいと感じた “綺麗すぎた景色” の二つの芸術作品が、両方とも(物語の結末に関係なく)引けを取らないほど美しかったです。これこそが、この作品が『秋ゲーの代表格』であることの一端を担っていたのでしょう。
ㅤまた『学園が京の風景を模していた』ということも相まって、まるで「あれ、京都に紅葉狩りに来てたっけ?」と勘違いさせるような情景を堪能することができました。長い渡り廊下の奥のほうにある、絆(みるくちー)を生み出す自販機に、京都の景観を壊さないような配慮がなされていたこと(ゴミ箱すら木製)からも作品の作り込みを感じ取ることができました。(pic.twitter.com/6elXyj4Hjt)ㅤ朝食, お弁当もリアリティ抜群! 🍱
▫SD(ギャグとのバランス)
ㅤキャラ設定がモリモリすぎて、たとえどのキャラクターであってもSDを使えばあら不思議、シリアスを吹き飛ばすギャグシーンに早変わり♪ だったことは、私の心に余裕を与えてくれました(本作に “SDによるお笑い要素” がなかった場合、恐らく心がズッタズタになっていた)。シリアスからの唐突なギャグ展開は意図されたものだと考えられますが、唐突すぎて「もう暗すぎるから、SD担当頼んだ!!!」となってしまっているのを想像するのも面白いです。
ㅤ“アララギルール” も似たような使い方がなされていて、彼女の命の恩人(頭取)の話が出た際には重めの話が来るのかと心構えをしていたのですが、しっかりギャグで裏切られました。めちゃくちゃ好きです。
ㅤㅤ「背中は見せぬ」
ㅤ→「じゃあお腹を」
ㅤ→「でも冷やしちゃうとぽんぽが痛いから腹巻常備」
ㅤ(pic.twitter.com/kSzVE2V2JB)
ㅤジャンル:エ モ ー シ ョ ナ ル AVG
▫個人的に好きだったセリフ(ひよとのエチチシーン)
ㅤㅤ寝かせたひよの足を持ち上げ、彼女の前で膝をつく。
ㅤㅤまるで跪くような体勢だった。
ㅤㅤ――誰に跪いているのだろう。
ㅤㅤこの幸福をくれた神様にか?
ㅤㅤ(笑わせるな)
ㅤㅤ誰が神様になんか跪いてやるもんか。
ㅤㅤ俺は誰であろう、与神ひよに跪いているんだ。
ㅤㅤ――あなたと出逢えた事に。
ㅤㅤ――あなたに恋した事に。
ㅤㅤ――そしてあなたと愛し合える事に。
ㅤㅤ俺は今、千億の礼を尽くす。
▫舞台設定
ㅤ一周目の性悪説についての会話内に「あの国」というセリフが登場するまで、私はこの学園の舞台が中国であると勘違いしてしまっていました。
(中華風のBGM -『学びの揺り籠』やアララギちゃんのお団子ヘアー、食事事情を説明する際に出てきた猿脳や満漢全席という言葉、迷うほどの山奥という舞台設定など)
(日本の長野県だったとしても、一体何時代だったんだ……)
◇ 本編に登場した現象について
▫“慰謝料”(太陽を模した指輪)
ㅤこれは『アララギが笹との過去を清算するための踏ん切り』で、一周目でそれを返還することは、ひよとの乾杯のように『もう一度笹丸と恋愛をやり直す』ということ。
(pic.twitter.com/cJWM5twy6L)
▫私の初めて
ㅤこの作品は私の “美少女ゲーム初めて” をたくさん奪っていきました、もうお嫁に行けません…
(メインっぽいヒロイン二人に見られながらのフェラシーン・春告による足コキカットイン・二度にも及ぶエチチシーンキャンセル・主人公ではない男性キャラがメインヒロインっぽい女性たちに続々と恋をする描写・四回ものタイトル画面変更・タイトル変更と結合)
▫アララギとのエチチシーン
ㅤ一周目ラストのフェラシーンで笹丸のタケノコ♂ に色がなく、先を見通せるほど透明だったことはどういった意味があったんでしょうか。笹丸cockは生徒会所属…ってコトー!??
ㅤ(真面目に考えるならば、この作品が『ひよとの物語であること』が透明に描かれた理由ではないかと推測してみる)(笹が持つ貞操観念)(生々しさを感じさせないような性交渉)
(pic.twitter.com/u1He5KABa5)
▫「ひよが好きだ!!」その後…
「春告なら――」「アララギなら――」 ←????
