「月の彼方で逢いましょう」この一言に全てが詰まっている」
月の彼方で逢いましょう
今作のテーマは「運命の選択」
この会社の作品は初でめちゃくちゃ楽しみにしていた1作。
スクール編とアフター編の2部構成で、重厚なストーリーでプレイヤーの心をガシッと掴んでくる。スクール編ではひと夏の出来事を江ノ島の神秘的な景色と共に描かれていた。長すぎずダラダラしてないあっさりとした共通ルートでその先に何かありそう…と思える先が気になる描写に脳内に残るBGM、初手からかなり印象のいいストーリー展開。
江ノ島に地元が近いので今度まったりと聖地巡礼したいと思う。
気になった点
1. √によってシナリオの面白さに差がある
これは仕方ないことだと思うし、7人のヒロインがいる中でここまで完成度の高い作品を作り上げた制作陣の方には本当に感謝してる。ただ謎を回収しないまま終わったり、SF要素が7√のうち3√しか関わってこないことからSF要素を楽しみにしていた人、純愛をメインに楽しみにしていた人が中途半端に思えちゃうのかなと。
2.サブキャラのエッチシーンが少ない
これもしょうがない。限られたCGの枚数で重厚なストーリーを描く作品で20以上のシーンを導入した今作はえぐい。
ただし!!!!どうしてもそう言う目で見ちゃうきらり√だけはあと1シーン欲しかった!!!こんなえっちぼでぃなのに2シーンは勿体ないと感じてしまった。
音楽、システム面
これは本当に良かった。種類も豊富でOPは癖になるし、BGMは頭に残りやすい、いい所で流れるWithTomorrowはリピート不可避。
システム面も良心的だった。画面からアフター編へと一瞬で飛べるシステムは正直使いやす過ぎたし、セーブ数も多いので好きなシーンをバンバン保存出来る。セーブ画面が推しの霧子さんだらけになりました。
個別√の軽い感想
うぐいす√
"未来を繋ぐ電話と文字で紡ぐ普通の日常"
雨音は最後にやった方がいい以外の攻略順が分からなかったので気になっていたうぐいす先輩を初めに攻略した。
よき後輩だと男の子として見られてないと気づいてモヤモヤしていた主人公が、吹っ切れる瞬間があるんですよ、その理由がまぁ良い。小説を読んでる時のような表情がみたい、先輩はどんな顔してくれるのだろう?とモチベに繋げる描写は好意が伝わってきて良かった。自分の気持ちを小説という無限の世界、想像の世界に書いて告白するってロマンチックだなぁ…
途フラれた時の反応が妙にリアルで途中から嫌な思い出がフラッシュバックしてきてア゙ア゙ア゙ア゙ア゙と奇声をあげる化け物のようになってる自分がいた。心にぽっかりと穴が空いた感覚になって言葉で表しずらいなんとも言えない感情になるこのもどかしさ、うぅ…
うぐいす先輩の放った「本には実体があり、それは手で触れてその手触りや重みを楽しむことも出来る…以下略」この文に共感しまくりだった。実際に手で触れて、時間の変化を体験出来る、本の匂いも擦り切れたページも長年の時を経て付いた色々な感触を直接感じることが出来る
自分の思ってる本と言うモノの価値をそのまま言葉で表してくれて良かった。
厄介な病気を患っていても新しい景色を見たい、今までにない最高の瞬間を手に入れたいと高みを望む姿勢が不覚にもかっこいいなと思ってしまったのと同時に強い人間なんだと感じた。
付き合ってからは初々しい関係が見れて微笑ましかった。
手作り弁当を教室に押しかけて一緒に食べたり、学校を1度通り過ぎてまで主人公の家に来たり、少しズレてたけど真面目だった印象もあってデレ可愛らしい1面がめちゃくちゃ新鮮味を感じた。真っ白なページに主人公とうぐいす先輩の物語という名のピースをはめていくあの感じ、とても眩しく見えた。
恋愛経験ない2人が今の関係に迷ってる時に「同じ景色を一緒に歩く」この一言が出た時には思わず感動してしまった。エモい、エモすぎる!!
