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G-hunterさんの真説 猟奇の檻 第2章の長文感想

ユーザー
G-hunter
ゲーム
真説 猟奇の檻 第2章
ブランド
CALIGULA
得点
70
参照数
1694

一言コメント

サスペンスエロゲー界の肉男爵・佐野一馬と、サスペンスならハズレなし原画家・横田守の黄金コンビのリメイク推理作品。ストーリー全体としては1章の方が面白いが、今作の方が猟奇的な殺し方が多くて良かった。犯人はミスリードがあるものの、思っていた通りの人物だったのが残念かな…?夢のあるテーマパークという舞台を最大限生かした手腕は流石です

長文感想

夢見ぬ事を、この世界は許さない











・ストーリー

海外を合わせても数十のビルを持つ、巨大複合企業“帝国創世新社”
その本社警備部に在籍していた斉藤剛史は、突如“ファンタージェン部門”への出向を言い渡される
そこでの警備は普通の警備ではなく、テーマパーク内を騎士のコスプレをして行うものであった
慣れない格好に戸惑いながらも、可愛い女性キャスト達に囲まれた職場を楽しむ斉藤
だがそんな折、同僚であるカストーディアルキャスト(清掃員)が、施設の誤作動により事故死する
その後、送り付けられてきた1通の殺人予告とも取れる謎のメッセージ

深い眠りの墓所から私は目覚めさまよう
神との絆を断ち切るため、
失われた花婿を再び愛するため、
その心臓にたぎる鮮血を飲み干すために

湧き上がる疑心と、広がる噂
斉藤は次々と発生する殺人を阻止し、ファンタージェンの裏に隠された謎を究明できるのか?





1997年、つまり今から13年前に発売された作品のリメイク
今でも十分に通用する出来なのが本当凄い。逆を言うとエロゲのサスペンス分野が進歩しなさすぎ
1章ででてきた若本……じゃない比留間さんが声をやっていた斉藤が今回の主人公です
相変わらず女に目が無く、良いキャラしていますね
合コンお持ち帰りしたりとヤリたい放題。でもやっぱりエロゲ主人公はこう女にがめつく方が良いです

さて本編なんですが、初回プレイでほぼ犯人が分かってしまい、後が作業ゲーになってしまうのが残念
そのかわり、初回プレイのドキドキ感は異常。すごく気持ちが盛り上がります
1章同様、キャラクターの意外な繋がりが段々と描写されていくのが素晴らしい
エロゲってのはヒロインや脇キャラなどの繋がりが薄いものが多いですが、このシリーズだけは違いますね

でもまぁ、さきほど作業ゲーと言いましたが、1章よりは明らかにラクです
1章はデパートを移動する時間も考慮しなければならなかったため、意外に足かせをくらいます
しかし今回は、テーマパークを移動する時間が考慮されないため、時間に気を使わなくても大丈夫
親切設計という反面、小ネタも減ってしまってちょっと悲しい……

それにしても本当にテーマパークを舞台にしたのは成功でした
観客には仮初めの夢を与えてる一方で、今回のような狂気が渦巻いている
そのギャップを感じる描写には舌を巻く出来栄えだったのは確かです
しかし、それでもなお1章の圧倒的ストーリーの世界観の良さが、今回の2章を低めてしまっています…
つまり、これ単体だったら名作の域だったでしょうねぇ……




もう全盛期より数がだいぶ少なくなってしまったサスペンス分野
佐野一馬&横田守で猟奇の檻 第5章を製作してほしいものです
そして、その際にはもちろんアレは肉男爵でお願いします




・一言感想の羅列
①奇人変人のオンパレード!江頭氏にハーンや服部さん、その他もろもろ大集合
②ヒロインたちがエロゲヒロインとは思えない性格多数で素晴らしい。こういうヒロインたちが好きだ
③一番のお気に入りはたまみちゃん。次に牧子かな?志津子も人気高そう
④1章のエレベーターガールの時もそうだけど、どうしておっとりキャラって淫乱なんだろう
⑤「肉男爵」「鉄巨人」「ペニス」から好きなもの選んでね……っていったい…
⑥今回もずいぶんと悲しい悲劇だった。なんとも壮絶な復讐劇……
⑦夢を語り、その夢が叶うことを疑わなかった男。突如の挫折と終幕、その復讐を誓うある人の狂気の檻の物語