(恋人の首筋に唇を這わせながら、その人以外の女性のことを考えるのだけはやめてください)
(友情としての好き, 恋愛感情としての好きを混同させることは、アララギが報われません)
(pic.twitter.com/IIAIptT38k)
▫悪者のロール
ㅤ「悪人あればこそ善人も顕れる」という言葉に囚われてしまっていた青妹 - 肆則きよ には少し同情してしまいました。与神家と肆則家の対立によって生まれてしまったいじめ。笹の言葉によって “正しい子” になった青姉を救うため、愛するお姉ちゃんのために “悪い子” にならざるを得なかった幼い彼女には、アイデンティティの拡散が見られましたが、四周目で明確な目標を持った彼女のとびきりの笑顔には救われました。
(人玲人の場合は、ドMになったりお姉ちゃんのNTRを画策したり百合にガチギレしたりと、色々大変な王様を演じていましたね。お疲れ様です)(pic.twitter.com/N8MDxhMm60)
▫青妹の言いなり
ㅤ一周目、青妹の代わりに罪を被った笹丸による「アララギと春告のことを信じている」というセリフについて。
青妹を庇うためだけに自己犠牲を働かせたことを彼自身は満足していたのかもしれないですが、裏切られた相手を庇い続けてなおかつ仲間の信頼をも失ったことは少し滑稽に思えてなりませんでした。そして何よりも、「一緒にいなくも、いいんだ」と笹丸から離れるはずのないひよに対して、“気遣うフリ” をしているようにプレイヤーに思わせてしまっているのは最悪でしたよ、鈍感王…
ㅤ彼がこのシーンの少し前に自分のことを「嘘をつくのが苦手」と言っていたのは、誰かを傷つけないためなのかと思っていましたが、そうではなかったように思えてしまったのが非常に残念でした。
▫理系ひよ(影絵)
ㅤひよが蝶の影絵に対して何の感情も抱けずに、笹丸の発想に対して「…素敵…」とこぼしてしまった理由。
ㅤ彼女の悪癖(目の前の事象を理論的に捉えてしまうこと)によって、あの影絵を “作品への初心” として認識することができなかった。
(pic.twitter.com/59UpHlHsbD)
▫名前に込められた意味(菊)
ㅤㅤ菊の解説 - 小学館 大辞泉
ㅤㅤㅤきく【菊】
ㅤㅤ[常用漢字] [音]キク(呉)(漢)
ㅤㅤ植物の名。キク。「菊花/寒菊・観菊・残菊・白菊 (しらぎく) ・野菊 (のぎく) ・乱菊・除虫菊」
ㅤㅤ[名のり]あき・ひ (←!!!!!!!)
ㅤㅤㅤ(ひよの父親による、複数の読み方という伏線)
▫ひよの黒い服装
ㅤ芸術家としての自主性を重んじるという学園側の意向によって服装の自由が認められていた。黒い看護服が ”クリミアの天使” ではなく、“誰かひとりに尽くす” 看護師を意識している、彼女にとっての正装であったこと。(謂れは “クリミアの白衣の天使” だが、ひよはナイチンゲールではない)
ㅤ由来は尼僧から派生した、19世紀末頃からの西洋の医師の黒いコート姿?
ㅤ(pic.twitter.com/pF3MLKR5Wp)
“おままごと” を終えた彼女は、制服姿で「さーさん」の手を握った。
▫青妹の盗聴器
ㅤきよに弱みを握られるシーンで、彼女が去年の青組の優勝の際に盗聴器を大量に仕掛けた(?)ことが語られましたが、笹丸の心情では “あるもの” と直接的な表現が避けられました。これはどうして…?(ストーカー規制法への配慮?)
(「あれは若が彼らを傍観していたことの伏線です!」なんていうのは気づけませんし、流石に無理があります)
(pic.twitter.com/xybjKFnfEe)
▫春告が笹丸の話題を避けるようになった理由
ㅤ序盤の春告にひよが説教をする場面で、「急に笹丸の話題を避けるようになった」と伏線を張りますが、これは『春告が笹の実の姉であったことに気づいた時期』と一致します。
(pic.twitter.com/KLsaoTaKem)
▫笹丸の入学が第二学年の秋まで伸びてしまった理由
ㅤこれも彼の家庭の事情が影響していたんでしょうか…?