後半からは心が痛かった。ヒビが入って壊れていく"普通の日常"に、ただクリックして進めることしか出来ない現実が苦しかった。
お互い好いているのに遠ざかっていく関係、手放すもんかと好きと言う気持ちを全面にむき出してひたすらに食いつこうとする主人公、そんな展開があってか答辞は感動したし何とか幸せになってくれて良かった…本当に良かったとしみじみ思った。
Hシーン
おぉ、すげぇでっけぇパイだ!!!弾力がもろに伝わってくる。しかもそのでっけぇぱいを伝えるためにフェラチオのアングルを下からにしたスタッフ陣の皆さん、僕と握手してください。オマケにパンツの色をチラッと見せることによってプレイヤーの想像を捗らせる描写、セリフの一言がエロい、なんだこのえっちメスは。体のこともあり回数が少ない分1回1回を噛み締めてクリックしてた。
アフター編
6年後の世界で主人公とうぐいすがカフェの後継になり経営するところからのスタート
うぐいすの髪型も雰囲気も変わり、成長したキャラ、アフター編限定のキャラも増えたことにより学園編とは違う雰囲気で楽しむことが出来た。
そんな平和な日常が続けばいいなと思ってたんです。途中までは
プロポーズの瞬間を見計らってそのままハッピーエンドかと思いきや肝機能が正常に働かずもう命は長くないといきなりの鬱展開。彼女のやさしい嘘が絶望への入口を招いてしまう誰も幸せにならない展開が続いて、学生編から普通に生きたいという願いを持ち続けてきて描き続けてきたからこそ余計辛かった。
それでも「同じ景色を一緒に見たい」と1番辛い立場なのに想いを変えずプロポーズし、周りにも普通に接して欲しいと、うぐいすの願いを伝えた主人公は強いし本当にかっこいい人間だった。自分がこの立場なら絶対こんなこと言えないし絶望に打ちのめされて人間の状態を保てなくなってると思う。
灰色の世界に彩りを飾るようなきらりの言葉は全身に響いて震えた。
君という希望と軌跡を辿るような一瞬のキスは思わず心を揺さぶられて涙がこぼれ落ちるほど美しいもので"月がきれい"と言う言葉が世界一似合う2人でした。
誰よりも眩しい太陽とそれを見守る月のように。どんなに過去を変えても、実ることの無い恋が存在しても、その存在を忘れても物語を描き続けることを辞めず、俺は"うぐいすさんを愛していた"愛されていた"と言う事実を曲げない純愛なシナリオは本当に本当に良かった。救われた時には自然と涙が溢れていた。【運命の選択】このテーマをしっかりと落とし込めたなと思った。
聖衣良√
個人的にこの√は夢を追い続けることの素晴らしさや今、夢に向かって羽ばたいてる君へ後押ししてくれる。そんなメッセージ性の強い√だなと思った。アフター編に入るまでは親戚の子感がすごく強かった。面倒を見てあげたくなる存在と言うか、可愛い子猫のような存在。
自分の性格上だいたい幼いキャラは苦手なんだけど何故か聖衣良は良い子と言う印象が強くて苦手意識は一切なかった。同じ属性のキャラなのに魅せ方や物語の構成、声優さんの演技によって全く印象が変わるの不思議ですよね。
複雑な家庭環境で最大限の反抗が彼女なりの夜遊び、しっかり者だけれどその中でやっぱり年相応の精神と言うか、よりリアルに近いキャラで1番しっくり来た。素直でいい子だ
アフター編
ここからが本番。学生編で主人公と聖衣良の馴れ初めを描いてアフター編で爆発させる。急に始まったドキドキハラハラの同棲生活!うんうん、ちょっと待て、いきなりラブコメ展開すぎて追いついてないから〜!!って感じだったけど聖衣良が可愛すぎたから問題なし!JK聖衣良マジで可愛い。いや、今まで可愛い可愛い数億回言ってきたけどこれは本物の可愛いだった。
家に着いたらおかえりなさいと出迎えてくれてご飯まで用意されてる、もう正妻感が半端なく良かった
「イイ女になる」と約束したあの日から一途で主人公のことを好きでいた精神力エグすぎる…だいたい中高生って好きな人変えたり彼氏彼女作りたがるじゃないですか?しかも6年て、恋に夢中な女の子はいいね。
