純粋な推理とまではいかないけれども、推理劇場としては十分楽しめる作品。話の展開と推理要素をうまく組み合わせているが、やや展開重視な傾向で犯人特定は難しい章もチラホラ(四話の迷宮暗号は是非悩みましょう)あります。PC版で不評だったらしいマップ移動も楽になってボイスもつき、キャラの魅力が最大限に伝わってきます。アダルティックな大人の付き合い描写も多い。ぜひとも続編を発売してほしいと思う１品
しあわせって…なに？
・ストーリー
助手の七尾芹奈と共に豪華客船の旅を楽しんでいたランクA探偵・八十神かおる
しかし、船上で殺人事件が発生する
船の警備主任より事件の内容を聞かされたかおるは、部屋から一歩も出ることなく事件を解決するのであった
他、この零話以外に四話まで収録されている
プレイ時間は30時間。攻略順序は一本道
アーベルソフトの探偵シリーズとして有名な作品の1つです
探偵シリーズと言いつつも、推理モノとしては結構微妙な作品なのがたまにキズ
一話、三話は自力推理も可能ですが、二話、四話を明確に推理するのは難しいでしょう(後だし要素があるので)
しかしながら、二話と四話には暗号要素があり、特に四話の暗号の難易度は絶妙なほど素晴らしい
一番難易度の高い迷宮脱出に解読時間を20分ほど費やしてしまいました。推理で必要なプレイヤーの柔軟性を見事に尋ねてきます
四話をプレイするときには、メモを取ることをお勧めします
本作はポイント80点以上の段階で犯人を推理できるディテクティブ・チャージ・システムが売りです
御神楽少女探偵団シリーズのトリガーシステムとは異なって、80点の段階で推理が当たればオマケがついてきます
でも80点で当てるのは正直かなりの難易度であり、私自身は一話以外はすべてミスでした
推理の舞台もかなり特殊であり、40分しか記憶を保持できない少女や催眠術まで一筋縄ではいきません
それこそ、今作品の魅力なのかもしれませんが…
最後の最後で、ようやくこの世界の全貌が見えてきます
なぜ七尾芹奈は主人公の元を離れたのか、老紳士は何者か、主人公の師匠ジャスティス、フィーナ様の目的……
心を鷲掴みに見される展開になること必至です。なんだこのワクワク感は
これで続編発売しなかったら怒りますよ。期待しています。声付きでシッカリとしたものを待っています
・キャラ
生意気な最年少探偵の主人公・八十神かおるが本作の主人公です
クラスＡの探偵と若年もあって、人を見下すところがある彼ですが、だんだんと角が取れてきます
逃げられた芹奈を懸命に追う彼には、後々好感度が上がることは間違いないです
同じように、好きな人に逃げられた南条さんと、身体だけの関係でお互いの傷を舐め合うことになったり。ホントにPS2版か？
そういう恋人のすれ違いと焦燥を書くのが非常に上手いです。見ているこっちがヤキモキしてしまいます
後はイケメン東西さんとか。最初はネタキャラ扱いだったのに、元カノの南条さんをかおるに託したり、カッコいいキャラに変身
シナリオを追うごとにキャラクターが磨かれていくのは素敵でした。毒島さんもね
20世紀のような昔のヒロインが多くて、とっつきにくい恰好していたりしますが、それがまた懐かしい
殺し屋マイちゃんとか、変身探偵の水陰さんとか……。ミステリート2でもきちんと出てくるらしいので期待です
男キャラ・女キャラ問わず、キャラクターがみな各々の魅力を持っている作品と言えるでしょう
・総評
とにかく続編をプレイさせてくれ！と訴えたくなります
可もなく不可の無くの出来ですが、プレイして損することはありません。柔軟な頭を活用してください
あわよくばCARNELIANの絵で続編を出してほしいですね
魅力的なキャラクターとともに謎を解ける舞台をもう一度！
・一言感想の羅列
①最初に死んだ奴が一番悪い奴と言う法則がある気がする
②アイコン選択は昔を思い出させますね。私は好きですが、どうやら不人気なみたいで…
③声があってホントに良かった。やっぱり声って重要ですね
④ところどころ推理にほころびがあるのは大目に見てやってください
⑤振りかえって見ると、二話がずば抜けて長かった気がします
⑥沢田ぁー！しっかりしろー！
⑦前作の主人公・悪行双麻も地味に出演。日本の名探偵2人＋1人大集合で前作のファンも取り込んでいます
⑧この感想を書こうとしたらIDがロックされてましたが、ひろいん様の迅速な対応で解除。ありがとうございます