(私の読み逃しだったら申し訳ない)
▫三周目の中盤の消えてしまうシーンにて
ㅤアララギと春告が互いのことを「大好きー♡」と言いながら消えてしまうシーンでは、否応なしに私の脳内はビアン一色に染まってしまったんですが…
ㅤいや、どうなんですか? もう私には三周目の結末がわかりません
▫手を掴んで若を救うシーン
ㅤこのシーンは『ヱヴァ破』のラスト(使徒に飲み込まれそうになる綾波を、“手を繋いで” 救い出した場面)を思い出すと理解しやすい。優しさが人を介して伝わるように彼女に跳ね返ってきてしまった長年の呪いの束縛から、自己犠牲という選択を断ち切って、陰の世界から “引っ張り上げ” た。(pic.twitter.com/AATin2Ptus)
※影の世界 (https://twitter.com/alterr_alter/status/1592073665017180160)
◇ 公式ホームページの閲覧に関して
▫Flash Playerのサポート終了、HP閲覧方法の紹介
ㅤpropellerの作品HPを拝見したのですがflash終了の影響をもろに受けていたので、
ㅤもしあなたがこれを閲覧したい場合は Firefoxのプラグイン “Flash Player 2022” の導入をオススメします。
ㅤ(責任は負いかねます) (動作確認済)
▫公式サイト
http://propeller-game.com/product/kitto/top.html
▫拡張機能
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/flash-player-emulator/
◇ システム面
▫設定画面 ⚙️
ㅤゲーム内のコンフィグ画面。「意外と」と言ってしまうと失礼ですが、設定の幅が広かったです。
(2009年発売のゲームですが「必要最低限の設定は揃っている」といった印象を受けました)
▫ 画面演出
ㅤアイキャッチ, 落葉, SDのセリフなどの画面効果が動きまくっていましたね。素晴らしい演出だったと思います。
▫OP『紅葉』の演出について🍂
ㅤクリア後にOPを見返したんですが、春告とアララギの紹介の後に『若の頭を撫でようとする誰かの手のカット』の後に笹丸の紹介を出すのズルすぎる、ズルすぎないかぁー?!!!(“じじぃ” と愛する孫娘)
(初見の時はひよが蝶になって消えてしまうシーンのことばっか考えてました)
『伸ばした手に 届きそうで』
『掴めない “鏡” の中』
▫OTS選曲
02. 与神ひよ ,メインテーマ
26. 子供のように泣けばいい(左) ,勝ち確BGM
28. もっと不器用な愛情なら ,ひよエチチシーン
29. 絆の名は『四君子』
32. どうかこの手を離さないで ,クラリネットで本気出す
35. 風にそよぐ葉の行方は (「だから、あの景色を形にしてくれる人を待っていた」)
09 学びの揺り籠
24 ふわり、ゆるり、くしゃり
――もう私は、“絆の名は『四君子』” のイントロのことしか考えられません。
(絆の名は『四君子』by @tynwaldmusic is on SoundCloud https://on.soundcloud.com/GuxaF)
(私の選曲を、作曲家の樋口氏によるライブ配信 (https://youtu.be/DWCXHGfdCOY) 内で該当箇所を全て確認したのですが、梅本竜さん率が高くて少し驚きました…
私が特に好きだった 29, 32, 26 の共通点として彼がおっしゃっていたのは「イントロパートの長さ」)
◇ シナリオライターからの注意書き 🏷
ㅤ登場人物たちの会話内で “作り手がよく陥り易い罠” として、『知っている事と作る事の違い』が笹丸によって披露されるシーンがありましたが、私はこの説明を『多くの作品を読んで舌が肥えたプレイヤーが、自分の能力に驕ってしまうと痛い目に合う』というメッセージとして受け取ってしまいました。
ㅤただそういったものが存在しているのを “知っていること” と、“無から何かを創造すること” は同義ではないこと。容易に「自分の方が面白いものを作れる」と口走ってしまうこと。これらはたとえ貴方が作家であろうがなろうが、常に意識しておかなければならない心持ちであると気付かされました。
(原文: pic.twitter.com/rTKDs4tihj)
◇ 他人の感想を読んだので追記
ㅤ「〜を攻略したい」や「Hシーンが〜」といったステレオタイプに囚われていると、視野が狭くなって作品を純粋に楽しめないし可哀そうだなぁ…と他の批判的な感想を読んでいて感じました。私は『濡れ場シーン』を1, 2個に抑えるという采配は正しかったと感じましたし、シナリオゲーを謳うのであればこういった作品作りが主流になって欲しいとも思いました、個人的に。
(私が大好きな『天ノ少女』のような)
(この “エロゲー” 批評サイトで言うことではないんでしょうが)
◇ 特典ディスクをクリアしたので追記💿
▫春告のポジション
【春告】
「穴ならあるが、そう易々と入れさせてやると思うなよ」
「私はいわゆる “親友” 的な位置づけだからな。攻略は難しいと思ってくれ」
▫全員集合!!
ㅤㅤpic.twitter.com/RSbsXENfbE
(とってもいいCGです、一番好き)
▫文字の反転
ㅤこういった観点は考えも及びませんでした。左右の概念がすべてひっくり返っていたのであれば、利き手や時計の概念、京都における左右なんかも逆になってしまっていた可能性がありましたね…。恋の力の勝ち!
『ただ想いの強さを響かせたい』(『紅葉』より)
▫紅葉四天王
ㅤ鬼武、熊武、鷲王、伊賀瀬……
(ってうぉい、教員たちの名前じゃんかよおい!)
紅葉伝説|wikipedia https://en.m.wikipedia.org/wiki/Momiji_(oni)
ㅤㅤ鬼女紅葉 ― 戸隠山に棲んでいた美しい鬼女 ― | 珍奇ノート https://chinki-note.blogspot.com/2020/10/kijo-momiji.html
▫月に代わって――
ㅤㅤpic.twitter.com/nljBUlxzaQ
(いや、おまけしなりおのオチはどこ……?)
久々にこんな面白いゲームをプレイしたので、わたしの脳みそが驚いていました。
(しかも13年前のゲームで。わたし当時8歳ですよ? やばすぎませんか、時代の流れ……)
propellerさん、素晴らしい作品をありがとうございましたー!!!
しばらくはプレイ後の余韻にどっぷり浸かっていたいです〜(リアル紅葉を眺めながら🍂🍁)