けど、うぐいす先輩と一緒にいる所を目撃してやっぱり主人公と年の差を感じて自分だけ置いてけぼりになってる感覚、聖衣良の心情がスっと伝わってきてどこか安心してるようでその瞳の奥に羨ましいという感情が消え切ってない、このもどかしさがまたいいんですよねぇ。お互い自分の気持ちに気づいているはずなのになかなかあと一歩先に進めない展開は初々しくてムズムズしたしアフター編なのに高校生の恋愛を見てる感じだった。
WithTomorrow流れる瞬間はやっぱり興奮するしこの曲好きすぎる。本当にいいところで流すよな〜
キャラゲー要素が強いので、最後に残すと言うより息抜きとして2〜4番目に攻略することをオススメします。シャワーえっち良き良き
きらり√
作家の夢をキッパリと諦めた主人公の8年後を描いたストーリー。共通√を終えてそのままきらり√に入った。
エッセイを書く企画で編集者としてサポートする主人公ときらりのお話。
イケメン食いをしている美人デカ乳天才作家で、うぐいす√では名言を残した人物。
正直、下着姿のきらりとホテルで2人きりになって理性保てた主人公が凄すぎてムスコが反応する前に思考が止まった。
面倒くさがり屋で主人公振りまわしたり、色っぽいねっとりとした声で誘惑してくるしで変わり者の作家なのに書く文章は完璧。数々の人に認められた文才で描かれる書籍はいつか読んでみたいと思った。
天才作家だけあって言葉の重みも違ったな〜時折きらりの口から出るセリフは自分の心に刺さるものがあった。例えば初テレビ番組に出演した際に寄せられた賛否のコメントに「他人がどう思ってるかじゃなくて、自分がどう感じたかが大切」と何気ない一言なのにどこか心に残るような言葉が個人的に印象的。
2人で旅行に行く様子や打ち合わせの際に自宅に連れ込んだことがバレて常務絡みで大問題に。有名人がスクープされて週刊誌に載ったりと現実でありうることが次々と襲いかかってもう厳しいかと思ったら、わずかな希望の光を掴んで救う展開に。サブ√かつ創作モノをテーマにしたシナリオでここまで胸が熱くなるとは思わなかった。1つプロットを使って弟子と孫の2人が書く、同時に出版することによってメディアや読み手の興味をひく、物語の落とし方が上手すぎて思わず拍手してしまった。堂々としたイチャコラはなかったけど大人な恋愛って感じでよかったなぁ…
Hシーン
えぐい。これえぐい…早くHシーンを変更しないと全人類がきらりを求めて現実と虚構の区別がつかなくなって人類が絶滅する。けど俺は思うんだ、この√の中で愛を証明したのは騎乗位でもなく立ちバックでもない1回の濃厚なキスだということを。そう、本当のセックスは1回だけだったのかもしれない。
灯華√
サボり魔、遅刻魔、補導魔、そう問題児。
援交疑惑が話題にあがり、噂かと思ったら男の人とホテルに行く様子を見ることになる不穏な共通√から始まり別√で話は出てきたものの姿を現すことはなく、消えていった人物で謎多き存在。掴みどころがなくキャラ設定を伝えずに6人の人間が灯華を作り上げたみたいな感じで本当によく分からない奴だった。
気分屋なところがあってか話を聞かず勝手に話を進めたり、機嫌を損ねるととことん無視したり、居なくなったと思ったら急に現れて別人のようなハイテンションな振る舞いで接したりかなり面倒くさい1面も見えた。まぁ灯華らしいって言ったら灯華らしいしその子供っぽさも灯華の魅力の一つなのかもしれない。
家庭の事情、灯華自身に起こっている事を謎の状態にしたうえにいきなりの転校で主人公の恋も実らないまま学園編が終わったので、アフター編でこの謎を回収できるか不安だけどそれ以上に楽しみ。
アフター編
8年後の世界で未来と過去を繋げるケータイを駆使して過去の奏汰とやり取りするシーンからのスタート。過去と未来での世界軸のズレや過去改編、存在しない記憶、かなりSF要素強めでこの作品のひとつのコンセプトである部分が発揮されていた。
本題に入るまでもったいぶりな気がしなくもなかった。過去奏汰や栞菜、雨音、うぐいす先輩たちの協力で1ピースづつ穴を埋めていく感じも悪くは無いけど、謎が増えていくばかりでさきが気になってた分日常パートが邪魔に思えてしまった。
ただ、灯華の口から本当の目的を発せられた時からどんどん面白くなって行ってワクワクとハラハラがおさまらなかった。灯華の些細な行動も一貫して意味がある行動で、人生を壊した人への復讐、どんどん不穏な空気になっていく展開で一旦休憩しようと思ってた気持ちが変わって一生クリックしてた。
めちゃくちゃ胸糞悪い展開で吐きそうになったけど未来の世界では灯華がいない、お前は手放すな、灯華のいる過去を絶対に手放すなと言わんばかりの運命の選択の連続に目頭が熱くなった。
灯華が背負ってた呪い同様、電波塔の少女は主人公にとっての呪いだったのかもしれない。おかえりの一言を言うために
お風呂えっち最高でした
栞菜√
漫画の編集部へと移行した主人公と恋愛経験0で基本に内気な性格の漫画家ヒロイン栞菜とのシナリオ。
恋愛経験なし、根本的に世間知らずと妄想の範囲内での漫画で内容もイマイチ、前の編集者からも放ったらかしにされた挙句作品は打ち切りとだいぶ最悪な状況でのスタート。
そんな栞菜がランキング1位の座を取るまでの道筋を描いた夢へと羽ばたく物語でプレイヤーの背中を押してくれる、そんなシナリオだった。
うぶな2人なのですぐ惹かれあって付き合いそうと思ったけどきらり√同様、作家と編集者の恋愛は禁止で壁で塞がれた状態に。仕事柄仕方が無いことだけどやっぱり2人はどこかお似合いで幸せな雰囲気を感じれたのでどうか結ばれてくれと願うばかりだった。経費に落とさずしれっと自腹でネックレス買ってあげるイケてる奏汰はやっぱりかっこいい。
漫画業界や出版をメインとした業界だと打ち切り問題はやはり避けられない。読者が求めているものは新たな刺激、霧子さんの言ってることめちゃくちゃ分かるんですよね〜…
一読者として漫画や小説を読んでるけど同じような内容の恋愛作品より、少し違う尖った作品の方がおっ!と読者の目にとまりやすい。自分自身も新たな刺激を欲してるのかもしれない。
王道を行く栞菜の漫画だとどうしても続けることが困難と言い渡された主人公と栞菜の快進撃は胸が熱くなった。試行錯誤して作風を変えるって多分めちゃくちゃ勇気のいることなのに、短時間でテイストを変え良い部分を残しつつひとつの山場を作る展開に仕上げた栞菜は才能に満ち溢れていると改めて実感した。信頼しきってるおかげか素直に受け入れる栞菜も編集者としての義務をまっとうする奏汰もめっちゃ良き!この話好きぃ…ってなった。
栞菜が漫画家を辞めて旅館を継ぐってなった時に必死に止めようとした奏汰の心の中には"好き"とは別に過去の自分と栞菜の今を照らし合わせて、自分が小説家諦めたようになって欲しくないと言う強い意志も感じられた。
物語の締めもエッチシーンも非常に良き内容
霧子√
今√のテーマは「結婚」
スケベボディを持ちながら、仕事!仕事!仕事!って感じの真面目で頼れる上司の霧子さんと結婚をテーマに企画を進行する奏汰との大人の恋愛。目元のホクロとお姉さん感溢れるボイス、体のラインが強調される服装、全てが性癖にぶっ刺さるキャラ。この人は絶対ディープキスしながらイッたあとも手こきを継続してくるS属性持ちのキャラ(妄想)
この見た目で35歳なのもポイント高いしこんなにドキドキしながら進めたのは久しぶりで純粋に楽しかった。
編集長と部下という関係を活かし仕事の中で関係を築くと思いきやきっかけはまさかの婚活パーティ、仮の結婚相手になって欲しいという霧子さんの願いから惹かれあっていく2人。そこに取材のため、あくまで仮の関係で仕事のサポートをするためと理由付けを加えて2人の視点から描かれる恋愛の地図、after編ならではの大人の恋愛が1番見れた√だった。
普段ビシバシしてる編集長が婚活に疲れて思わず弱音を吐いてしまう霧子は正直可愛すぎた。やはりギャップには耐えられないんだな…と実感した。お酒が入るとトーンが上がって柔らかくおっとりとした声になるのも耳が気持ちよすぎた。イグゥウ
2人の絶妙な距離感もいい。お互い気持ちに気づき始めてるのにその感情にそっと薄い布を被せているようなもどかしい気持ち、適当にイチャラブ展開を描くのではなく丁寧に丁寧に変に干渉せず日常を描き続ける落ち着きのある感じ、やっぱりafter編らしさがあって良い。
年齢と"妥協"と言う壁にぶつかる2人。好きだから一緒にいたい、そんな簡単な日常があったらどれだけ良かったことか……私は彼を騙してその結果惚れさせてしまった、彼にはもっとお似合いの人がいると普段の賢さが裏目に出た選択でどこか共感できる気持ちと収まらないモヤモヤで心臓がはち切れそうになった。こういう時のきらりは本当に心強い。彼女にはそんな安心感がある
引き離された2人を磁石のようにくっ付けるきっかけ作りがまぁ良い。「ガチ婚活」を利用して霧子さんに興味を持たせラブレターを読ませると言うなかなか強引な展開だけどこのくらいぶっ飛んでた方が読んだ時のインパクトがあって面白い。それに応えるビリヤードですよ!!まさか序盤に出てきたビリヤードがここで生きてくるとは…素直に拍手を送った。
ぐへへ俺も霧子さんと結婚してイチャイチャしたいんじゃ〜〜(瀕死)
雨音√
前半部分はほとんどキャラゲーに近い感じで、この先何かありそうと言う雰囲気を漂わせつつ雨音と奏汰の平凡な日常を描く物語。一言で表すならやたら機会に詳しい厨二病。小鳥遊六花と言った方がわかりやすいだろうか?過去の記憶が思い出されて恥ずかしくなっちゃう系のやつです。
とても可愛らしい小柄な金髪少女で「にゃぁ」「はにゃぁ」と言う反応が可愛さ天元突破で不覚にも、え…可愛い…と思ってしまうほどべりーべりーきゅーとだったし「ありがとう」の一言を言うためにモジモジしちゃう雨音も小動物みたいで良かった。得意のコンピューター知識で先生を煽ったり、ドローンでバイトに来たりとなかなかネジが外れてる部分が垣間見えたけど両親が亡くなっている、友達がいないと境遇を知ってから何故か納得できる。そんな部分もあってか雨音と奏汰が仲良くしてる姿を見る楽しみを得ていた。バイト帰りにこんな美少女の家に行けるなら毎日シフト入れる。羨ましいぞ奏汰
途中、告白する機会を3回ほど逃して少しグダリ気味で少し退屈な部分があったけどこれは仕方ないのかな…個人的に感情移入することが難しかったから最後の展開も家族愛も何も刺さらなかったのが悔しい。
結構学園編で山場あったと思うし、アフター編で何やるんだ?
アフター編
高校卒業後、大学生になりいつか夢見た新人賞を目指す主人公と少し大人びた雨音の新生活。
同棲を始めた途端何事にも積極的になる雨音は俺たちの思い描いてる理想の女性なのではと思ってしまうほど美しい。親しい仲の人がいなかった雨音にとって奏汰は希望のような存在だったのかもしれない。
過去と未来を繋ぐスマホ、エンデュミオン、グレイの軌跡を辿るという事は雨音の過去にも繋がること、この先どんな面白さを見せつけてくるのか楽しみになった。
グレイの悪評やエンデュミオンの不具合の裏に潜む真実、会社を守るために仲間を売りメディアに意識させ信頼を取り戻す。これも何かしらの"運命の選択"だったのかもしれない。雨音が持ってたアルバムにはグレイの姿はひとつもなく、育児放棄した父親と言う散々な立ち位置で物語が展開されていたが、スマホの中にあった写真と日記、グレイが抱いた願い、感情、想いが綴られていて正直泣きそうになった。ただの素直になれない不器用な父親で誰よりも雨音を愛していたんだと伝わってきた。自分はエゴに従って娘の幸せを願っているはずなのに不幸にさせてしまっているんじゃないか、心を閉ざしてしまった原因は自分にあるんじゃないかと鬼才と言われた彼も彼なりに悩んでいたんだなと…
これは「誰よりも幸せを願う彼と不幸な少女の始まりの物語」だったのでは無いだろうか。復讐を誓った姫が、復讐するのではなく後継者としてエンデュミオンを繋いでいく展開は雨音の成長と雨音の覚悟、和解を感じられるとても良い内容だった。
そして、月虹の向こう岸「月の彼方で逢いましょう」素晴らしすぎるタイトル回収。全身が一気にゾワゾワとした感覚になり言葉に表せない感情が湧いてきた。雨音√を最後にやれという先駆者たちの言葉がやっと理解できた気がする。雨音と奏汰に幸あれ!最高でした
総評
かなり楽しみにしていた作品だったが、結論かなり面白かったし満足感の高い作品だった。日常パートでぐだったり消化不良に終わった√もあるけど、それを通り越すほどの感動を味わったし2部構成で展開される物語は重厚感がありとても良かった。
個人的に好きな√は、うぐいす√、きらり√、霧子√